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第4巻チェックポイント♪ ・奈良の事件から3日後 ・今回のレンタカーはセルシオ ・白衣女初登場 ・高耶さんは家裁の調査官になるのが将来の夢 ・直高初間接キス! ・直高ファースト&セカンドキス! ・5.5巻の経過はおよそ3日間 ・泣いた回数 高耶さん…1回 計2回 直江 …1回 計1回 ・相手を抱きしめた回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …1回 計2回 ・自分からキスした回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …2回 計2回 ・愛してると相手に言った回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …0回 計0回 |
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いやー、ついに来てしまいましたね!あの伝説の5.5巻が! グッバイ、健全ミラージュ!ウェルカム、ヨコシマミラージュ!(笑) 私この題名からして大好きなんですよ!最愛のあなたへ……だけならいざ知らず、見落としがちですが「My Only Dictator」が副題なんですよ! しかも追い討ちをかけるように、オビのコピーが「景虎様……もうあなたしか見えない」……店頭にこんなモン置いてあったら確実に買いますよっ。 あと、章名も大好きです。5巻の「月光菩薩」も好きですが、5.5巻と言えばやはり「執愛の虜」でしょう!ホントに涙が出るほど最高です……。(T-T) ミラージュって素敵な章名がたくさんあるので、好きな章名リストとか作ると面白いですよ。中学時代、私もやってました。例によって数学のノートに(笑)。 思い起こせば今から5年前、私が一番最初にミラージュを読んだ時。当時は母親と同時進行で読み進めていたんですが、母親の葵・橘さんの方が2、3冊読むのが早かったんですね。 それで私がまだ4、5巻のあたりを読んでいる時……ある日葵・橘さんは言いました。 「ねぇ、もう続き読まない方がいいかもよ」 なんで?面白いから続き読みたいのに。なんか続きにまずいことでもあったの?と尋ねたところ、葵・橘さんはなにやら煮え切らない返事を寄越すのみ。 それでカンの良い私は察したのでした。「もしかして、あの二人がすごいことになっちゃうとか?」 まさにその通り!しかしここまで来て続きを読まない私ではありません。葵・橘さんは「一応、私は止めたからね。後で文句言わないでよ」と余計な心配をしてくれました(笑)。 本当に余計でしたとも!そこでもし実力行使してミラージュ読むのをやめさせられていたら、私は一生母を怨んだでしょう。 でも、とかなんとか言いながら一方で「直江好き〜v苦悩してる男ってステキだわ〜v」とか葵・橘さんは呟いていたので、たぶんあの人、一応止めはしたけど私に読んでもらいたかったんですよ(笑)。 しかも私は男同士の恋愛物は未経験者ではありませんでしたし。小学時代に風と木の詩やトーマの心臓やエロイカより愛をこめてなど読んでいたので、それほど抵抗感はありませんでした。 しかーし、漫画は何冊か読んだけど、小説で読むのは初めてだったんですねー! 直江の生々しい語りは流石に13歳の少女には衝撃的でした。いや、今思えばたとえその時点で何冊かBL本を読んでいたとしても、衝撃を受けたことには変わりなかったのでしょうが。(だってどこ探してもいないよ?あんな人) でも付いていけない部分はあったな〜。直江がどうしてこんなに苦悩しているのかも理解しきれていなかったし。まだこの時点で、私は直江ファンではなかったんです。いつ直江ファンに転げ落ちたか(笑)は、その場面が来たらじっくりと語りますので! さて、感想に入ります!今回も語りますよ〜。 まず8p、直江が高耶さんに魚料理をご馳走して、「今度また連れてきてあげましょうか」なんて言っているのを聞いて、思わずホロリ。 だって、もうこれから先、二度とこんな風に二人が穏やかな状態で、一緒に食事をしに行くことなんて無くなってしまうんですから……。直江が死んで、再会して、赤鯨衆に入って……。織田との戦いが終結して、そして二人が生き残ることができたのならば……(いや、絶対できる!(泣))こんな風にまた、二人でデートしてほしいですよね。今度は恋人同士として。 この後25pで直江が過去の女性歴を披露しています。はっきり言って殴り倒したいです(怒)。 高耶さんの前でそんな話をするなああー!!!ってか私の前でもしないでくれ! 直江が高耶さん以外の女と寝た話なんて聞きたくないんだよ!しかも誠意を込めて口説いたですってぇぇ!?私が口説かれたいってのッ!