2011.7.31 新潟豪雨

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   アクセルとブレーキの踏み間違いによる自動車事故が後を絶たない。原因は着座姿勢が悪いのと運転手順の誤解である。事故者の多くは高齢男性であるが、変な運転は年齢よりも個人差の問題である。定年前は日常行動が定型的なので個人差が出にくい。定年後に非日常的な買い物にデビューする人がおり、中には変則的な人がいるのだ。

   7月29日から新潟・福島記録的豪雨があった。気象庁は雨量が新記録であることを指摘するが、この問題は地理や経済の問題でもある。平野部の信濃川の水面は海抜7m未満である。平野部の土地は海抜6m未満、更には海抜以下の低地が珍しくない。

   このような地形は日本では珍しく、ほかには木曽川下流や利根川下流ぐらいしかない。ほかの2か所の洪水が少ないのは、新潟県だけが日本海側の多雨地帯だからである。

       越後・新潟は、発展のために河川運輸や干拓や灌漑に取り組んだ。洪水対策として、堤防を高くし、海へ向けて多くの分水路を作った。これらの事業には利権がからむ。左下の図は燕市を含む信濃川左岸の標高図(大半が標高6m未満)である。

      長年の取り組みによって、現在の洪水対策は、安全と経済を見すえたギリギリのレベルである。ある程度の洪水被害を受けることは割り切っており、今回の新記録の雨量によって大被害を受けた。死者が少ないのは、住民が割り切りを理解していたからだ。

       洪水の時に危ない場所へ出かけて死ぬ人は、恐怖心よりも好奇心が勝る人である。高齢者が多いのだが、老化よりも個人差の問題である。時間の余裕のある高齢者の中に、恐怖心と好奇心のバランスが変則的な人が混じる。新潟は洪水への割り切り観念によって、野次馬死者を減らしたといえる。

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