NZreport

1日目
 天候は曇りで時々小雨が混じるという日本なら悪くないコンディションなのだが,実は例年であれば乾期に当たるこの時期であるが,1月から雨の日が多く,川の濁りがとれないためサイトフィッシングは無理という残念な報告を受ける。予約は2ヶ月近く前なので天候は時の運とあきらめるしかないものの少し残念。というわけでどうやら今日はニンフフィッシングになりそうだ。気温は22度とそれほど暑さは感じない。サンドフライという,かの有名なさされるとかゆいらしい虫対策のスプレーをフィルにたっぷり掛けてもらい,ロッジを出発した。

リリース牧場のオーナーに許可を得て最初に入ったのはロッジにほど近いランギタイキ本流のポイント。水量の多い良い川である。
日本ではニンフの釣りをする機会が少ないので,マーカーダブルニンフという独特のスタイルにキャスティングもままならないが,Bさんのアドバイスを受けながらなんとかこなしていると,いきなり40cm程のきれいなレインボウがヒットした。こんなに早く魚を手にできるとは思わなかった。ネットはいっさい使わないのでハンドランディング。初物なので早速デジカメでパチリ。(ただし、このカメラが故障していて,この写真を含め初日のショットは全滅。翌日以降はBさんのカメラに頼ることになってしまった)
このあとも2匹ほどヒットしたが,サイズが小さいということで移動することにした。小型が群れているところには大型が少ないらしい。

川はやはり濁りが入っているので湖を少しやってみようということで,北のロトルア方向にある”レレカファイツ”という湖に行った。ここは水深はそれほどなく,遠浅のポイントが多いがトラウトのアベレージは50cm以上ということで期待が膨らむ。ここではBさんも一緒にキャストする。しかし小雨混じりで風もややありキャストしづらい。
ポイントを移動。地元の人らしきフライマンが二人ほど見える。またボートフィッシングの人もいるのでこちらの方がいいかもしれない。しばらく二人でキャストを繰り返すものの反応はない。こちらでは湖はナイトフィッシングをする人が多いらしい。


キャナル湖はあきらめて次のフィールドへ移動。次に案内されたのは「フライフィッシャー誌」で佐藤成史氏が紹介していたキャナル(水路)であった。FF誌の中で60cmクラスの美しいブラウンが紹介されていたところである。人工の水路なので,川全体は変化がなくストレートなつくりだが,護岸がコンクリートではないので目の前を見ている限りは違和感はそれほどない。また流れの中は水草が生え,格好の隠れ場所となっていることと,底もどうやらコンクリートではなさそうで,エサとなる水生昆虫も多くいそうである。ブラウンが育つ理由がわかる気がする。取水口のあるプール付近にくるとあちこちにブラウンの姿が確認できる。それもかなりの大型も混じっている。流れがそれほどないエリアなので魚が一定方向を向いていないため,進行方向に会わせキャストするが当然警戒されてしまう。

そのうち川の中央付近を中心にライズがはじまった。それもかなりの数である。ライズに会わせて二人でキャストを繰り返すが手持ちのフライには全く反応しない。なにか特定の流下物を捕食しているようだがわからないのと,いずれにせよフライがあわない。目立ったハッチもみられないので完敗である。自宅に置いてきたフライBOXがあればもしかしたら,と思ったがとにかくどうにもならない。鼻先にニンフを送り込んだり,あの手この手も効果無し。忍野ファンならきっと熱くなること請け合い。そのうちライズもおさまってきたので後ろ髪を引かれつつも帰路についた。