(←違うだろ) ところで高耶さんが「おまえって、ひょっとして、見かけによらず……」とか言ってますが、(もちろんこの後に女ッタラシが来るんですね)それじゃあ高耶さんは直江のことをどんな風だと思ってたんでしょ!?もはや私の中には直江=野蛮なケダモノの図が出来上がっているので(笑)、見かけによらずも何もないんですが、見かけだけだと紳士に見えるってことですか?紳士直江……うふふ。 高耶さん……まだまだあなたは直江のことをよく見ていないよ! さあそろそろ直江がぐるぐると回り出してきました。(←懐かしい表現)特に30pでうたた寝する高耶さんののけぞった首元にドギマギして慌てて揺さぶり起す直江なんてめちゃくちゃカワイイですv ああ……これが四国編以降だったらまず間違いなくその場でGO!なのに……とかやはり物足りなさを感じる私。(←贅沢モン) でもねぇ……この後で直江は、自分の思いはただの妄想だ。こんなもの愛なんかじゃないと否定していますが、こういう時こそ「違うよ直江!違うんだよ!」と叫びたくてたまらなくなります。というより叫んでます。 本当は直江だって分かってるくせにな……そんなただの征服欲とか、劣等感とかだけが変形した愛だったならば、四百年間も存続していくはずがないのに……。これまで同じように散々否定してきて、それでもやっぱり、最後には「愛しい」という想いが胸を占領してしまうのでしょう? そしてこの後、直江は仮の死などではなく、本当の死、すなわち魂の消滅を望んでいると語っています。 そして自分がその瞬間を迎えた時、景虎様はいったいどう思うのかと……。 皮肉なものです。そのわずか半年後、直江はその瞬間を現実に体現してしまうのですから。 そうして、高耶さんがその時にとった反応は、直江が想像するものとはかけ離れたものだった。 直江は景虎様の心理を何もかも理解しているように見えて、その実、肝心なところを本当には理解していないのかもしれない。 自分が景虎様に愛されていることは知っている。けれど、あれほどまでの狂気を見せるほどの、壮絶な愛が自分に向けられているだなんて、きっと直江は気づいていないんでしょうね。 もっと直江は自信を持っていいんだ……。 その数年後、直江は今度は高耶さんの魂の消滅の回避方法を必死に探すことになる。 そして……高耶さんの魂の消滅が実現した時、自分の魂をも消滅する方法を模索し、信長の破魂に行き着くことになるのだけれど……。 この二人の物語は、常にしてこの魂の消滅≠ニいうテーマが根底にしかれているんですね。 49pで直江が、成政の早百合にした行為に対し語った言葉、「好きだからこそ、許せないことはあると思いますよ」「人を好きになるという気持ちは、それだけ恐ろしいとしうことですよ」に高耶さんが、「おまえも……だれかをそんなふうに思ったことあるのか」なんて恐ろしい台詞を言っています。 その後「触れることもできないのに……独占なんて、したくてもできないでしょう」という言葉。 景虎様は確かに、直江に自分を独占させはしないけれど、その反対に景虎様は直江を独占して離さないのですよね。 自分の心を与えることは決してしないで、それでいて直江に、自分に囚われ続けるよう愛を強要しているだなんて、なんて傲慢さでしょう。思えば本当に酷い人です、景虎様は。 それでもその行為の根底に「直江を失いたくない」という切実な思いが隠されているから、だから愛しくてたまらないのですよっ!!! ……上の台詞のあとに高耶さんが考え込んでしまうような態度を見せたのは、あれは「直江にそんな風な激しい思いに囚われてしまうほどの相手がいる」という事実にショックを受けていたからなんでしょうかね。 高耶さんはその相手こそが自分なのだとは知らないから……。 既に高耶さんの中にも、直江に対する独占欲が芽生えていたのかも。けれどその感情は、多分、景虎様が初換生して間もない頃、憎しみ合っていたはずの直江に初めて抱き始めたような、そんな優しい思いなのかも。 この時点での高耶さんがあと四百年間直江と共に生き続けていったなら、きっと、三十年前と同じ景虎様の心理に到達するんじゃないかと思います。 ドロドロのエゴに溢れた愛の境地に。 数年の間、最初からミラージュを読み返すことがなかっただけはあって、忘れていた事実をまた新に理解することも多いのですが、その一つ。直江はこの巻でやっと、景虎様に対する四百年抱き続けてきた愛憎を完全に思い出したんでしたね。 1巻からの景虎様に対する態度が、明らかに本来の直江のものとはちがっていたのは、直江が感情を封印してしまっていたから。ようするに、直江もこの三十年間で高耶さんと同じく、一部の記憶を忘れ去ってしまっていたとも言えますね。 劣等感による憎悪も、押し潰され続けることに対する恨みも、手に入れたいと願う独占欲も、護りたいと思う愛さえも……。 