明日のことは過去のこと 第一巻 第一章(9)

神の生まれた地、母星では犯罪を犯した者を送る流刑地を、
地球としていたのですが、犯罪者を乗せた宇宙船を打ち上げるそのときには、
同じ時間に違う場所から、一斉に何万という宇宙船を打ち上げました。
それは犯罪者を取り戻そうとするものたちの行為を防ぐためでありました。
何万という宇宙船の中には自動操縦のものや、
ほかの惑星に探査に向かうものや、
防衛軍の宇宙船パイロットの練習船など、いろいろなものがありました。

そのとき暗号化されたメッセージも同時に、
それぞれ違う場所から一斉に送ったのでした。
それは、地球の位置を、
犯罪者を取り戻そうとするものたちに、知られないためでした。
神たちが暮らしている宇宙船から、母星へのメッセージは、
絶対に何があろうとも、送ってはいけない法律であり規定でした。
やはり地球の位置を、知られてはいけないからでした。

母星へ戻ってきた補助任務者7名は、
ほかの任命を受け、ばらばらになりそれぞれが担当の任務につきました。
彼らは残った3名のことを気にかけていました。
彼らが戻ってから100年のあいだ、
犯罪を犯すものはひとりもいませんでした。

ほかの宇宙から来た、探査の者たちとのあいだに、
トラブルが出始めていました。
各宇宙とのトラブルをなくすため、協定を設けていましたが、
彼らとは協定がなされていませんでした。
彼らは未知の宇宙生命であり、
異次元の宇宙から、船団を率いて来た者たちでした。
彼らは勝手に周辺の惑星を探査し鉱物資源、動物、植物、
などを見本として持ち帰り、あらゆる検査をしたのでした。
再三再四申し入れをしたのですが、無視して続けていました。

1年が過ぎ、2年が過ぎた頃、とうとう母星の資源をも、
勝手に持っていくようになり、動物、植物まで広がっていきました。
宇宙船に乗って交渉に行った者たちも、捕まえて検査をしたのでした。
彼らの傍若無人な行動に、母星の人々も怒り出し、
攻撃をするように、デモが各地で起きました。

これ以上母星の人々を拉致した場合は、
攻撃をすることを、異次元からきた宇宙人に告げました。
しかし、彼らはそれを無視して、拉致を続けました。
過激なデモで捕らえられる人が、数人ではじめました。

母星の指導者たちは、母星と協定を結んでいる宇宙人たちに、
経過を説明して、応援を要請したのでした。
そしてとうとう、戦争が起きてしまったのです。
われわれの宇宙と、異次元からきた船団との戦争は、10年に及びました。
彼らの船団の規模はこの戦争で半分になりました。
そして彼らは、異次元へ帰っていきました。

戦争をしているあいだに、
過激なデモなどで捕まった人たちの、裁判が行われました。
どんな理由があろうとも人を傷つけた者は、
ほとんどが地球への、流刑となっていました。

異星人に家族を拉致され、母星の指導者のひとりの家に会いに行き、
口論となり、刃物で刺して、重症を負わせた女性がいました。
1年間の裁判ののち、
地球への流刑が確定したのは、この女性だけでした。
記憶を消され、テレパシーわざを使う能力を消され、
高度な知識も消されましたが、テレパシーを受ける能力はそのままでした。

地球へひとりの女性が送られることを知った、
7人の地球から戻ってきていた補助任務者たちは、自分たちでもいいし、
若い者でもいいので、交替要員を送るように、嘆願書を出しました。
7人は、高齢の二人を残して、命令とはいえ、
戻ってきたのを悔やんでいました。

任務の合間に多くの署名も集めて提出しました。
彼らの願いもむなしく、嘆願書は却下されてしまいました。
戦争中だったので、ひとりでも多く、
戦いに参加できる医者や技術者が、必要だったからでした。

管理者、補助任務者の交替要員は、一緒にだれも乗り込みませんでした。
女性一人だけを乗せ、自動操縦で宇宙船は出発したのでした。
そしてメッセージも同時に、暗号化されて地球へ送られました。
せめて最新の医療器械を、宇宙船にのせてほしいと、請求したのですが、
これも却下されてしまいました。
嘆願書を出した7人は、涙を流して宇宙船を見送ったのでした。

第一章はこれで、お。し。ま。い。

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