五子局

辺の打ち方 両ゲイマ
コスミ出し
両ゲイマ
ツケノビ
高一間
ツケノビ
02/01/07
高一間
コスミ
02/01/07
高一間
頭ツケ
02/01/07


 五子局のポイントは、辺の打ち方を覚える事と、隅では両ガカリ定石を覚える事の二つです。

1 辺の打ち方

       五子の碁は辺に置石がないので、隅と天元の置石を活用してそこでうまく戦うこと
     が黒としては大切です.


白石三つを「富士山型」というそうです。4子局・五子局で私が愛用している型です。プロ対プロの置碁でもこの型を見ました.こういう形に打たれると黒のほうとしては全部白地になるような錯覚を起こしがちです。
遠慮はいらない
置碁だからといって黒は遠慮ばかりしていてはいけません。時によっては、 黒1と白地へ打ち込む気迫が大切です 黒1と打ち込んでも、あとの正しいサバキを知らないと逆効果を招いてしまいます.。黒1に対する白の対策は2のツケです。
黒3をどこへ打ったらよいでしょうか。










1図  俗筋の見本

黒1のハネから3と打ったのはまったくの俗筋です。白6とオサエられると、黒はダメヅマリです。






2図  黒1好手

黒1とワリ込む手が正解です。
白は2と上からオサエるよりなく、黒3とツイで白は二箇所に断点ができます。これを黒1で3とノビるのは、白1とツガれて白は断点がなくなってしまいます。黒7まで生きましたが、黒は地を稼いだ反面白に厚みをつくられました。したがって、この厚みが働くような局面、または時期だと黒は打ち込みを思いとどまる方がよい。
3図  黒先手で十分

白2と下からキリ4とツグのは8まで黒が先手で厚みをつくってしまいます。8を省くとコウ残りです。






4図  黒十分

白4とカカエるのは、黒5、7とシチョウにとって問題外です。




5図  白強引

白1とコスンでくるのは一番強い手です。しかし、黒は恐れることはありません。黒2と出てから4のツケが、心得べきサバキの筋です。
白5とオサエられても黒生きがあります。
6図  黒生き

黒は少々露骨ですが、6から8とキルのがよい手です。そして、10のアテから12とカケツイで完全に生きることができます。なお、このあと黒は1の左のキリや8の動き出しをねらうことになります。
7図  鋭いツケ

黒1とツケてゆく手もあります。
白2と下からウケれば、黒3と二段にハネて5までとなり3図と同じ結果になります。
8図  ポン抜き

黒5・7と打つのは、白6のポン抜きを許してよくありません。


9図  踏み込み不足

黒1と高くゆくのは、白2と受けられ踏み込みが浅すぎます.


10図  次の一手は

置碁は隅に石が置いてあります。
だから、隅は自分の勢力圏だとする考え方は正しいが、隅は自分の地だと考えるのは間違いだと思います。従って置石はパワーとして活用していきたい。
白1には黒2と一間に受けます。
置石を働かせるには、この一間受けが一番効果的だからです。
白3は黒4、白5には黒6と皆一間に受けたところ白7とカカッてきました。
この白7は置碁の常套手段です。
10図で黒番です。相手は強いから取られないようにしっかり守っておこうとするとなかなか勝てません.
置碁では序盤で積極的に攻めるのが良い。
白1を攻める、白3を攻める、白5と白7の間に打ち込んで攻めるという三つのうちのどれが一番厳しい攻めになるのでしょうか。

11図  厳しい攻め

黒8と高くウチ込むのが、ゆるみのない厳しい手です。

黒8の意味
1 白を両断している。
2 右辺は黒の戦いの場、すなわち、
    自分の土俵である。

この二つの棋理を踏まえ、急戦をしかけ早くも局面の主導権をにぎろうとします。この黒8のウチ込みをためらうようでは情けない。断固戦いたいのです。

黒8とウチコまれれば、白9と頭を出し、 白11と低く連絡しました。黒8は白11の低位と換わって大成功です。白は「ごめんなさい」と11と低位にさせた快感をじっくり噛み締めることも、上達への大切な要素と思います。

