NZreport
鱒の国へ ニュージーランドに行きたいと思い始めたのはいつの頃からだろう。 フライフィッシングを始めた頃は海外のフィールドといえばカナダやアメリカの記事がほとんどだったような気がする。 NZの美しく大きなヒレのブラウンやレインボウを良く目にする様になったのは10年程前からだろうか。 牧場の間を縫って流れる澄んだ美しい流れの中でのサイトフィッシングというスタイルと,クマなどの猛獣を意識することなく,のびのびと釣ることの出来るフィールドは,年を経るに連れ自分の中でその魅力を増幅していった。 そしてこの年決心したきっかけは,リフレッシュ休暇なるものをもらえることになったことと,子ども達も一人立ちし,気持ちに少しゆとりができたからかもしれない。 一人旅 今回は,家族も含めスケジュールの合う同行者が見つからなかったので,はじめての一人だけの海外旅行ということになってしまった。 チケットの予約,購入,そして現地ガイドの申し込みまですべて一人でやってみた。思ったほど不安もなく準備はできた。 あえていえば、便が少ないので2ヶ月前でもかなり席がうまっていたこと。チケットが高くて驚いたこと。 それでも,インターネットのおかげで現地ガイドの手配もとてもスムーズにできたし、英語は片言しかできないので日本人を探すことにしたが,良いガイドにも巡り会うことができたと思っている。 一人旅は,とにかく何でも自分でやるしかないという開き直りがもたらす発見が多くあって,楽しいものだ。 初めての川へ行ったとき,ポイントはわからないものの、なんだかワクワクしてしまうものだが,そんな気分によく似ている。 NZそしてムルパラへ サンバイザーを少しだけ上げてみた。まぶしい光が入ってきた。日本を発って10時間,まもなくニュージーランドの北の玄関口オークランドだ。夜立ちだったので目覚めればNZの予定だったが,寝苦しいのと気分が高揚するのとで結局ほとんど眠れなかった。時差は夏時間で4時間とそれほどないので時差ボケは出ないだろう。 オークランドの税関でロッドケースを見た係員にフレッシュウォーターか海か聞かれた。 「フレッシュウォーター」と答えると,「きっと大物がたくさん釣れるよ」と言ってくれた。単純なので”いい国だなあ”などと気分を良くした。ウェーダーやシューズについてもしっかりクリーニングしてきたといったらすんなり通してくれた。 ガイドのBさんを待っている間,他にも釣り人がいないかみていたが、ロッドケースを担いできたのはどうやら私だけらしい。 キョロキョロしているとBさんがボードを持って現れた。日焼けした顔に髭面。いかにもフィッシングガイドといった好青年である。 彼の愛車のハイラックスサーフに荷物を載せ,ムルパラに向かう。約4時間の間ほとんど牧場の間を走り続けた。羊の国だと聞いていたのに,牛ばかりである。 途中の町で釣り具屋さんに立ち寄った。リール,ロッドともにさすがに高番手のものが多い。地元の人たちは海をやる人が多いようだ。おみやげにラージアーバータイプのリールを購入。こちらのリールはドラグがしっかりしているものが多い。自分の分もつい買ってしまった。でもBさんは顔なじみのようで,少しまけてくれた。 |