三子局
    三つの黒石を置き左上隅をあけて「お願いします」から始まる。白はまず左上隅に先着して優勢な場所にします。白は星以外のところへくれば互先定石をいろいろ使わなければなりません。
   「プロ・アマ三子局 アマ勝局集T・U」という本に37局が収録されています。ここのアマは県代表クラスです。上手のプロが第一着をどこに打ってくるか調べてみました。
白1は小目28、高目6、星3という結果でした。目外しはありませんでした。
白1が小目で黒2の着手は一間高ガカリ19、ケイマ8、二間高ガカリ1でした。
白1の小目はまず地の利を占めてジワジワと押し寄せようという戦術です。
第1型  解説

黒2の高ガカリは足が早く中央の勢力を重視した打ち方です。その代わり白3とツケられると、隅は白のものになります。この型は37局中6局で一番多かった。
第2型  解説

白3の三間高ガカリは比較的新しい型でこれがプロ好みとは意外でした。5/37ですが古い定石辞典には載っていません。

第3型  解説

白1は黒に地を与えても外勢を築こうという方針です。アマの県代表クラスの人達は黒2と入ってきます。白3と打ち黒を隅に閉じ込めようとします。


解説の部

1-1図
統計上、白の第一着の八割くらいがこの白1の小目です。県代表クラスは、白1に気合でほぼ絶対的にカカる。右辺、下辺、左辺、上辺の大場も好点で、その方が三子局としては碁が簡明になるという人もいるが不思議とそうは打たない。隅を互角またはそれに近ければかえって打ちやすくなるかもしれない。黒8までは古くからある定石です。黒8、10は関連した手で上辺を地にする作戦です。黒8ではその上の星に打つのも定石です。1-4図参照
黒10と下がり更に12とツメる。このようにゆるまないで打ちたいものです。置碁では最初ほど強く打つのが良いとされている。


1-2図

白は三子置かせているので、多少無理だが白1と侵入してきました。ここで黒としては右辺と上辺の白を分断して攻める戦術をとるのが大切です。
黒は2、4、6と白を分断しながら中央へ出ていきます。右上隅の黒石が閉じ込められないように打つのも大切なことです。
黒8から16までは攻めの見本です。こういうときの黒の方針としては、白の弱い石をあっさり治まらせないで、ジワリジワリと攻めます。あまり急に攻めたり、地を損して攻めたりしないようにするのがコツです。
もちろん、この白はとても取るというわけにはいきませんが、黒の外壁が堅くなれば、相対的に右辺の白が弱くなります。
1-3図
白1と押したとき、黒2とアテ込んで白3とツガせたのは常用の手筋です。これによって中央の白をにらみながら黒2のニ路下にツケるような調子が有力になる可能性が生じました。白3はやもうえない用心です。右辺と上辺の白をこのようにジックリ攻めるのが得策です。











1-4図                 問題へ

黒8と高く星に打ちました。白9のカカリに黒10とハサミ白11と三々に入り三子局のお手本のような打ち方です。黒18をどこへ打つかが重要課題です。棋譜の黒18は上辺を地にしようとした手です。林九段は18は下辺星の三連星に向かいたいという。白19から23と構えられると、三子の威力がぼけ、ゆっくりしてしまうからだそうです。また、黒30も重大な判断を要する場面です。27の右をオサエる手も有力です。先手を取って上辺38に打ち、模様の拡大を図ります。実戦は黒30とオサエて実を譲って勢力を選択しました。黒40も難しい選択です。上辺の模様の拡大も考えられます。





2-1図

白3の三間高バサミは、私の古い定石の本には載っていませんでした。形は悪くとも白9が肝要な手になります。黒14とカケツぐのが実に良い手になります。黒18までは、後手ながら手厚い好形です。
2-2図

黒2のカカリから、白3の三間高バサミに黒4、6の外ツケ引きが簡明策でお勧めです。黒14までは黒満足です。白7では一路右にハネるのが良かったようです。

2-3図  問題へ

黒4と一間トビと方針が決まれば黒8まですぐ想定できる。このあと黒も白も一間トビがたくさんできる。簡明です。



3-1図

三子の置碁では分かりやすい打ち方を望む人が多いと思います。白5とハネダして大型定石になりますが、三子の置碁の場合は黒10と引くのが面白い。白1を取るシチョウがよいからです。



3-2図

白1のキリ取りは当然です。黒2のアテは無駄の無い利かしです。そこで黒4とハネダして6と一子をシチョウに抱えて取ります。隅にかなりの地をもって白を治まらせているようですが、黒の厚みは馬鹿に出来ないものがあります。三子の置碁では黒が打ちやすいように思います。
3-3図  黒4ツギ

前図白5で乱暴にも1とキッてきました。黒2のトリは当然です。白3のアテから5とオサエる強引な手ですが、これには黒6のキリから8とソッて打つのがよい手です。7の下のシチョウと8の右上のハネて上方の白を取りにいくのが見合いです。


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