黒12のハサミにゆうゆう先着して黒十分の棋勢です。
12図  手きびしい分断

白が11と守ったのだから、黒12のノゾキから14と右辺の白を分断するのが大切な手です。
白が上辺を守り、更に右辺を連絡するようなことになれば黒は大甘です。
13図  隅の地が大きい

前図白15は当然ですが、この手で下手が恐れるのは、白1のノゾキです。しかし、これは黒2以下6と突き抜いて黒地の大きさは、とても白は挽回できません。

14図  白良し

黒8と低く打ち込むのは良くない。白9とツケてさばかれる恐れがあります。黒10とハネれば白17までで上方黒2子が手薄くなっているし、白は右下隅の三々に入る手も残っている.
15図  黒威張れない

黒10と下方をハネても黒18までで白に先手がまわります。黒があまり威張れる形ではありません。




16図  甘い攻め

時計回りに90度回転してあります。黒8に先着すると白9とボウシすると黒10と受けたくなる。白11とトンで12を誘って、白13と調子がついてきます。これで黒が悪くなったわけではないが白のペースです。
17図  大甘

黒8に白は急所の9に守ってしまいます。この黒8のことを「敵なきに矢を放つがごとし」といった先生がいます。白9と守られると黒8は振り上げたこぶしのやり場がなくなります。

2  両ガカリ定石

第1型 コスミ出し

        18図の白3、5と隅に対しカカル形を「両ガカリ」といって、これは四・五子の置碁でできやすい形です。

18図    コスミ出し

黒6とコスミ出す手は黒が悪いと昔は言われ、5の下にツケよと教えられていました。しかし、黒6のコスミは決して悪くはないのです。 







19図  不当の説明

昔、黒1が悪いとされたのは、
白2と三々に入られ、楽に両渡りを見られるからでした。黒3とオサえれば、白4と渡り、黒5に白6のアテコミが良い手です。白10と厳しくキル手が成立します。このあと、白に3の右にハネツガれて黒はいかにも小さく白一子を取らされています。これが黒不当の理由でした。











20図  ツブレ形

白2に黒3とコスめば、白4のハネから7がうまい手順で、黒ツブレの形です。
21図  嫌な形

白4とカケられて、置碁としては嫌な形です。その上、後になって白が隅のハネツギを先手で打って黒地がへこまされるのが辛い。
黒1は無理で3へ打ち白は1とポン抜くのが相場です。
22図  構想雄大

白3の一子を取ろうとしたから白から色々利かされたので、黒10とフトコロを広げるのが好手です。
取れるものを取らない方がよいとは変な話ですが、逃げる石を攻めることによって、自分の弱石を強くするとか、地を固めるとか、戦いを有利に導く高等戦術です。
23図  飛び越し

白1の肩ツキには、黒2・4と二本オスことがまず大切です。白5とノビれば、そこで黒6と曲がるのがよい手順です。黒4を怠れば白4の曲げが厳しくなります。続いて、白7のオサエには、黒8と飛び越すのが一番わかりやすい形です。


24図  コスミ

黒8とコスむのも立派な手です。
白9と急所を衝いてきたとき、
黒10のコスミツケがよい手筋で、白11には黒12とツギます。





25図  白利かされ

23図黒8の飛び越しでこの図のように8とハネて様子を見ました。これに白9は悪い。黒10と急所に打たれ、白は上下から利かされ形がくずれてしまいました。
26図  へこみ

