スターリングエンジン (ジャンプ缶−水冷式)     動く理由

 スターリングエンジンは、インターネット上でも、世界的に多数紹介されており、また、愛好家たちによって、車など、さまざまなものが工夫されている。ここでは、身近な缶などを利用して、ジャンプ式スタリーングエンジン(ジャンプ缶と呼んでおく)を製作し、熱による膨張と収縮の学習の発展としてのものづくり教材として工夫してみた。

1 製作する上での問題点と工夫
  @ 右の写真のように、主に「ジャンピングローラー」として紹介されているが、ステンレス製調味缶が最近は、100円ショップでは手に入らない。(通常店では、600円ぐらい) 
  スチール製空き缶は手に入りやすいが、熱伝導がステンレスよりよく、高温部と低温部をつくりにくい。
(鉄84、ステンレス15W/m・h・℃−室温)
  B スチール製空き缶でも多少できるが、性能を上げるために、「水冷式」を工夫した。
2 材料(主なもの)         材料および各部分のつくり方
 空き缶(スチール製2、アルミニウム製1)
 スチールウールたわし
 ふうせん
 ピアノ線(♯22ぐらい)バネ用  少々
 針金(#14、2mmφ)本体用  少々
 木片 2×15cm、厚さ0.5cm
 プラダン、ペット板、両面接着テープ  
 ガーゼ または キッチンペーパータオル 少々
 ビニールテープ、ゴム管、結束線(細) 少々
 
3 つくり方(概略)
  ディスプレーサーピストンの製作(たわしピストン)   
@ .2つのスチールウールたわしの一つを、きれいにほどいて平らし、その上にも一つのたわしをのせて巻く。
  A .形をととのえて、空き缶の内側の太さより、ほんの少し小さくする。隙間の調節が大切  
    ※たわしピストンは、容器の高さの2/3ぐらいにする。
バネの製作
B ピアノ線を2cmφの棒を利用して、10回ぐらい巻いて、バネをつくる。 
  C バネの高さは約5cm、たわしピストンに少し強くあたるぐらいにし、太さも調節する。 
  組み立て
  D 針金を缶の中央を2回ぐらい巻き、写真のようにくびれをつくり、結束線でしばる。
  E 両端を木板の穴に通し、上の写真のように、おもりとローラーを通す。 
  F 口をくりぬいた缶にたわしピストンとバネを入れ、右の図のように口にビニールテープを十文字に貼る。 
  G .ふうせんを3分の1の所で切り、フタの所までかぶせ、空気がもれないように2回ぐらい、ビニールテープを巻く。.  
  H 缶のふうせん側に、ガーゼかペーパータオルを巻き、輪ゴムで固定する。  
4 動かし方    
@ ガーセの部分を水でぬらし、ふうせんを下にして床に置き、缶の底を、トーチ式バーナーで加熱する。 
    ※缶を逆さにして、ガスコンロで底を加熱してもよい。 
  A ふうせんが下になっている缶を少し持ち上げてはなす。 
何回も動かしていると、スチールウールが熱くなって動かなくなる。そのときは冷やす。