今月のメッセージ 135-080303
「偉大なクリスチャン科学者 グレコールメンデル」

                                                                  永山 進 牧師

  メンデルはエンドウの形状の変化に興味を持ち、1856年から8年間にわたって、修道院の庭でエンドウの掛け合わせ実験をして、親エンドウの形質が子どもや孫に、どのように伝わって行くかを研究した。1865年に、その研究結果を発表したが、何の評価も受けなかった。数学的で抽象的な解釈が、当時としては理解されなかったのである。しかし、彼の死後16年も経って、ようやくその研究結索の綿密さ、正確さが高い評価を受けるようになり、今日「メンデルの法則」と呼ばれるようになった。

  さて、メンデルの名前も業績もよく知っている人でも、彼がキリスト教の修造士であり、修道院の庭で綿密な実験計画を立てて、科学研究を行ったことに目を留める人は多くない。
彼の属していたオーストリアの修遭院には、哲学者、数学者、鉱物学者、植物学者などがおり、学術的な研究や教育が盛んに行われていたという。メンデルは25歳で司祭に任命され、科学を独学した。その後、教師の資格試験を受けて失敗すると、物理学と教学、植物解剖学や生理学、他に動物学などを学び、自然科学を教える経験を積んで、上級教師の資格試験を受けだが、またもや失敗した。こうして、教師としては失敗続きであったが、科学者としての資質は群を抜いていた。

  現在の日本では、聖書と科学とは矛盾するものであると頭から決めてしまっている気配があるが、メンデルは、神様に背く行為として科学研究を行ったのではない。それどころか、歴史的に知的作業の場、学問の場はキリスト教会だったことは、先に述べたとおりであり、メンデルはその様な環境で科学する能力を鍛錬されたのである。このように、近代科学の夜明けは、キリスト教会で始まったのである。

  メンデルの生涯は、キリスト者として神に仕えると同時に、科学的手法を用いて、神の創造された神秘的な被造物を解明しようとアプローチした生涯であったと言えよう。

「天は神の栄光を語りつげ、大空は御手のわざを告げ知らせる」
詩篇19:1


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