ここから先は、トレーニングMDを使います。現在の、自分の実力・体調に合った「パターン」を選んでください。
エクササイズNo.1は、楽呼吸法に慣れるための練習です。
7回のうち、奇数回目にだけ呼吸して、偶数回目は休憩します。呼吸はニーノ(鼻から吸って鼻から吐く)です。
「1.呼吸 2.休む 3.呼吸 4.休む 5.呼吸 6.休む 7.呼吸」
と、1回おきに呼吸します。1セットで4呼吸する計算です。呼吸を「+」、休みを「-」で表すなら、
「+ - + - + - +」
ですね(今後はこの表記を使います)。
エクササイズNo.1(7呼吸 + - + - + - +)を、仕事や家事、勉強の前、あるいは休憩時間に行なうことで、「潜水」のような効果を得ることができます。
ある世界的な発明家は、プールに飛び込み、できるだけ長く水の中に潜ってブレーンストーミングをするのが課だとか。本人の言によれば「死ぬ寸前まで潜る」ことで、これまで様々なアイデアを得てきたそうです。
血液中の二酸化炭素が増加すると、私たちの体はそれを酸素の在庫が減ってきていると解釈します。すると頸動脈が大きく開いて、酸素を含んだより多くの血液が脳に運ばれる。これが潜水によってよい発想を得られるメカニズムのようです。楽呼吸法は、手軽にできる「潜水」でもあります。
エクササイズNo.2は、楽呼吸法を「2呼吸連続」で行なうための練習です。呼吸はニーノです。
エクササイズNo.2-a:
「+ - + + - + +」 (+ は呼吸、- は休憩)
と、休憩をはさみながら呼吸します。1セットで5呼吸す
る計算です。
エクササイズNo2-b:
「+ + - + + - +」
2-a よりも 2-b のほうが難しいと思います。
パターン12の場合、ここからは「中級」レベルです。
エクササイズNo.3は、楽呼吸法を「3呼吸連続」で行なうための練習です。例によって呼吸はニーノです。
エクササイズNo.3-a:
「+ - + + + - +」 (+ は呼吸、- は休憩)
と、休憩をはさみながら呼吸します。「3呼吸連続」が1回出てきます。
エクササイズNo3-b:
「+ + + - + + +」
3-bでは「3呼吸連続」が2回出てきます。
楽呼吸法をやってみて一番に感じることは、「息を吐くことの難しさ」でしょう。この呼吸法を2回、3回と連続すると、途切れるのはおそらく息を吐くところだと思います。「止める」ところまではできても、その後吐き続けるのはとても難しいのです。
これは、裏を返せば、「息の吐き方」について観察するチャンスがたくさん潜んでいるということ。いったい自分はどうやって息を吐いているのだろう、身体のどの部分をどう使えば上手に吐けるのだろう、などテーマをたくさん見つけることができます。
たとえば横隔膜、腸腰筋など身体深部の筋肉群は、呼吸と深く関係していることが知られていますが、日常生活ではほとんど意識することがありません。楽呼吸法という(名前とは裏腹の)困難な呼吸をすることによって、これらの深層筋群を意識せずにはいられない状況に追い込まれます。
正確な筋肉の名前はわからなくても、「腰の内側のこのへんをこうすると楽に息を吐ける」というような発見に毎日出会うため、体内観察の能力は日ごとに高まります。