1943年(昭和18)に、スルフォン剤の一種であるプロミンの有効性が報告され、ハンセン病の本格的な薬物療法が始まりました。昭和20〜30年代は主にプロミンの改良型のダプソンによる単剤療法が行われました。
昭和40年代の後半には結核の治療薬であるリファンピシンが「らい菌」にも強い殺菌作用があることが明らかになりました。
1981年(昭和56)にWHOが「プロミン、リファンピシン、ダプソン、クロファジミン」などの多剤併用療法を提唱してからは、多剤併用療法が主流となり。多剤併用療法は卓越した治療効果を持ち、再発率も低く、経過中の急性症状(らい反応と呼ばれている、患者に多大な苦痛と後遺症をもたらすもの)の少なさ、治療期間の短縮などの点で画期的な療法です。また、数日間の服用で、らい菌は感染力を失います。
今では、ハンセン病は早期発見と早期治療により、障害を残すことなく短期間で完治する病気です。また、不幸にして発見が遅れ、障害を残した場合でも、医学の進歩で形成手術を含む、リハビリテーションにより、その障害は最小限に食い止めることが出来るようになりました。
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