黒8には白9とへこむのがうまい受けです。黒10と出ても、白は11とオサえることができます。黒あまり得になっていません。

27図  ハザマ

黒1に白2とハザマをあけて打つと黒3がよい手です。白4・6と打っても、黒5から7とあおられ白苦しい姿です。

28図  白がヒラけば

黒1とコスんだとき、白が三々に入らず、白2とヒラけば黒は躊躇なく3と三々に打ってよいのです。黒は浮石がなく手強く戦うことができます。
29図  白隅強化

白1・3と隅を強化する。そして、4の左のキリを狙う。



30図  黒コケタ

黒3手抜き
黒11で10の左へアテないで単に11とツグのは白12のハネがぴったりです。気合で黒13とハネると白14・16でアウトです。

第2型  ツケノビ  

31図  ツケノビ

両ガカリされたときに、黒6・8とツケノビるのは昔からある手法で、このとき注意しなければいけないことは「強い方の石へツケよ」ということです。この場合、黒4があって白3の石の方が白5より弱いので白5の方へツケるのが正解です。

32図  黒10は絶対

黒10は絶対だといわれても初心者はなかなか理解できない。星の黒と黒6・8を確実に連絡するには10のニ路下のタケフになるように打てばよい。しかし、それでは甘いのです。白は10の斜め上に打って安定します。

33図  黒不満なし

白1には黒2・4とユルめて黒不満なしです。黒2子はキリ離されましたが、黒は四線で地ができてしまいました。初心者は前に打った石との連絡だけを考えますが、前に打った石を捨ててその替わり大きな地を作るという考えをもてるようになると碁の力がついてきます。
34図  定石
  白1のコスミに黒2とコスミツケるのがよい手です。白3のハネには黒4とアテ込むのが手筋です。白7のトビには黒8とコスむのが好着です。白9の守りに 黒10と備えて一段落で、ここまで定石です。
35図  黒4不用意
  白3に黒4は不用意です。上辺を白7と守ると出ギリが成立するので黒8とツナぎます。白に上辺を先手で打たれたことになります。黒は面白くありません。

36図  白さんざん
  前図白7を打たないで本図白1とすぐ出ギルのはよくない。黒14となっては白さんざんです。



37図  黒8の意味
黒8は中央へ出るだけでなく10のキリを狙った手です。白手抜きすると黒10とキリます。この黒を取ることはできません。従って黒8に白は手抜きできません。
38図  

前図の黒8で本図のように黒8とオスのは俗です。白は地が増え、キリがなくなりました。黒8は悪い手です。

39図  渡らせる
34図の黒10を打たないと白11のツケに黒12とハネて上辺を渡らせれば、黒16で白3子を取ることは出来ます。しかし、


40図  黒ひどい

白1のアテから3、5と3子を捨てられ、白7とツガれて黒ひどい目にあっている。取り跡に中手にされると黒は一眼しかないのが気味が悪い。
41図  一番働いた防ぎ

黒1のハネが以上の嫌味を消した防ぎ手になっています。
白2に黒は手抜きで隅は大丈夫です。

42図  飛び込み

黒1に手を抜けば黒3と飛び込むのが大きい。黒5までで白が浮石になってしまう。


43図  耳タタキ

黒1が「耳タタキ」の一手です。白2と単にツゲば、黒3と飛んで白4とツガせるのが洒落ています。黒5と隅を守っておくのを忘れないようにする。



44図  動きをにらむ

白はいやいや2とアテ(理由次図)4とハネれば、黒5を利かして7のツッパリです。白8に黒9と備え、白の動きをにらむことになります。黒3に石があるので隅は手抜きで生きています。

45図  イタチの腹ヅケ

白1のハサミツケが怖いけれど、黒2と下がり白3に黒4とツケる妙手があります。この黒4の手は、古来「イタチの腹ヅケ」といわれます。黒8が好手です。この黒8で白7の左へ打つと白は8のところへハネてコウになってしまいます。
46図  ツケ基本型
 最近よく見かけるのが白1のツケです。黒2のワリ込みが基本型です。白の実利、黒の厚みというワカれになります。

47図  定石その後
  黒手抜きのとき、白から1とキレば黒一子を取ることができます。黒も厚くなるのでタイミングが大切です。黒は1のニ路上に押さえておけば白1のキリはありません。
48図  生きへ
  黒手抜きのとき、白1から3のスベリから生きにいく手もあります。黒が厚くなるのでタイミングがむずかしい。

