受付録音テープの傾向データ

このデータは2004.3集計分です。
1960年代の録音内容傾向はこちらを参照下さい


2002年12月までに処理したオープンリールテープの傾向と仕様データを掲載しました。集計は2004年3月に行いましたが2003年分まで入力できませんでしたのでご了承ください。サービスは2005年12月で終了しました。

掲載データのうち年代・年次はテープの箱に記載のあるもの、録音記録されているものはそれにより、テレビやラジオ収録番組等により推測される場合は年代を集計。不明のものもかなりありました。

 現在までに送付されたテープでデジタル化不可能なものは、必ずしも古いものではなく、録音機器の不具合(消去ヘッドの故障)、磁性体の欠落などによるものが原因です。


[録音年代]

1960年代のテープが過半数です。
年次では60年代は1960年から69年まで様々です。

全体の年次では1950年代〜70年代半ばまで、ほぼ連続して受付データがありますが70年代後半以降はまばらです。

80年代以降のテープは、カセットの普及もあり時代的にごく僅かです。



[録音速度・チャネル]
録音速度は9.5cmが全体の7割を占めています。

 サウンドはモノラルが大半でモノラル録音の場合は2トラック、ステレオでは4トラックという形態です。

僅かですが19cm2トラックモノラル、放送局用フルトラック録音もありました。2トラック38cmステレオの申し込みも若干ありました。



[テープの銘柄]

SONYが4割を占めていますが、日立(マクセル含む)・SCOTCH・TDK・Nationalがほぼ拮抗している他、外国ブランド、全くのノーブランドなど様々です。

 60年代の録音が多い事もありローノイズタイプは少なくスタンダードタイプが中心。
 カセットと異なり9.5cmで録音されたものでも目立ってテープヒスの多いものはごく僅かでした。



[テープのリールサイズ]

サイズは3・5・7号が中心ですが珍しい偶数サイズの2・4・6号も見かけました。



[録音内容]
マイク録音の会話と演奏が半々といった処です。残り部分やテープの最初の一部にラジオやテレビの録音が入っているテープも多い。
 会話テープはカセットが普及する以前の60年代のものが中心です。特に家族の会話録音は、現在では鬼籍に入られた身内の方もおられるでしょうからデジタル化して残しておきたい録音の筆頭に掲げられる貴重なものではないでしょうか。

※個人の無伴奏独唱や子供の歌は会話と混合している部分が多いので「会話」として区分。ラジオ放送は本人(学校)出演コンクールなどが中心。今回片面のみの集計なので「録音無」もあります。

その他
[テープの状態]
多くのテープのリールにカビが付着していました。アセテート素材のテープではワカメ状になっているもの、なりかけのテープも非常に多く見られましたが全く再生できない状況ではありませんでした。
 また、リーダーテープが付いているものでも、多くのテープでリーダーの剥離が顕著です。

[音量(録音レベル)]
デジタル化の際、最もポイントになる録音レベルですが、「ある程度」適正範囲のものを含めると過半ですが、極端に高いレベルで歪んでいるテープ、逆に極端に低いレベルで音声が聞き取りづらいものもありました。

[音質]

気になる音質ですが、磁性体自体の経年劣化と思われる音質低下がはっきりと認められるテープは無いようです。スピードが遅くなるほど音質が悪くなるのは仕方ありません。
 ただ、9.5cmの録音では音質に非常にバラツキがあり、そこそこ好音質で録られているものとそうでないものの差がかなり大きい傾向にあります。
 これは録音年次と必ずしも比例しているわけでもありません。音質はテープの質より録音機とマイクの質に依存する部分が高い事によるものだと思われます。
 1970年代以降の録音では、スピードにかかわらず概ね音質は良好でした。



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