今月のメッセージ 138-080707
「家庭の中で愛の輪を」

                                                               永山 進 牧師

  ノーベル平和賞を受け、インドで病める人々のために働いていた修道女マザー・テレサ(1910〜97年)が来日した際、大学生を前にして講演した時の一部。

  「私たちがこの世に生きているのは、目的があるのです。それは、人を愛し、人に愛されることです。人を愛し、その人を通して神の愛がわかります。まず家庭の中から始めましょう。親に対して、兄弟に対して。孤独、寂しさといった精神的貧しさ、飢えがないでしょうか。素直に笑顔を向け、家族のために自分を犠牲にして奉仕する。そこから愛の芽が出て、外に向かっていけます。」

  「私たち、カルカッタの「神の愛の宣教者会」では、一番貧しい人達の為に奉仕しています。アル中、ハンセン氏病、飢餓・・・つらい仕事ですが、いつも喜びに輝いています。貧しい人々といっしょにいることは、つまりキリストに奉仕していることです。東京・山谷地区を訪問したとき、道端こ倒れている人を見ました。しかし、通り過ぎる人がだれも、何もしょうとしないのにはショックを受けました。だれかの主人、兄弟、父親であるかもしれないのに。本当に愛そうと思ったら、その人を助け上げることから始めなければなりません。愛することは勇気がいります」
  「恵まれた豊かな国の大学に学ぶ若い人連が、日本を益々良くする為に、純真な愛を持ち続けてほしいと思います。自分を犠牲にすることを学んで下さい。見たい映画を思いとどまって、自分の為のそのお金を犠牲にし、日本でインドでアフリカで、飢えで苦しんでいる人々を思い起こして下さい」(デポーションガイド・クレイより)

  私達が使う、愛するという言葉は自己中心のものが多い。しかし、聖書の示す愛は犠牲的なもの、命をかけて人を愛することをイエス・キリストが具体的に示して下さった。それは私たちの内にはなくて神に祈り求めるものだ。
マザー・テレサを支え動かしていたのはその神の愛。溢れるような愛を受け取り、インドの人々に喜びをもって仕えて行ったに違いない。

  私達の小さな一歩、それは家庭の中から愛の輪を広げることだ。夫婦、親子の間で愛し愛されることの喜びを体験していく時、外に向かっていける。人は愛されたように愛する者だという。すべての人が神様に愛されている存在であることを知ってほしい。

  「愛する者たち、私たちは互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。」(聖書 Tヨハネ4章7節)


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