明日のことは過去のこと 第二巻 第二章 (2)

「では、私たちも医療室へ向かいましょう!。」
ナアムがそう言うと、
「はい!。」「いきましょう!。」
神がそう答え、二人で向かったのです。

「神に質問があります?!」
「われわれの医療器械はレベル的に、
どのぐらいの水準でしょうか?!。」
「正直に話していただきたいのですが?!。」
ナアムは神に尋ねました。

「はっきり言いましょう!。」
「私が地球に来る前の、
私が生まれた母星のレベルより、少し落ちるぐらいの水準です!。」
「しかし、通常の治療をするには、十分な設備と言えます!。」
「ただ、あなた方は宇宙空間を旅してこられたので、
ほかの惑星の微生物や細菌に対して十分な考慮をしています!。」
「ですので設備自体が少し大きすぎるのです!。」

「私の管理する宇宙船では、この医療器械の3分の1程度の
大きさしかありませんが、問題なく治療をおこなえます!。」
「私の使っている医療器械はテレパシーわざの削除を、
想定して作られていませんでしたので、
残念ながらテレパシーわざの削除は、完全にはできません!。」

「ところで、あなた方の宇宙船では乗務員は何名ほどいるんですか?!」
今度は神がナアムに尋ねました。
「船団すべて合わせると、正確ではありませんが、
3000名以上勤務していると思います!。」
ナアムがそう答えると、神は言いました。

「じつは私の管理する宇宙船には、
必要な部品を調達する設備がありません!。」
「船団長に相談しようと思ったのですがその前に、
治療に立ち会わなければならなくなったのです!。」

「現在ある医療器械を改良して、テレパシーわざを削除できる、
医療器械に作り変えたいと思います!。」
「今の宇宙船の緊急脱出用宇宙船に不具合が見つかったので、
古い宇宙船の部品を使って修理したので、
もう部品がありません!。」
「ですので、部品の供給と、医療器械のことについての
知識を持った乗務員をお借りしたいのです!。」
神はそう言うと、お辞儀をしたのです。

「わかりました!。そのことは、船団長に伝えておきます。」
ナアムはそう答えました。
医療室に着くと、受付を済ませ最新の医療器械のある場所に向かったのです。
そして入り口に二人の警備員がいる部屋に入り、
最初のときと同じように宇宙服のような服を、身に着けたのです。
それから最新の医療器械のところに来たので、
この医療機械の改良したほうがよいところを、
神は詳しく説明し、指摘したのでした。

「ありがとうございました!。」
「神の説明を聞き、改良すべきところが多くあることを、認識しました。」
われわれの船団の中に、宇宙船に必要な部品を造る船もいますので、
そこで部品は調達できます!。」
「もし改良した機械を作るのであれば、そこで作ることもできます。」
「指摘された点は多くありますが、当分のあいだは、
この医療器械をうまく使って、治療したいと思います!。」
「最初は時間がかかるでしょうが、それは仕方のないことです!。」
「私がなれて時間を短縮していくしかありません!。」
ナアムはそう、力強く言ったのです。

神を医療器械のある部屋の休憩室に案内すると、
ナアムはこの医療器械の仕様書の細部にわたり、すべてを読み終わりました。
そして、特殊な治療のところを、丹念に何度も読み返しました。
読めば読むほど、神の指摘の正しいことが、より理解できたのでした。
そして人間と同じように作られたロボットを使って、治療を試してみました。
はじめてから地球時間で30分ほど経つと、
この医療器械では時間がかかるのがよーくわかったのでした。

ナアムは、医療器械に設置されている、
船団の指令室に直接連絡できる電話で、船団長と話をしたのでした。
「船団長、この医療器械で特殊な治療をおこなうには、
大変な時間を要してしまいます!。」
「今人間ロボットを使って特殊治療を試みたのですが、
いろいろな改良しなければならない点が多くわかりました。」
「それはすべて、治療を試みる前に、神に指摘されたことです!。」
「いちど神と医療器械について、話し合いをしてもらえないでしょうか?!」


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