思い出してみれば本当に簡単なことだったんですが。これでようやく合点がいきました。私もまだまだミラージュ修行が足りませんな! 5.5巻を読むと何故だか安心するのは、やはり、直江が直江らしくなるから、というのもありますが、景虎様の姿がだんだんと明らかになっていくからでしょう。 5巻までは景虎様は被害者としてして書かれていない。けれど5.5巻から直江が記憶の封印を解いたせいで、景虎様の真の意図が浮き彫りにされていく。 直江の勝手な言い分に聞こえる景虎様を責めるような台詞が、(たとえば『景虎は自分を縛りつけるために、自分に罪を犯させたのかもしれない』とか)実は景虎様の真の姿であって、そうだという事実を再確認できるから安心するんです。 なぜなら真の意図こそが「直江を愛するがゆえ」という景虎様の心理につながっていくから。 ようするに、私は早く景虎様が直江への愛を叫ぶシーンを読みたいんですよ! 5巻まででは、景虎様が直江を愛しているという事実がまったく読み取れないからっ。不安になるんです。本当にあの人は直江のことを愛してくれていたんだろうか?私の勝手な思い込みなのかって……。 これまでの感想の中で、何度も「景虎様は直江を愛しているんだ。誰よりも」としつこいほど語っているのは、その不安を言葉にして吐き出すことにより払拭しようとするためなんですね。 ……なので完全に私の不安が解消されるまで、私は何度でも語りつくすでしょう。 直江が景虎様を愛していることに関しては、何も不安ににならないんだけどなぁ……? そうそう、この巻は初めて直江が、「あなたを愛している……」と、『愛している』という言葉を発する巻なんですね!いや、実際には心の声なのだけど。 なのでカウントには入りません。ちゃんと相手に向けて言わなきゃいけないんです。 直江が初めて高耶さんに向けて「愛している」というシーン、どこだか分かりますか〜? そう、あの場面ですよ。でもあのシーンはあまり好きじゃないんですよね……。その場面が来たらまた語りましょう。 ところでこの二人はが相手に愛を告げる時、必ず「愛してる」という言葉なんですね。「好き」じゃない。二人のあの苦しい愛は、「好き」って言葉より「愛している」の方が適切な感じがしますもの。 でもたった一回だけ、「好き」と告げるシーンもあります。 滅多に使わないから、特別な感じがしました。このシーンは大好きなんです。台詞も完全に復唱できるほど! さあああ……いよいよ磯部の土手のシーンです。私、この場面なんとなく夕方のようなイメージがあったのですが、(土手と言えば夕方という固定観念があったらしい)実際には深夜1〜2時頃なんですよね。夜闇の中、外灯の白い光に照らされながら、名場面は繰り広げられたのですね。 成政の回想シーンや、早百合に向ける言葉もとても切ないですね。なんだか彼の気持ちも分かるような気がする……。(あ、でもこのあんこうの吊るし斬りの伝説は虚構だったという話を以前聞きました) 成政が死んだ後、「おまえは、……こんなふうになるなよ」「おまえは……オレを守って真っ先に、こう、なりそうだから……」という台詞がつらいです。奇しくもその半年後にそれが実現してしまうんですから。 そうしていよいよ二人のファーストキスです。一度は手を放して、もう一度突発的に、衝動的に唇を寄せてしまう直江。 セカンドキスは、ホテルに戻って。涙をボロボロと流す高耶さんに、愛しさが鬩ぎ溢れてこらえることが出来なかった直江。 この時の直江にはきっと、憎しみとか征服欲とか、そんなものは無かったんじゃないかと思う。 ただ純粋に愛しいと思う気持ちにそって、こらえきれずに落とした口づけなのだから。 直江はもっと、この純粋な想いを大切にするべきなんだ。もっと認めるべきなんだ。 ……景虎様が、表面では直江の愛を否定しながら、その実心の中では、直江の愛を誰よりも認めていたように。 もっと二人が素直な心で接し合えば、これほどの苦しみを伴うことなどなかったろうに。 でも、そう簡単にできなかったからこそ、はぐくみ続けられた永遠の愛なんだろうなぁ……。 ここは直江が初めて涙を流したシーンでもあります。この巻で直江は何度も泣きかけていますが。直江って、高耶さんの前ではけっこうよく泣いているんですよね。カウントしていてしみじみ思いました。 直江の独白は本当に切なくて、自虐的で、苦しくて、「大丈夫、信じていれば大丈夫!」と励まさずにはいられなくなります。 この後も覇者、みなぎわ、わだつみとつらい日々が続くけれど……負けないで頑張ってね。 そしてその苦しみを乗り越えれば、今度は高耶さんの壮烈な苦しみが待ち受けているのだな……。 さあ、次回は北条編!ここからもミラージュ屈指の名シーンが惜しげも無く頻発していきます。 特にあの芦ノ湖のシーンなどは……くううううっ。 ああ、ミラージュ大好きだああああ!!!! |