つむぎ子育て研究所

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月報「つむぎ」より

             オホーツク・訓子府町より

 北海道の菊池先生からのお便り(昨年12月に頂きました)を特集

〜初夏から真冬に向けての6ヶ月間〜親御さんからの感想・最終章

斗来生(とらい)の思い出            斗来生くんのお母さん

 「たまねぎぼうや」との出会いは、春の日差しが暖かな5月末のことでした。斗来生、1歳2ヶ月。生後半年間の入院生活を経て、ようやく退院後の生活に慣れてきた頃でした。いろいろな障害を抱えて生まれてきた我が子だけど、これからはなんとしても外の世界に出してやりたい…そう思っていた時、同じICUに入院していたゆうちゃんのママから「たまねぎぼうや」を紹介していただき、早速お世話になることになりました。この時からそれまでの搾乳と医療行為に追われていた私たち母子・家族の生活が、どんどん変わっていきました。

5月

菊地さんと初対面!!始めて入った「たまねぐぼうや」に興味津々だったね。でも、初めてのつむぎ体操には泣いちゃったよ。ちかちゃんと一緒に、たらいの中に小石をぽちゃん、ぽちゃん。何だかおもしろそうなので、庭や常盤公園でもやってみた。ぽちゃん、ぽちゃん。ずうっと飽きずにぽちゃん、ぽちゃん。はまっちゃったね。

お父さんとお兄ちゃんと一緒に、早起きして朝の散歩を始めたよ。近所のラジオ体操に参加して、おじさん、おばさんたちと仲良くなったね。

いっぱい遊ぶようになったから、コップで水が飲めるようになったね。栄養チューブ、もうなくていいね。嬉しいな。

6月

レク公園での遊びが始まった!柴桜がきれいだった初回は、斗来生とゆなちゃんの二人きりだったけど、ふみちゃん、ひいちゃん、・・・どんどんお友だちが増えていったよ。みんなで集まってつむぎ体操をすると、誰かが泣き出して、つられて誰かも泣いていたね。斗来生は「金魚」が苦手。でも、お母さんがやるとダメなのに、不思議と菊地さんの言うことは聞いて「おりこうさん」のふりをしていたよ。

滑り台が楽しくて、階段を膝で上がっていくようになったね。いち、に、いち、に。コップでお水、美味しいね。

だんだん、おかあさんのことを「おたあたん」っていうようになったよ。

お外へ出かけるのが楽しくて楽しくて、近所の公明公園にも行くようになったよ。ゆうかちゃんと友達になったのも、公明公園だったね。「たまねぎぼうや」にゆうかちゃんが来るようになってますます楽しくなったね。

「たまねぎぼうや」から、いろんなおもちゃを貸してもらったけど、ビー玉を穴に入れると転がっていって、最後にシロフォンが鳴る木のおもちゃは最高だったね。斗来生も大好きだったよ。それからなんと、滑り台やはしごまで借りてきちゃって、居間が子ども部屋になっちゃたね。お兄ちゃんと這って追いかけっこをしたり、はしごの中でままごとをしたり、意外な遊びもできたりして、とってもほほえましかったね。

7月

暑い夏はやっぱり水遊び!でも、人一倍恐がっていた斗来生。やっと泣かずに水に入るようになるまで、4,5回かかったよ。ふみちゃん、ゆうかちゃんが楽しく遊んでいるのを見て、やっと遊び始めたね。

おうちの小さなビニールプールを出してきて、お兄ちゃんといとこのしんちゃんと一緒に水遊びをしたね。お母さんも服のまま、一緒にべちゃべちゃになって遊んだね。あんまり楽しそうだったから、となりのおじいさんが目を細めて眺めていったね。

初めての砂遊びは、水遊びよりももっと恐がっていたね。「刺激が強すぎたね。」って、菊地さんが心配してくれました。 ひたすら泣かせてしまったね。

「たまねぎぼうや」を出るときに、初めて「バイバイ」って言えたよ。車を出して、もう畑の横まで来ていたけれど、菊地さんに手を振りながらはっきり言ったよ。

札幌の病院へ行くため、途中で寄った砂川のハイウェイオアシス。子どもの国で、生き生きと遊ぶ斗来生。小さな子どももいっぱいいたけど、まだ歩かない子で滑り台を逆に這い上がっていくのは斗来生だけだったな。病院めぐりの合間を縫って、川下公園でも水遊び。特訓?の甲斐あって、江別のおじいちゃんとおばあちゃんに最高にいい所を見せたよ。遊びすぎて熱を出しちゃったけど・・・。

