3.人事課などの使命

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(工事中)

■作業を分類する

国家公務員法 

(職階制の確立) 第29条 職階制は、法律でこれを定める。

2 人事院は、職階制を立案し、官職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて、分類整理しなければならない。

国家公務員の職階制に間する法律

(官職の分類の基礎) 第6条 官職の分類の基礎は、官職の職務と責任であつて、職員の有する資格、成績又は能力であつてはならない。

(職級の決定) 第7条 職級は、職務の種類及び複雑と責任の度についての官職の類似性と相異性に基いて決定される。

 

分類は分解とは反対方向。高水準の能力を要する作業である。

作業のステップ、任務等の細部から調べて、ピラミッドを作る。

分類には代案が多い。

人事課は総務課、生産技術課、販売促進課などの主題専門家に取材し、分類結果に合意を得る。無断で行動してはならない。

現場や人材開発課は、人事課の分類に反して勝手に職務を新設したり、課目を企画したりしてはいけない。人事課へ分類作業をするよう提案したり、試行の許可を求めたりする。

職能は人事管理の知恵

職務遂行能力・職能(competency) 米語発音:カンプトゥンシ

   ローマ字的:○コンペテンシ、×コンピテンシ

主に一人分の職務よりも小さな業務(duty)単位の能力

配員ニーズと実際とのギャップの最小化のために

職務を分解した課目・資格等で人事管理したい場合

職務内の選択業務・選択課目を人事管理したい場合

職務間の共通業務・共通課目を人事管理したい場合

特定の業務・課目に特別なOJTや資格更新手続が必要な場合

職能管理の歴史

米国での職務管理の進展

職務記述が厳密であり、会社を超えて職級まで決まっている。

米国での到達目標への進歩

学校教育の定義や採点があいまい過ぎたことから、科目名のほかにコンペテンシを定めるようになった。後に到達目標へ進化した。

日本での職能管理の登場秘話

職種記述があいまいであり、職級は会社が年齢相当で決めていた。

高度成長経済期が始まり、産学官の少壮メンバが職務・職級を米国並みに改善しようとして、その過程で業務・任務の単位まで分解し、職務・職級を根本から再設計した。

業務単位で管理することが、米国の職務管理を陵駕できる可能性を持つことに気付いた。

完璧な推進ではなかったが、品質管理、生産管理、流通革命などと呼応して、日本を世界有数の経済大国にのしあげた。

空洞化、総中流意識、企業不祥事多発時代の改善意欲喪失

品質管理運動、生産性向上運動と共に熱心な運動家が減少

「高業績者の行動特性」と言わなくても

知識ではなく行動で扱うのは教育学の常識

高業績者の行動を調査・分類・記述するには、

人事管理の「高業績者の行動」を必要とする

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

各職務を記述するだけでなく、改めて等級付けをし直す。 そこまでやる気があるか。

改善の姿勢を用語の意味に盛り込むのは抑えて

×「文章とは理解しやすい文の並び」

×「ソフトウエアとは文書のそろったプログラム」

高業績にするのは教育課にまかせなさい

職務分析の高業績者として黙々と行動しなさい

職能管理による配員の最適化

職務単位の管理から地道に改善したらどうか

人材開発は業務・指導項目まで分解することを推奨します

人事管理は職能単位でなく、職務単位でどうですか

効果や精度を求めないこと。

分類そのものの美しさや難しさに興味を持つ

教育のためではない。人事課の仕事

学校教育ではコンペテンシから学習目標・指導項目へ

コンペテンシという概念が必要なくなった

教育や現場ではなく全社人事課として職能が必要か

必要があるなら管理をする。なければ管理しない。

実務〜人事〜人材開発のつながりに興味を持つ

職歴計画と職歴相談の区別

職歴計画課目 能力の教育

進学・就職・異動・昇格に関する計画能力の集団教育

進学・就職・異動・昇格の分類の理解が基本

ISDに基づいて作業・目標・能力を分析・採点

意思決定・市場縁組なので目標には割り切り必要

指導項目の能力水準に応じて教育方略を混合

職歴相談 人事管理

一対一の対話型の縁組処理。教育ではない。

具体的な事例について面倒見る。

個人事例と職務案件事例と相性の詳細分析

自分探しではなく、相性のノウハウが重要

販売・営業工程がモデル

職務明細書を制定・改定する

 

 

社内規則に規定された公式文書として職務明細書を制定・改定する。

職務明細書の基本は、職務の名称と範囲(内容概要)である。

類似の職務群に対して、職種というまとまりを定めてもよい。

内容と等級・職位を連ねた職務名称があってもよい。

 例:総務職初級、主任電気技術者

職位(主任、係長、課長等)の分類・定義を含めてもよい。

職能明細書を制定・改定する

職能明細を職務明細書の一部又は分冊として定義してもよい。

職務はいくつかの業務で構成される。業務の単位の能力の定義を設けてもよく、それを職能(コンペテンシ)と言う。職能管理が失敗したと言われるのは運用・保守の問題である。カタカナに変えなくても成功させることはできる。

次のような場合には職能を定義して、人事管理の便宜を図る。

小型自動車整備、大型自動車整備等の選択部分がある場合。

英会話・OJT監督など、職務分類を超える共通業務がある場合。

レジ業務・操縦など、その部分だけOJTや更新手続が緊要な場合。

同じ職務であっても、職能に応じる給与分を設ける場合。

その他、同じ職務として一律に人事管理するのが適当でない場合。

業務名ではなくて、職能として定義するのは次の理由による。

生産管理ではなく、人事管理のための項目であるため。

「〜ができる」という目標(到達目標、学習目標)と連携するため。

「目標」と違うのは、条件や基準なしに一言で定義することである

君島浩のISD研究室 2006.2.5.[ 戻る ] [ ホーム ] [ 上へ ] [ 進む ]