明日のことは過去のこと 第一巻 第二章(5)

完成した制御装置を緊急脱出用宇宙船に組み込むことになりました。
この宇宙船のことについて以前、彼女から質問されたことがありました。
「管理者。この緊急脱出用宇宙船はどう見ても宇宙船には見えないんですが
本当に宇宙船ですか?」
「ええ、本当に宇宙船です。」
「なんに見えますか?」
「大きな岩のような、大きな金属破片のような、
見る方向によっても違いますが、どう見ても宇宙船には見えません。」
「それでいいのです」「それでなければ困ります」

「この宇宙船は特殊な耐熱超硬金属でできているのです」
「原子構造は母星の重要機密事項になっています。私も詳しいことはわかりません」
彼女はびっくりして言いました。
「管理者でもわからないことはあるんですか!?」
「もちろんあります」「憶えなければならないことはいっぱいあります。」
「わたしたちがここにいるあいだにも母星では進歩を続けているのです」
「いまは戦争で進歩が止まっているかもしれませんが、
それが終わり戦争の傷が癒えればまた、進歩が続いていくでしょう。」
「それが文明なのです。」

神は続けて話しました。
「われわれよりも進歩してもっと優れた人たちに管理を任せたいのですが
それまでは、がんばらなければならないのです。」
「あなたにも、彼らにもまだ苦労をかけると思いますが、
母星からの交替要員が来るまではなんとしてでも地球の管理をし続けなければなりません」
「それがわれわれの任務なのです」

完成した制御装置を緊急脱出用宇宙船に組み込む作業が始まりました。
設置して、コンピュータにつなげれば終了となります。
そののち神が地球に行き稼動検査をしたのでした。
磁場の影響が少しまだあるところがありますが、ほとんど正常に機能しました。
予定よりも時間がかかりましたがすべて終了しました。
彼ら二人には地球に行き1日休養を取ってもらうことにしました。
彼女に了解を取ったら喜んで了承してくれました。

神は彼女に言いました。
「あなたを心から愛しています。わたしの妻になってくれませんか?」
「お願いします」
「ほんとうですか?!」
「ええ、もちろん本当です。」
「うれしい。本当にうれしいです。」「私もあなたを心から愛しています。」
そう言うと、彼女の目から涙があふれてきました。
神は彼女を強く抱きしめたのでした。

しばらくふたりは抱き合っていました。
心が通じ合ったのでした。

神は言いました。
「私は、あなたとの子供がほしいのです。」
「若いときから一番最初の子は、男の子に決めていました。」
「もしあなたがいやでなければ!?」彼女に聞いたのでした。
「あなたが望むのであれば、私も子供が好きですからかまいません」
「ありがとう」と言いもう一度彼女を抱きしめたのでした。

神は、生殖についてほとんど知識のない彼女に告げたのでした。
「男の子がほしい場合薬を3ヶ月飲み続けなければなりません」
「飲んでくれますか?」
「あなたが望むのですからもちろん飲みます。」
医者である神を心の底から信頼しきっていたのでした。
神は続けてこの薬について説明したのでした。

「この薬は少し強い薬ですが、
今現在この薬でしか男の子を確実に妊娠できる薬はないのです」
「個人差がありますが、双子、三つ子などの複数の子供が生まれる確率が高いのです。」
「私は多ければ多いほどうれしいのですが」
「あなたはどうですか?」と、彼女に尋ねました。

「私は、あなたが望むなら何人でもかまいません」彼女は答えました。
「ありがとう。」そう言って、彼女をしばらく抱きしめたあと、
「じゃあ、いまからさっそく薬を調合して作ります。」
そう言って薬剤室に向かったのでした。

彼女は宇宙船のデータで知識を得ていたのですが、
生殖のことについては詳しく書いてあるデータはありませんでした。
すべて簡単に書かれていました。
男の子を作る方法などはまったく書かれていませんでした。
神がすべて改ざんしたのでした。

彼女に宇宙船に関する補助任務者としての知識以外は、
多くの知識を与えないためでした。

第二章はこれで、お。し。ま。い。

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