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テクニカルノーツ(WS-2010編その1)
観測機器のイメージ図
WS2010イメージ図
システムの長所と短所
長所 ケーブルがないので場所を意識せずに配置することができます。電源が独立しているので停電によるデータの中断の心配もありません。また、比較的安価でシステムを構築できます。
短所 湿度の測定範囲が狭く、冬場はスケールオーバーになることがしばしばあります。最大瞬間風速は測定できません。瞬間値を観測できないのが不便です。
PCへのデータは自動的に統計処理されず、自分で記録をまとめる必要があります。
電波の届かないところに設置しないとデータが入りません。チェッカーがないので受信ポイントを探るのがすごく不便です。

太陽電池について
温度計の説明には毎朝日が当たるところとなっていますが、日当たりが悪いところでも十分動作しますが、暗所では電池切れの心配があります。。正確性を期すためにも日の当たるところにはおかないことを勧めます。センサー部は一応遮蔽されていますが、強制通風ではないので日当たりにさらされると気温が高く出ます。

雨量計について
デフォルトの設定では1カウント当たり0.37mmとなっていますが、私がアメダスやレーダーアメダスの実況から推定した結果、かなり多めに出ていることがわかりました。ちなみにこの雨量計の仕様では1mmあたり13.23cm3の水が流れるようになっています。つまり、
雨量計に注いだ水の量(cc)/カウント回数/13.23
で1カウント当たりの降水量が計算できると思います。
私が実験した結果では0.31mmにしました。気象庁の指針では1滴単位で水滴を落として実験するようにとなっています。(そこまではできませんでした)

気圧計について
最近電池の消耗か気圧が低く出ているような気がします。と思い検証したところ下図の通りそのようなことはありませんでしたが、気圧を補正する必要性が出てきました。
気圧観測値
静岡と御前崎の気圧は気象台が観測したデータを用いています。

温湿度計について
温度計は検定つきの温度計で検証していませんが、気象台の観測データと照らし合わせたところ、地形的要因があるのではっきりとは言えませんがほぼ誤差幅に収まっています。95%以上と20%以下が測定できないのは困りものです。
湿度観測値1
湿度の観測値の比較(%)5日間移動平均
湿度観測値2
5日間移動平均値による静岡と当地との湿度の差
静岡の湿度の観測値は静岡地方気象台で観測されたデータを用いています。

受信環境について
仕様では330フィート(約100m)以内で受信できるとなっていますが、実際はそれよりも大幅に狭くなります。(一部の販売業者では無障害で約40mとなっている)さらに壁の材質や妨害電波によってはいっそう受信状態が悪くなることが見込まれます。周波数は433.92MHzが使われていますが、この周波数はアマチュア無線等で使われることも多いので住宅地や幹線道路の近くでは厳しいかもしれません。

PCインターフェイスについて
実感としては表示板よりも受信性能が悪い気がします。WindowsXPで動作確認をしました。またLA社のホームページから最新バージョン(2.42)をダウンロードできます。
データロガーからの処理はC++で行っているらしいです。英語とC言語がわかれば自前でデータ管理ができるかもしれません。。
データロガーの容量は32KB、10分間隔の観測で7日間、1時間間隔の観測で42日半のデータを蓄積できます。
注意点ですが、電池を入れた直後30分ぐらいはパソコンとアクセスしないでください。データの受信ができなくなります。

リンク
http://www.lacrossetechnology.com/index.html
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