Scene 7 後ろ姿のしぐれていくか・・・
さて・・・フィッシャマンズワーフで酸味を加えたところで～ちょっと気分が引き締まった。ビーチに行き、気持ちも余裕が出てきたようだ。
視線も定まり、鳥を見る余裕も出てきた。真っ黒な鳥、星を散りばめた様な鳥、大きなカモメ・・・そして何より、オヤジギャグをカマスこ
とが出来るようになった。鳥の歩く真似をしては、犬の散歩に来た人に笑われる。ついでを言えば何だが～観光の最後には、バッグを
障害物として置かれないようになったのも～いい感じだゾ。これからたくさんの人、しかも異邦人に会わねばならぬのに、さっきまでの
スタンスで入ったらヤバかったではないかぁ～。とりあえずは、初日はこんなもんでいいだろか。
～ってことで、ホッとしたのも束の間・・・この後はいよいよホームステイ先に向かうぞ・・・アメリカ大陸ひとりぼっちだ。望んでこの状況
にしたのだから～全力で立ち向かう・・・と言うか～俺ら一体どうなってしまうのか？でも～プレッシャーをこそ楽しもうではないか！

Scene 8 どういう情報だ！？
ついにホームステイ先に着いた・・・詳しいことは「ホームステイ編」で述べるとするが・・・まず驚いたの
は、拙者がダウン症の人だと言う情報が伝わっていたことだ。一体全体、どこでそんな話になったのだ
ろう？ホストファミリーも気を揉んだらしいんだよ・・・。しかし、Ｎさんも帰ってしまったし～英語分からん
し～どう説明するやら！？まぁ何のかんので、それは間違いで～俺らは支援をする方だと分かってくれ
たんだが・・・。それにしても～靴で家の中ってのも変だし、テレビ点けても全部英語だっ！ハウスルー
ルなるものが書いた紙も細かいところまでは分からね！いきなり大混乱だが、ご親切にも主人であるフ
レッドが来てくれて、色々と実地で説明してくれた。喋っていることは半分も分からないが、そう難しい事
でもないので、「オーケー牧場」とか返事して切り抜ける～何言ってんだか分からなかっただろうなぁ。

Scene 9 あぅっ！どうしよう・・・！？
その日の朝、不意に眼が覚めてみると、そこは見知らぬ天井だった。そりゃそうだ、サンフランシ
スコだもんよ。時差ボケも何か解消している風だゾ。良い寝具だったので、良く眠れたのだろう。
テレビを点けると～んむぅ、やはり全部英語だ・・・KRONとか言う４ｃｈがどうやらこの辺りのメイン
らしい。天気予報はスキャッターレイン・・・なんじゃぃ、スキャッターってのは？キャット＆ドッグ？
ネコまっしぐら・・・違う・・・そりゃカルカンだわな・・・わ～かんねぇなぁ？他の番組も、何だかアナ
ーキーなチャレンジ番組とか、コインセット通販とかだ。あ、アメフトのＣＭ面白いなぁ・・・ＢＭＷの
ＣＭ、なんかいいぞ。とか何とか言っちゃって～腹が減った。着いてすぐ休日ってのも、気が抜け
るよね。さて、とりあえずメシでも喰うか～？・・・っておい・・はうっ！？・・・昼飯って、自前だった
よなぁ！？え～と・・・チ、チョトマテクラサーイ・・・って、どうするんだよ！！！店は！？道わぁ？
買い物どうやってするんだよぉ～？と言いますか・・・ここはどこなんでしょう、いったい・・・。

Scene 10 アタック２５！
さて・・・何とかして昼飯を喰わねばならない。考えてみれば～ルームメイトかホストファミリーに訊けば良い
んだよ！と、服に着替え～階段を下りる・・・はて、どうして声を掛けたら良かろう・・・ルームメイトはいないし、
ひょっとして・・・イヤな予感が当たった、物音ひとつしないのだヨ君ィ。つまり独りぼっち？まずいぞ非常に！
とりあえず部屋に戻り、ここがＳＦのどの辺りなのかチェックだ。あ～ここか・・・しかし、それが分かったところ
で、どのストリートが繁華街なのかすら分からない。しかも、迷子になったら一大事だ・・・何せ、みんな家は
同じに見えるし～歩いている人は、みんな強盗に見えるし・・・。しかし、ここはチャレンジするしかないではな
いか？そもそも、こんな状況を好んできたのだからして・・・でもな！理屈抜きで怖いんだよぉ！！！
とりあえず、脳内ＢＧＭは「アタック２５！」を選曲だよ、おっかさん。おっし～行ってやろうじゃぁないの。意を
決して、しかし、おぼつかない足取りで家を出ることにした。何とかなると良いんだけどな・・・。ヘンゼルとグ
レーテルみたいに、シリアルでも落としながら行こうかしらン？

