エリーゼ(電子関連)


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2023年08月19日
マルチファンクション リレー


          整備中に手に振れた MFR ( TRW製 )。 一部が異常に暑い。 カバー越しなので、かなり発熱している リレーが有る。
          一部とは、下写真の赤〇部。





           過去に作った配線図を見ていると、そのリレーは、イグニッションコイル、IACV、キャニスター、インジェクターに繋がるリレーだった。





            上図中の、リレーに記した ” W* ” が、下画像の リレーとなる。 ( W7が発熱していたリレー





           問題のW7に繋がる基盤のレイアウトを見ると( 上写真 )、赤枠で囲った 広大なエリアを伝わって、コネクタに向け電流が流れる。
           面積が大きいので、当然抵抗は 小さくなるのだが  .......  

           さらに基盤を見ていくと、 W7のリレー端子(上写真の青楕円)が 広大なエリアと繋がっているのだが、繋がり方が大問題。
           上写真の、赤〇で囲った中の 抵抗端子と、その右側に小さく見える銀色の丸(スルーホール) のみでしか繋がっていない。
           たった、Φ0.8mmの穴 2個で繋がっている。 基盤の裏側が、下写真。 Φ0.8mmの穴 2個が、赤楕円で囲った所。
           因みに、緑楕円で囲った所が、リレーの端子。





            誠に酷い設計だ。 ( 今頃になって気付く私も愚かなのだが
            これでは、流れる電流も多いので、発熱する筈だ。 対策は上写真の様に、リレー出力端子とコネクタを直接、線で繋ぐこと。

            このリレーと、基盤のパターンに不具合があれば、イグニッションコイル、IACV、キャニスター、インジェクターは全て影響を受ける。
            何とも、恐ろしい設計となっている。


            さらに、半田にも問題が有った。
            下写真で、2−3の端子が、インジェクターに繋がり、2−8の端子が、イグニッションコイル、IACV、キャニスターに繋がるのだが
            パターンは同じ所に半田付けされている。 パターン面が広大なので、半田付け時に放熱されてしまい、半田が溶けず正常に
            半田が載っていない。  2−3端子は、右側が、2−8端子は、左側に半田が付いていない状態。
            スルーホールで、表裏は繋がっているのだが、半田は盛って欲しい。





            大容量の半田コテで、半田を正常に付け直しても良いが、下写真の赤線の様に別途配線した方が良いだろう。






            まあともあれ、実車から物を降ろして、配線を追加した。 また、コネクタと基盤の接合部は、再度 半田をやり直して置いた。
            これで、発熱が収まらないのなら、リレー自体の容量が足りていない事になる。 TRW製なので、信用が置けない。
            何故なら、設計上 変な部品が使われている。 リレーを駆動させるためのコイルに、抵抗だけが繋がっている。
            普通は、サージ電圧を吸収する手段として、ダイオードか、抵抗+コンデンサーを使うのだが、抵抗のみとは理解に苦しむ。





              配線の話に戻ろう。 因みに使用した線材は、下。






            エンジンを掛けて、温度を確認してみる。



2023.8.22日 更新



            配線をし直した結果が下。 多少温度は下がったが、ケース表面でこの温度。 発熱が収まらないので、リレー自体の容量が
            足りていない事が判明した。( 因みに、接点部の抵抗は、ほぼ0Ω

            リレーの耐熱温度は、大体 120℃。 耐熱温度の定義は、 ” リレーの温度上昇値の最大温度と使用周囲温度の合計が
            コイルの耐熱温度を超えない事 ” 。 ケース表面で、この温度なら、内部のリレー本体の温度は、もっと上の筈。
            仮に、60℃として、周囲温度を50℃( エンジンルーム内 )とすれば、110℃となり耐熱温度は超えない。
            しかし、余裕は 10℃。 周囲温度が上がって、仮に設定したリレー温度がもっと上なら、不具合の発生確率は上がる。






             そこで、以前使用していたMFRを改造してみた。 リレーは、国産のパワーリレーを使う。





             基盤から、TRW製のリレーを除去。 リレーの品番で仕様を確かめようとしたが、ヒットせず。





             で、実装。





            そして、実車で確かめる。





            結果が下。 リレーを交換した所は、他の輻射を受けて32℃となっているが、触感では、cold。
            触れた時、熱かったのが、O2センサー用と、燃ポン。 55℃だった。 ケース表面で触れた時は、ホンワカした感じだった。
            となると、IG、IACV、キャニスター、インジェクター用のリレーって、何度だったのだろう。 恐ろしい状況だった事が予想される。


< IG、IACV、キャニスター、インジェクター >
 



            不安を払拭するには ....... MFRを、自作するしかないだろうか。





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