今月のメッセージ 105-040301
「発射されなかった銃弾」     牧  師:永 山  進

 昔、フランスで一人の農夫が数日間をパリの博覧会で過ごした後、馬の背にまたがて家路についていました。彼はパリで経験した楽しい出来事を思い返しながら馬を進めていました。ところが突然土砂降りの雨となり、雨宿りする場所もなく、彼はびしょぬれになてしまいました。折角の楽しみもこれで台無しだと無性に腹が立って仕方がありませんでした。
 しかし、ちょうどその時、道のかたわらの茂みから一人の強盗が銃を向けて飛び出して来ました。恐怖に青ざめた農夫は、強盗がカチッと引き金を引く音を聞きました。しかし、銃声は起こりませんでした。農夫は間髪を入れず馬にむちをあてて逃げました。逃げながら農夫は「私はなんと愚かだったことだろう」と考え「雨のおかげで帰り道がすっかり駄目にされたと腹を立てていたが、この雨が強盗の銃をぬらさなかったら、私は殺されてしまっていたろう」と言いました。

 この農夫のように、私たちもつらい経験と思えることであっても、実際はいかにそれが祝福であったかを見ることができるなら、どんなに多くの不幸が感謝と喜びに変わることでしょう。

 愛と恵みと力の神を信じて生きるとき、つらい経験の中でも祝福を見る目が与えられるのです。聖書に出てくるヨセフと言う人がそうでした。彼は少年時代、兄弟の悪だくみで、エジプトに奴隷として売られましたが、神を信じて、奴隷として真面目に働きました。後に、彼はエジプトの指導者となり、そのおかげでヨセフの父や兄弟たちを飢饉から救うことができたのです。

 聖書の中に「神は、神を愛する者たちと共に働いて、万事を益となるようにしてくださる」(ロマ書8:28)とあります。あなたもこの不思議な神のみわざを味わってください。


message031229へ 目次へ message040329へ