今月のメッセージ 119-051003
「年老いてもなお」

  人間とは二つの「関係」の中に生きる存在であるといわれます。一つは人と人との関係であり、もう一つは神との関係の中で生きる存在でもあるのです。前者の関係は一般にも知られている事ですが、後者の関係は、特に聖書が教えている重要な真理です。
聖書の中に「神は人をご自身のかたちとして創造された」(創世記1章27節)、また
「神である主は土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで人は生きるものとなった」(創世記2章7節)と述べています。ここに人間の尊厳性があるのです。それは神との愛の関係に生きる存在であり、又、人との関係においても愛し合いされて生きる存在である事を意味しているのです。

  どんなに物質的に豊かな生活をしていてもそれだけでは決して人は幸せを感じることは出来ません。私はそのことをアメリカで何件も金持ちの家でハウスボーイをしているときに目の当たりにしました。人もうらやむようなリッチな生活をしながらも、朝から晩までご主人の悪口を言い続けていた婦人。また、「おまえと結婚した事が俺の一番の失敗だ」と罵っている某弁護士。本当に寒々とした光景でした。
  それに対して、私がウィークエンドにお世話になったいくつかの家庭は、物質的にはそれほど豊かではない様に見えましたが、家族の中には笑い声、いたわりの声、素直に謝る声がありました。端からみていても心が和む思いでした。よく「人は愛なしには生きられぬ」と言われますが、言葉を替えて言えば「人は愛なしには幸せになれぬ」と言う意味でしょう。

  「あなたがたは互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、そのように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ13章34節)
  イエス・キリストが私たちを愛してくださった愛を基として、私達も家族、友人、知人を愛する事が出来るように、と願います。


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