49図  三々基本型
 白1の三々に対して黒2と打つのは賢い打ち方です。置碁では手厚く打つという意味から有力です。白7とカケツギが本手です。

50図  白1はウソ手
  白1とツグのはウソ手で、黒2とキリ込まれて困ります。つまり白3とツグと黒4・6と打たれて白の形が崩れてしまいます。

51図  ちょっと不服
 黒8と打つと黒10まで必然です。これで黒が悪いわけではないけれど、黒2とハサんだ手前、ちょっと不服です。

第3型  高一間=ツケノビ

52図  定石

白3の小ゲイマと5の高一間の両ガカリに対する黒のサバキ方ですが、まず黒6、8のツケノビて白の両ガカリを裂いて出る。白9とノビて11と走り、黒12のハネまでが昔から定石とされています。結果的に黒は「ハサミのあるほう」にツケ、白をおさまらせる形になったが、黒12でこっちの白を殺し、収支はつぐなっている。               
53図  黒無理

小ゲイマの両ガカリと違って、白9のノビに黒10とオサエるわけにはいかない。白11、13と出切られては苦戦である。黒14とサガり、白15から21までの進行が予想されるが、中央がいそがしく、隅の黒は、もう一手打たないと生きていない。





54図   黒大損

前図の黒14で本図の黒14と切るのは、白15、17のハネツギを喫し、早くも不利が決定的です。黒18とサガれば、白19で隅を取られてしまいます。出切られては黒が悪い。                        






55図  定石

黒は1と上辺の大場に先行するのもあり、互先の碁では、こう打ちたい気分です。白は2とトンで黒3とコスミツけ5とカケるのがわかりやすい。黒7から11までは決まり型です。
56図  白2筋違い

白2は筋違いです。白は上辺をワタルことが出来ません。白4には黒5、7、9の両ヅケで渡れません。

黒3手抜き
57図  黒戦える

白2に黒3と遮って攻めることも出来ます。白4には黒5とコスミ出し、以下黒17となっても、黒十分戦えます。


第4型  高一間=コスミ

58図  定石

白3、5に黒6とコスむ手は、昔から打たれた手です。白は7と三々に入り、黒14まで定石です。

59図  黒10大悪手

黒10とカケるのは大悪手です。白11とアテ込まれて黒12の愚形を余儀なくされ、更に白13、15のハネツギまで先手で打たれてしまいました。
60図  曲がり

白は1から3、5とオシツけ、これだけ打った勢力を利用して7とヒラきます。黒8と手厚く曲がっているのが要点です。

61図  置碁用

白1とハネるのは、置碁向きの攪乱戦法ですが、上辺の形が固まっていないので打ちすぎです。黒2とハネ、白3とトバれてはハマった形になりました。
62図  白取られ

白1のハネには、黒2以下、ぐんぐん押して打つのが良いようです。黒8とノゾかれると以下黒12まで白は取られてしまいます。

63図  黒よし

白7とこちらを打てば、黒8、10の二段オサエが痛烈である。黒14まで黒の有利が歴然としています。

第5型 高一間=頭ツケ

64図  定石

高いカカリの頭へ黒1とツケるのは理にかなっている。黒13は本手で白から9の下にハネてくる手を防いでいる。
65図  定石の変化図

前図の黒7の手で黒1とハネ出す変化図です。厳しい応接で一手間違うとつぶれてしまいます。白は隅を確保しました。
66図  定石の変化図

白1と固くツグのは隅を捨てて中央での戦いを目指した手です。黒6と曲がって白7と肩をつき、難しい戦いになります。
67図  黒無理

前図黒6は形が悪いので本図黒1と打ちたくなりますが、黒大悪になってしまいます。白2、4、6が手筋です。
68図  定石

黒1のツケに、すぐ白2と入ることもできます。黒5が大切な手です。


69図  戦う定石

黒7のアテを打って9とカケツグと、白10と切って戦いとなります。



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