テキスト ボックス: 私の句帳(NHK俳句より)(二)
五十一・わけありの留年組も卒業す
五十二・大声の魚河岸に夏来りけり
五十三・蜘蛛の囲にまづかかりけりバスガイド
五十四・吊り橋をいっきに渡る谷紅葉
五十五・かざす手に狼親子雪の中
五十六・富士山に姉さん被り茶摘唄
五十七・アジ釣りの富士一人占め駿河湾
五十八・リフォームの済みし園舎やこどもの日
五十九・騒がしき今朝の浮巣にものゝ影
六十・湯の街の橋より仰ぐ後の月
六十一・マドンナの手袋そっと触れてみる
六十二・あらかたは熊の仕業と村の衆
六十三・春の夜の口笛遠くひびきけり
六十四・葉桜や飛行機雲のちぎれをり
六十五・麦秋や大きな声の都会っ子
六十六・無人駅降りて見上げる遠花火
六十七・入賞の子を追ふ旗や運動会
六十八・宿坊の屋根騒がしき木の実かな
六十九・星よりも子らのきらめく聖夜劇
七十・短日の妻に戻りて廚ごと
七十一・飛行士のNASAより届く師走富士
七十二・新涼や龍馬駆けたる左富士
七十三・寒明けの雲動かざる白さかな
七十四・担任の見上げる子らや卒業す
七十五・アネモネのクラス増やせり幼稚園
七十六・ハロウィンの仮面被りて修行僧
七十七・大声の塾帰り子ら日脚伸ぶ
七十八・山の影大きく見える寒さかな
七十九・放牧の子牛戯る春の土
八十・ 待ち合はす時計の下の夕桜
八十一・箒木の陰にひっそり喪に服す
八十二・水たまり離れぬ二羽や原爆忌
八十三・名画座の天井に在り扇風機
八十四・宇津ノ谷の自然薯伝説賜りぬ
八十五・遠き日の餅搗く父母に我等似て
八十六・看護師の指差す先の夕焼富士
八十七・ものの芽を三日がかりの図鑑かな
八十八・いくたびも豆飯ほめて長居客
八十九・バス停にかすかな匂ひ秋袷
九十・大見得の旅の役者の絵踏かな
九十一・初富士や朴念仁の願ひ事
九十二・ちょんまげのままの役者や蓬餠
九十三・いっこくの友の変わらぬ目刺好き
九十四・せがまれて作る薬玉夜の更けぬ
九十五・行商の荷台に二本蠅叩
九十六・道普請終へて円座や茸飯
九十七・諍ひの無き日もありて風信子
九十八・亡き母の生れし町の夕焼富士
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


             

 

 

 

 

 


赤文字はNHK俳句「特選」青文字は「佳作」です。

 

  黒文字は、富士宮市教育委員会 富士山文化課主催の「富士山俳句」入選句です。

 
Mailにてご感想お送りください