2010. 7.31-2 窒息死

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第2章 窒息死(水死、地震、嚥下)

(1)物騒な話題だが、豪雨や熱暑によって、川や海での事故死の報道がある。日本は水に恵まれた国であるが、水は簡単に凶器になるという恐怖能力が弱かったり、その他の関心事が強い人が簡単に水死する。教育学的には恐怖は必要な能力の一種である。

冠水した道路で自動車が立ち往生。乗っていた中年女性が流されて行方不明

農業水路で土嚢を積んでいた老女が行方不明

「川へゴミを捨てに行く」と言った老人が行方不明

川に落ちたサンダルを拾おうとして9歳の男の子が水死

サッカーボールを取りに海に入った会社員が水死

千葉の遊泳禁止の海岸で5歳の女児が水辺を沖へ歩いていき、沖に流されて水死


(2)死者や遺族をムチ打つことをマスコミは遠慮するが、問題点や再発防止策を指摘することは必要であろう。加害者と被害者を兼ねているので、刑事や民事の訴訟になりにくい。
(3)水死という表現ではあるが、要するに窒息死であり、肺炎に相当する。
(4)日本の死亡者の死因は、ガン35%、心臓15%、脳12%、肺12%ぐらいである。病死の場合には、呼吸困難で死亡した場合も肺炎という分類になる。
(5)肺の場合は、健康な人でも、災害や自動車事故でなくても死亡するのが特徴である。
(6)附属病院の地震発生時対応マニュアルを見直しているが、阪神淡路大震災の約6000人の死者の約7割は、胸部圧迫による窒息死やその他の身体圧迫が死因である。15分以内の即死がほとんどである。怪我や出血による死亡というイメージではない。
(7)衣食住の住は生命を守るのに必要であるが、阪神淡路では老朽家屋に済む老人や老朽アパートに済む若者の死者が多かった。普通の建物は倒壊しなかった。
(8)私は大阪保健医療大学の嚥下(えんげ)教育のプロジェクトに参加している。幼児や老人には飲食の機能の発育不足や老化現象という問題があり、嚥下機能の維持や回復のために、訓練をしてくれる専門家は喉が共通項の言語聴覚士である。飲み込むことを嚥下という。入院患者の飲食に関わる看護師にも嚥下教育をしようと思っている。
(9)飲食物を気管や肺に入れてしまうことを誤嚥という。餅やコンニャクゼリーが有名である。誤嚥すると呼吸困難で簡単に死亡してしまう恐れがある。衣食住の食も生命の維持に必要であるが、病人や老人も毎日の飲食が必要なので危険と背中合わせである。
(10)2010年5月に元力士・プロレスラーのラッシャー木村が死亡したのは、腎不全による誤嚥性肺炎であった。腎不全によって全身の臓器の清潔性が損なわれ、食道の嚥下機能が低下し、肺の呼吸機能も低下していたと推測される。
(11)2009年8月に俳優の山城新伍さんは嚥下障害による肺炎で死亡した。呼吸困難である。糖尿病と認知症になっていたが、嚥下との因果関係は不明である。なお、山城新伍さんの父と弟は医者である。
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