Scene 11 聞こえてくるメロディー
うお！・・・何にもナィ・・・ひたすら住宅地だ。ここが日本ならば～間違いなくコンビニの一軒もあるところだろうに。とりあえず、南側のストリ
ートを１ブロック左に曲がって×３で、元に戻ってきたんだけど？あったのはコインランドリーと空手道場・・・なんでよぉ・・・。ゴールデンゲ
ートパークに接した道では～大きなタカがいてビックリだ！だけど、そんなんで腹は一杯になりゃしないんだよね。よし、次は２ブロック行っ
てみようじゃないか～。今度は北側に右曲がり×３だ・・・おっと、レストラン発見！ハングル文字？しかし～休業中かよ・・・ってか、そんな
所で食べてもチップとか分からないから困るな・・・。小学校やら～またしても空手道場・・・ゴミの散らかった路上を彷徨い歩くのだ。坂の多
い街だとは聞いていたが～坂、ありすぎっ！しかも、あれから３０分、食料品の店が一軒もない！どうすんべ・・・。そうこうしてる内に、正午
らしい～教会の鐘が聞こえてくる～異国情緒満点だが、こんな状況で聞くなんてぇ・・・。そう、そして聞こえてくるあのメロディー、ドナドナ♪
まさにそんな心境だ。落ち着けじむ、何か良い方法がある筈だ・・・しかし、脳内ＢＧＭドナドナは音量を増すばかり・・・黙考１分、遂に思い
ついた！待ち伏せだろ、これは！そうだ、四つ角に立ち～ビニール袋を下げた人が来たら、きっとその方向に店があるに違いない！？腰に
は、バードウォッチャーたるもの、双眼鏡があるっ！よぉし・・・・で、２０分位して～遠くに白い揺れるもの発見っ！双眼鏡で見ると、迷う無き
コンビニ袋だ！嬉しいっっっっ、空腹なんかとんでっちゃったよぉ！そして歩くこと３ブロック、遂にGeary Street と言う繁華街に出ることが
出来たんだよね。ここで脳内ＢＧＭはスーパーマンにチェンジ！！！

Scene 12 行ったり来たり・・・
大きな通りだ・・・ちゃんと信号もあるな。～んで、店もたくさんあるんだけど・・・パッと見、みんな何の店か分からね！ファーマシィとか、グ
ロッセリーとか、一体何の店なんだよぉぅ。バンクオブアメリカ、ロシア料理、韓国料理、回転寿司（！）、アイスクリーム・・・昼飯になるか、
そんなもん！俺らが求めているのは～コンビニみたいな店だっつ～の。そんなこんなで１９ｔｈ～２１ｔｈの間を行ったり来たりだ。まぁ物珍し
いってのもあるんだけど、いい加減、お腹空いたぞ。遂にパーク・プレシディオまで来てしまい、引き返す。そこで、やっとそれらしき店を見
つけたんだよね。ビデオショップとくっついていて～明るいお店♪記憶違いでなければ RITE AID って名前だと思う。
さて、入るなり～その品揃えの多さに驚いた。おもちゃから化粧品、ＣＤプレイヤーからチョコバーまで、何でも揃っているんだよね。帰国
するまで、この手の店、例えば Wal green とか Meets なんかは、もう御用達だったですよ。いかんいかん、メシ喰わねば。店内を一周す
る間、シリアルの棚の巨大さに驚き、クリスマス商品の品揃えに見とれと、すっかり腹の虫は収まってたんだけど～もう限界。とりあえず、
コーラとチョコバー、２ドル１５セントのカップヌードル！？いやいや、違う棚にあっただけ～ホントの値段は、３３セント！？安っ！を買って
みた。しかし、まだ関門があったんだよぉ・・・レジだ！日本男児たるもの、ここでビビってはならぬ！プレッシャーをかえって味方に付け、
平然を装い並ぶ・・・店員が「ハロー」とか言っちゃうんだが～緊張しっぱなしだよ。震える手でドルを渡し・・・釣りを貰う。でも、金種なんか
分からないから、ごまかされていても分からなかったろうなぁ（笑）。はじめてのおつかい・・・ってか？あぁ、そんな感じだよ、まったく。でも
何か妙に嬉しかったナァ。店を出たら、何か世界が変わって見えたもんね。で・・・・・？・・・・・あ、忘れた。主食買ってないじゃん！！！
オーマイガッデスだ！もう戻るには、ちときつい距離だ・・・そこでだ！よぉし、さっきのドーナツ屋で買ってやろうじゃないの～？気をよくして
ハッスル、ハッスルだ！勢いがあるので怖いもの無し～突撃だ、プリーズ・ディス・ワン攻撃でドーナツ屋を見事攻略！でっかいドーナツを
抱えての凱旋である。サンフランシスコ独りぼっち～なぁに何とかなるさぁ！