8月

風邪が治って、また外遊び。初めはまたまた甘えん坊さんに戻ってしまった斗来生だったけど、「たまねぎぼうや」に行ってからは前のように元気に遊ぶようになったよね。近所の公園で、お母さんが砂場に穴を掘って水を流し込んで遊んでいたら、斗来生も一緒にスコップでペッタン、ペッタンできたね。砂遊びも本当は楽しかったでしょ?

15日、お父さんの誕生日。家族といとこのしんちゃんとレク公園に行ったね。いつもは自分で這っていく階段も、お父さんに甘えて抱っこばっかり。山には栗、梨、姫リンゴ、グミ、グスベリー・・・、たくさん実がなっていたね。斗来生は初めてグスベリーを口に入れたよ。

たくさん遊んだレク公園。それなのに家族揃ってのレク公園は、最初で最後になってしまったね。斗来生が最後に遊んだ公園になっちゃったね。

 その翌日・・・昼食に食べさせるパンの耳を切り落としていました。斗来生が手にとり、知らずに飲み込んでいました。私の腕の中で、窒息…そして救急車の中で心臓停止…悪夢のような現実にただただ泣き崩れる私でした。

 奇跡的に命は取り留めたものの、意識が戻らない斗来生・・・あんなにも輝いていたのに、それを奪ってしまった自分責めました。また管だらけになってしまった・・・。もっと一緒に育ち、育てたかった・・・。もしかしたら意識が戻るかもしれないと思い。一日中歌を歌っていた日もありました。最初は意識が戻らないことに落胆する日々でしたが、次第に、手や足に触れると暖かく、そして反応があることが本当にありがたいと思えるようになってきました。菊地さんも度々ICUに足を運んでくださり、一緒につむぎ体操をしてくれました。反応が過敏になってしまい、斗来生の状態が悪化してからは、触れることもなかなかできなくなってしまいました。ここにいてくれるだけでいいね・・・。斗来生のはく息の暖かさを感じながら、本当に思いました。

 9月20日。斗来生は1歳5ヶ月で天国に旅立ちました。

 9月21日。今日で1歳半。家で1歳半を迎えたかったのかな。やっと帰ってきた斗来生。もう、管もなく、安らかに眠っているよう・・・。捨てられずに残していおいた最後の冷凍母乳を解かして、斗来生の唇に塗りました。そして、天国に行っても迷子にならないように、名前と住所と家族の写真を入れたお守りを作って、斗来生の首に下げました。お守りには菊地さんがはじめての外遊びの時に用意してくれたちょうちょうの名札を縫い付けました。

 斗来生と一緒に泣いたり、笑ったりしたあの日々・・・。一日一日かけがえのない宝物です。子どもを愛し、育てることの尊さ・・・、この世に生を受けた瞬間から、息を引き取る最後の瞬間まで、自らの命をかけて教えてくれた斗来生に感謝しています。お母さんのところに生まれてくれてありがとう。

 「たまねぎぼうや」に出会えたこと、菊地さんに出会えたこと・・・、短くても充実した時を過ごせたことは、私にとっても斗来生にとっても本当に幸せなことでした。この輝いた日々があるから、私はこれからも笑って生きていけると思います。それに、花や虫、木や葉っぱ、いろいろな自然が斗来生を感じさせてくれます。

 菊地さんが愛情いっぱいのまなざしで撮ってくれた写真は、どの写真も生き生きとしています。本当にありがとうございました。そして、「たまねぎぼうや」で出会った友達、お母さんたち、たくさん遊んでくれてありがとう!たくさんの思い出をありがとう!みなさんにあえて本当に良かったです。これからもよろしくお願いします。

 

斗来生くんのHPがあります。是非ご覧ください。

http://www16.ocn.ne.jp/~toraifan/