今月のメッセージ 134-071209
「賛美歌『きよしこの夜』のエピソード」
永山 進 牧師 1818年のこと。オーストリアの片田舎、オーベルンドルフと言う村にある聖ニコラス教会のオルガンが壊れてしまった。 クリスマス・イブが目の前に迫っていると言うのに修理がなかなか進まない。副司祭のヨゼフ、・モールは「折角のクリスマスに、何の賛美歌も演奏出来ないとは」と落ち込んでいた。彼は思い悩んだあげく、自分で詩を書き、小学校の先生をしていたクランツ・クサヴァー・グルーバー(1784〜1863)に作曲を頼んだ。 さて、クリスマス・イヴ当日、グルーバーのつまびくギターに合わせ、テナーのヨゼフ・モール、バスのグルーバー、そして愛らしい子供の聖歌隊の合唱で、初めて「きよしこの夜」は演奏された。 静かにふけゆく村めクリスマス・イヴ、清らかな調べは、さえた夜空に鈴のように響き渡った。 翌年、オルガン修理にやって来たマウラッヒッツヒヤーがこの曲を聞き、非常に感動し、仕事に行く先々で広めた。また、チロルの手袋業者達によってドイツiこ広められ、ライプツイッヒの教会で歌われ、今では世界中の人々に親しまれるようになった。 後日、グルーバーは「ライブツイッヒの歌は少し原曲と違っている」と語ったと言われている。人の口から口へと歌い継がれて行くうち、歌いやすいように変化して行ったものと考えられる。現代歌われているのはライブツイッヒで歌われたものである。 この名曲を生んだ聖ニコラス教会は19世紀の終わりに、サルツァツハ川の氾濫で流されてしまったが、今、その小高い丘の上には「きよしこの夜記念堂」が建っている。 「きよしこの夜 星はひかり 救いの御子は まぶねの中に 眠り給う いと安く」 救い主イエスの祝福が皆様の上にありますように、祈ります。 |
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