CD-Rの保存〜その2
ケース・収納場所に配慮する | ||
CD-Rにとって収納ケース(CDを個々に収納するケース)と保管場所は一般のCD以上に配慮が必要になります。「デジタルメディアの保存と処分」のページに記載したように『紫外線に弱い』『レーベル面が剥がれやすい』というデメリットのためです。 そのため上手に保存するには ・丈夫でかつ、盤に接触しないケースを選ぶ ・遮光性のあるケースを選ぶ、つまり透明ケースを避ける ・カビ対策をする という記録メディア全般に共通する配慮がより必要となります。 |
||
収納ケース | ||
■代表的なものは音楽CDに最も多く使われる二重底の標準ケース、スリムケース、不織布ケース、ビニールケースがありますが、基本的には盤面が接触しない標準ケースかスリムケースを選ぶ事です。 ■不織布やビニールケースは盤の両面ともケースに接触します。これによって傷が付く事はあまり考えられないのですが、これらのケースには化学薬品が使われることが多く、その揮発によってCD-Rが変質したという例があります。 詳細は補足事項のCD-Rの化学変化と保存の心得を参照ください。 この例は透明フィルムに混入した帯電防止剤の影響だという事です。 ■また、両面ビニールケースでは湿気が逃げずに結露がでる可能性が高く、カビの発生原因になります。 |
||
管理人の考える理想の保存ケース・メディア | ||
管理人は二重底の標準ケース利用派ですが、このケースが使い勝手、保存性で最も優れているのではないかと思います。以下、標準ケースのメリットを説明してみました。 | ||
(1)画像のような二重底の標準ケースに保管する→背表紙のタイトルがわかりやすい。 (2)@Cのように市販CD同様表紙・裏表紙を挟み込む。表紙はタイトル裏表紙は背にタイトル、裏面に曲名などを記入→紙を挟み込む事により遮光、湿度調整の効果がある。 (3)CD-RはAのように純国産品でレーベルがプリンタブルでないものに記録し、しかも盤面には何も記入せず、識別のために内周透明部分に記号(日付などが良い)を書き込み同一記号を@Cの紙にも記入しておく→レーベル面はノンプリンタブル、書き込み無しが最も安全で安定していると言われている。 (4)Bの中底は不透明のものを利用する→遮光のため。 ・・・以上のような気配りが理想なのではと考えています。 (3)のプリンタブルタイプはあまり良くないという事は数年前、プリンタブルレーベルが一般的ではない頃に店員さんから聞いた話で、現在では改良されて安定面で差は無いのではと思います。実際、私も現在ではほとんどプリンタブルレーベルを使用しています。 また透明中底ケースを利用する場合は必ずCの裏表紙を挟むことが遮光の点で重要になります。 なお現実はCDがかなり増えてきたので、場所の確保のためスリムケースや不織布ケースに入れているものもかなりあります。詳細は「CD-Rの整理」のページで紹介します。 |
||
収納場所は使い勝手の良い場所で十分? | ||
■『直射日光が当たる場所、高温多湿の場所を避ける』という事は誰もが認識している事ですが、そんな都合の良い場所がたくさんある訳では無い。室内であれば直射日光が当たる場所は今の日本の家屋では珍しいくらいですが、湿気は気になるところです。 ■それではプラスチックなどの密閉容器に乾燥剤を入れて暗い場所に保管すれば良いのかというと、乾燥しすぎて逆効果になる事も。 ■収納場所は使い勝手、再生のしやすさを優先して再生機器の近くの棚に保存(できれば空調の効いた部屋)すれば十分ではないかと思っています。誰しも再生機器を設置する場所は湿度への配慮や日が当たらないよう気を遣っている筈ですから。 ■つまり収納場所は自分の個室とか居間など、ごく一般的な生活する場所、リスニングルームという事になります。管理人も特別な場所や容器ではなく再生機器を置いてある部屋のガラスの引き戸式の木製本棚に収納しています。押入に突っ込んでしまえば、またテープやレコードと同じ運命になってしまいますから(^^; ■音楽CDとして聞く限りCD-Rも同じ棚に並べられなければ意味がありませんから、変質を心配するような貴重な盤は下記のようにバックアップを録って保存すべきでしょう。 ※収納の詳細は「CD-Rの整理」のページで紹介します。 |
||
異なるメディア・ファイル形式で保存する | ||
■どんなに保存方法に気をつかっても、誤って傷を付けてしまったり、紛失してしまったりということもあります。デジタルには寿命という概念はありませんが保存メディアには寿命があります。 そこで、貴重な音源・記録はバックアップを録っておく事が必要です。 ■デジタルファイルはアナログと異なりバックアップは簡単で短時間にでき、しかも劣化しないので貴重なものは複製を保存されている方は多いと思います。 この場合、一番簡単なのは、そのままCD-Rを別の盤にコピーすることですが、同時期に同じ材質のメディアに保存しただけでは同時期に寿命が来ることが予想されます。 ■ 材質の異なるメディアとは書換可能メディアであるCD-RW、DVD-RW・+RW、DVD-RAMなどです。 これらのメディアは通常の音楽CDプレーヤーでは再生できません。CD-DAフォーマットではなくWindows形式ではWAVEファイルとして保存することになりますが、材質(色素)がCD-Rと異なり、紫外線などにも強く、長期保存が期待できます。 画像左がCD-R右がDVD-RAM。書き込み方式や構造も異なるが色素が異なるのが一目でわかる。 ■どうせ、そのままCDプレーヤーでは再生できないのであれば、保存スペース面からいえばCD-RWよりDVDメディアにデータとして書き込んだ方が、CD数枚分を1枚に保存できるというメリットがありオススメです。 中でもDVD-RAMは書換が10万回可能というデータから見る限りは最も保存性が良いのではないかと思います。 参照:DVDメディアへの保存のススメ ■また別ファイル形式という事になるとMP3やWMAなどの圧縮ファイルも選択肢になるでしょう。MP3であれば音楽CD10枚分以上が1枚のCD-Rに収まる計算ですから、書き込みDVDであれば、その7倍くらいが収録できます。HDD携帯プレーヤーなどで再生する場合のバックアップメディアとしても最適です。 |
||
使っていない(再生していない)CD-Rもたまにチェックする | ||
■せっかくデジタル化したアナログ音源も、そうそう年中同じものを聞くという事は多くありません。記念、記録を中心にした録音は特にその傾向が強いが、貴重な録音です。テープのように、ついつい押入の隅に追いやられてしまうことになっていませんか? ■あまり再生していないCD-Rも、できれば1年に一度は再生してみると良い。ケースから取り出して目視して変色が無いか確認するだけでも必要でしょう。もし1年以内に変色または読みとりできないものがあった場合は明らかにメディア自体が不良品です。同じ種類の他のCD-Rもチェックする必要があります。 ■チェックは1年経過して異常がなければ3年、5年、7年と隔年程度で十分でしょう。私の持っているCD-Rについては5年以上経過したメディアで異常はありませんでしたが、今後DVDについては注意とチェックが必要かも知れません。 |
||
|
||
[TOP] [本編に戻る] | ||
(C)Fukutaro 2005.8 |