今月のメッセージ 80-011002 「影を慕いて」 牧 師:永 山 進
「まぼろしの 影を慕いて 雨の日に 月にやるせぬ わが想い つつめば燃ゆる 胸の火に 身は焦がれつつ 忍び泣く 君故に 永き人世を 霜枯れて 永久(とわ)に春見ぬ わが運命(さだめ) 永ろうべきか 空蝉(うつせみ)の 儚(はかな)き影よ わが恋よ」 これは、ちょっと年配の方なら、聞き覚えのある、故古賀政男氏の代表作の一つと言われる「影を慕いて」の詞である。 聞くところによると、この詞は、古賀氏が、ある女性に熱烈な恋をし、その恋に破れた傷心の中で作られたとか。 どこまで本当かは分からないが、しかし、確かに、失恋したらこのような心境になるのかな〜と思わされる。 私たちの人生には、様々な悲しみがあるが、愛しても愛しても、その愛が相手に通じないと言うのも、本当に辛いものではないだろうか。 聖書を読むと、天地万物、私たち人類をも創造された真の神が、わたしたち一人びとりを、愛してやまない心情が切々と訴えられている。それこそ、「身は焦がれつつ 忍び泣く」ような思いで。 その愛の故に、ご自身のひとり子イエス・キリストを私たちの救い主として、この世に遣わしてくださった。 「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私達に、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私達に示されたのです」(聖書)と言われている。 しかし、依然として、多くの人は、その神の愛に、耳を傾けようともせずに歩んでいる。それにもかかわらず、神の、私達を思う愛は失せることなく、注がれ続けているのです。「女が自分の乳飲み子を忘れようか。自分の胎の子をあわれまないだろうか。たとい、女たちが忘れても、この私はあなたを忘れない。見よ。私は手のひらに、あなたを刻んだ」(聖書) この神の愛は、ありのままのあなたを無条件で愛してくださる、永遠に変わらない愛です。その愛の中で生きる時に、本当の安らぎがあるのです。