今月のメッセージ82-011203
メサイア誕生の秘話     牧  師:永 山  進

 クリスマスのシーズンになると、必ずと言って良いほど流れる曲の一つに「メ
サイア」があります。
G・F・へンデル(1685〜1759〉が「メサイア=救い主の意」を作曲したのは、彼が56才の時でした。それは彼の生涯の中で、最も暗く、苦しい時でした。脳卒中のため、右半身が麻痺し、リウマチで体の動きが取れなくなりました。その上、彼の音楽を最も良く理解していたキヤロライン王妃が、突然のように死んでしまいました。病気と、絶望と、貧しさのただ中に伏す、そんなある日の事でした。

ひとつの聖書のことばが、ヘンデルの心に、突然ひらめいて来ました。
その聖書のことばとは「・・彼には私たちが見とれるような姿もなく、輝きもなく、慕うような見栄えもない。彼はさげすまれ、人々からのけ者にされ、悲しみの人で、病を知っていた。人が顔をそむけるほどさげすまれ、彼を尊ばなかった。まことに、彼は私たちの病を負い、痛みをになった。だが、私達は思った。
彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。
しかし、彼は、私達のそむきの罪のために刺し通され、私達の咎のために砕かれた。彼への懲らしめが私達に平安をもたらし、彼の打ち傷によって、私達はいやされた。私達はみな、羊のようにさ迷い、おのおの、自分勝手な道に向かって行った。しかし、主は、私達のすべての咎を彼に負わせた。‥」(イザヤ53章抜粋)

 これは、イエス・キリストがお生まれになる約740年も前に、神がイザヤと言う預言者を通して語られた救い主の生涯の預言です。へンデルは、この聖書のことばを繰り返し繰返し貪るように読みました。彼の心に救い主イエス・キリストに対するあつい信仰が火のように燃え上がりました。彼は貧しいアパートの一室に体を投げ出したまま、ペンを握ると、いっきに「メサイア」を書き上げました。こうして、24日間で、《神が人類に与えて下さった最高の音楽》は生まれました。

 あなたが、もし、今悲しみの中にあったとしても、あなたの傍らに、救い主イエスが共にいて下さり、慰めて下さることを心からお祈りします。


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