今月のメッセージ 114-050207
「愛、そして愛、やっぱり愛」

 街の本屋を覗くと、今一番の売れ筋の本の一つは、片山恭一著の「世界の中心で、愛を叫ぶ」をあげることが出来よう。出版3年日で300万部突破と言うから驚きだ。若者の活字離れが言われて久しいが、この本は例外的に受けている。それは人間の愛と死をテーマにした内容が、若者達の心に何かを訴えるからであろう。
 愛と死をテーマにした本と言えば、私が20代の頃に読んだ、三浦綾子著の「塩狩峠jも感動的だった。夜11時頃から、ベッドに入って読み始め、明け方3時頃まで、涙と鼻水を流しながら一気に読んでしまった。そこに描かれている「愛」は、単なる男女の好き嫌いという情愛のようなものではない。主人公の永野信夫は、親や会社の同僚からも見放された友の為に心血を注ぎ立ち直らせた。そして最後には、人々を助ける為に自分の命を文字通り投げ出したのである。それは彼がたまたま乗り合わせた列車が、塩狩峠の頂上付近にさしかかったときに起こった。その列車が突然後戻りして爆走しはじめる。彼は見ず知らずの乗客連を助ける為に、自分の身を投じて急停車させるという衝撃的なものだった。もちろん彼は即死である。(この物語は長野政雄という実在したクリスチャン青年の生涯をモデルとしたものである)。
「世界の中心で‥・」の中に、白血病で愛する人を喪った高校生の男子が、人間ではない大きな存在に向かって慟哭するように祈る場面が出てくる。「塩狩峠」でも聖書で言われている神の愛が展開されている。
 片山恭一氏については詳しくは知らないが、三浦綾子氏は誰もが認める敬度なクリスチャン。彼女自身が、神の大きな愛を体験し、虚無的な人生から立ち直った。その後、天に召されるまで、クリスチャン作家として、多くの著作を通して、神の愛を伝えようとしたのである。
 「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません。」(ヨハネ15章13節)と言われたイエスこそ、全ての人類の為に命を捨てると言う、これ以上ない大きな愛をあなたに示されたのである。あなたの罪を十字架に背負って。


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