おそらく誰も知らなかった?
           21世紀におけるオープンリールの現状リポート
     
第1回報告 サービスの開始と終了について

管理人は2001年9月より2005年12月まで「オープンリールテープのデジタル化サービス」を当サイトに併設して行ってきました。このサービスはテープは残っているが再生機器が故障したり無かったりして再生できない方のために再生したアナログ音源をデジタル化してCD-Rに焼き付けるというものです。

ここでは、この間に復刻してきたオープンリールテープの21世紀における現状と復刻における諸問題を連載形式でリポートしていきたいと思います。オープンだけでなくカセットでも起こりうる問題点も指摘していきたいと思いますので、これからアナログ音源の復刻にチャレンジされる方は是非参照下さい。

●サービス開始のきっかけ
サービスを始めたきっかけは当サイトでアナログ音源、特にオープンリールのデジタル化の記事を掲載したところ記事を読んだ方の何人かが「録音機器がないので、復刻してもらえないか」と問い合わせがメールで寄せられたためです。最初はもちろんお断りしていたのですが、その都度オープンデッキの購入方法や録音などを個別に説明するのがかえって手間になり、それなら有料サービスとして手間賃だけでもいただこうと考えたのが最初だったと思います。

 この間、自分でも思いがけない程多くの利用をいただき時期によっては本業より、このサービスに割く時間の方が多い事もありました。一時期10〜20本という大量本数の依頼が重複し仕事場にテープが山積みとなり、本業も多忙な時期で途方に暮れたこともありました。

●テープの劣化が終了の大きな要因に
そして4年間に自身の仕事内容も自営には変わりありませんが転業したこともあり、仕事場での接客頻度が多くなるにつれ諸問題が出てきたので本年をもってサービスを終了させていただくことになりました。

 諸問題というのは実は衛生上の問題なのです。ひとつはテープのカビ、もうひとつはテープの劣化による異臭です。カビの飛散は人体及び再生機器・PCにダメージを与えます。できる限る拭き取って送付してもらうように明記しましたがリールの形状によってはどうしても取れない部分があり、最終的には当方でカビ飛ばしを行うことになりますから衛生上悪いのは当然です。

 そして全く予想していなかったのが強烈な異臭です。テープベースが変質して酢昆布のような鼻を突く刺激臭がするテープを数多く依頼された事です。管理人は過去現像・定着液等結構臭いのきつい薬品を扱う業務にも携わってきましたが、それとはまた別のイヤな臭いです。私もたまりませんでしたが事務所で本業の仕事をしている家内や来客にとってマイナスイメージだけでなく健康上の問題もありますので継続は困難という結論に達したというのが現状です。

これらの劣化の詳細は今後レポートしていきたいと思いますので、連載をご愛読いただければ幸ですm(_ _)m

お断り
このリポートは復刻した30〜40年経過したオープンリールテープの現況を検証するもので依頼された個々のお客様の録音内容について掲載する事は一切ありません。ジャンル別の録音内容については2002年までの集計レポートを掲載した下記リンクページがありますので参照下さい。これ以降の受付についても傾向はほぼ似通っています。

受付オープン録音テープの傾向



第2回のお話へ
Last Update 2005.12

TOP