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3巻は直江と高耶さんが離れ離れの話なので、淋しさを感じずにはいられない巻です。(←毎回そんなこと言ってんね、私(笑)) しかし、同じ離れ離れでも21〜23巻はその類の淋しさを感じないのは何故? それは多分、離れていても高耶さんも直江もお互いのことばっか考えて考えて考えて挙句の果てに高耶さんなんて一人で××しちゃうぐらい二人がラブラブだからなのだ(笑)。 ……いえ、本当は凄く淋しいですけどね。やっぱり、どんなに二人が遠くにいる相手を想っていても、二人一緒にラブラブしている姿を見る幸福には勝てませんものぉ♥ ……話を戻しましょう。3巻は高耶さんと母親・佐和子をベースに話が進んでいきます。 でも、私はどうもこの母親が好きになれません。そりゃ、辛かったのは分かるけど、どうして出て行く時に高耶さんと美弥ちゃんを連れて行かなかったのか。そこが理解できない。そんなのやっぱり捨てたのと同じじゃないかと思ってしまう。 そりゃあ、私は出産も子育てもしたことがないから、母親の心境なんて全然分からないのだけれど……。分かるようになればもうすこしこの人の心境が理解できるのでしょうか?理解できたって、高耶さんの中学時代を思うと可哀そうで、やっぱり好きになれないのでしょうけど。 そしてこの巻は直江と景虎様の間に起きた30年前の事件の真相が明かされる巻でもあります。 私、この数年ミラージュを全然読み返してなかったので(何故なら最終巻発売前に読み返す時、なるべく忘れた状態で読んで感動を深めたかったから)記憶がいまいち不鮮明で、30年前の事件を未だに全部上手く咀嚼しきれていません。 景虎様にとって美奈子という女性がどんな存在だったかがよく分からない。単純に解釈すると美奈子は愛する女性で、恋人ということになります。でも後続巻を読むにおそらくそうではないでしょう。 景虎様が心底愛する人間は直江です。直江が唯一無二の存在なのです。これは疑いようも無いことだと思います。だから美奈子に向けた愛≠ェどのような種類のものだったのか、それが問題。 愛にも肉親に向けるような愛と、恋人に向けるような愛と、色んな形がある。けれど直江に向ける景虎様の想いが恋人に向けるそれかというと、少し違う。そんなものを超越した、言葉では言い表せない激しい感情……それが直江を想う景虎様の気持ちだと思うのです。 高耶さんは後に、「四百年間、ずっとこの男に囚われ続けてた」と語っています。だから30年前の時点で景虎様が直江を激愛していたことは確実で、美奈子を愛したのは、直江への愛が冷めたから……なんてことはあり得ないでしょう。このことから、直江へ向ける愛と美奈子へのそれとは確固たる相違があるのは間違いない。2巻でも語ったことですが、景虎様は性を伴う愛をあまり受け入れていないようなので、美奈子との関係に性的干渉はなかったように思えます。そうでないと直江への感情に説明がつかないと思うのです。つまり景虎様の美奈子への思いは、いわゆる恋愛とはまた別のものだったのだと思うんですね……。(願望もありますが) 美奈子もまた、景虎様の思いの性質を知っていたのでしょう。そうでなければ直江に犯された後に呟いたあの台詞、あの20巻に初めて明かされた台詞は、絶対出てくるものじゃない。 景虎様が真に欲する存在は、直江信綱ただ一人と、そうであると知っていたからこそ直江に対しああ言えたのではないでしょうか。そして二人の苦しみを知っていたからこそ……。 そして景虎様は、美奈子が直江に犯されたと知ったとき、直江の行為を激怒するというよりは「この男はもうオレから逃れられない」と悟り、昏く喜んだと言います。自分はこうなることを知っていたのだと。潜在意識の奥深くでこうなるようにコトを仕向けていたのだと。 そうして己が美奈子の身体に換生させられた時、叫んだ言葉、「おまえだけは永久に許さない!」は、直江が思うような額面どおりの言葉ではなく、直江を自分から永久に離れられなくするための、景虎様が巧妙に仕組んだとどめの一撃だったのではないかと思うのです。 ……いや、直江は知っていたのかもしれない。けれど景虎様は決して表面に出さない。だからこそ、直江は30年間ずっと悩み続けてきたのかもしれない。直江は景虎様が自分を愛していたことを知っていたと言うけれど、絶対にそうであるという確固たる自信は持てずにいたのだと思う。だからこそ出た、景虎が誰よりも愛した女≠ニいう表現なのだと思う。……実際に景虎様が誰よりも愛したのは、直江なのだから。(これは願望でも何でもなく、間違いない事実ですよねっ) 晴家はきっと、この景虎様と直江と美奈子の関係をあまり把握してはいなかったのでしょう。あえて深入りしないようにしていたのかもしれないし。だから3巻冒頭での30年前の事件の説明に、齟齬感がある。 ただ言えることは、肉親への愛と伴侶への愛が比べられないのと同じように、景虎様にとっての直江と美奈子も、そういったものだったのだと思う。景虎様の直江への思いは次元の違う空間の物で、他のなにものとも比べられないからこそ、なにものにも代えられない存在なのです。 ……それにしてもこう考えてみると、景虎様って、凄まじく酷い人ですよね。(本当にどこが完璧なんだ?)直江に自分の本心は決して見せないで、ひたすら直江を追いつめ離れられないように仕向ける。直江は推し量るしかない。けれど確実に言えることは、直江が思っているよりも景虎様はずっと、直江のことを愛しているんだってこと。 ……ふぅ、美奈子の一件はこれにて一旦終了。これからも少しずつ語るかもしれませんが。 やはり美奈子のコトは直江ファンとして語らずにはいられないのです。3巻のあたりの記述だと、事件の真相があまり語られていないものだから、直江をどうしても弁護したくなるんですね。 景虎様にとって「一番大切な人」は直江なんだよ〜!っと、自分に言い聞かせたくなるんです。でないとなんだか不安で……。この辺りを読んでいると、とてもそうは思えないんですもの……(>_<)。 まあ、11巻あたりでそんな不安は一瞬で解消されるんですけど。ふふっ。 3巻では高耶さんが、上杉景虎である自分と仰木高耶である自分の違いに本格的に悩み始めます。 景虎という人物を、自分とはまったく違う人間だと思いこんでいる。そうして直江が自分を守ってくれるのは、自分が景虎だからであり、高耶本人を守っているのではないのだと、悲しむのです。 実際は全然そんなことないのに。上杉景虎は仰木高耶であるのは間違いないけれど、忘れているのは、仰木高耶もまた上杉景虎であるということ。 高耶さんと景虎様との違いは、時代背景による言葉遣いの変化と、生きてきた年数の重みです。 根本的な性格は、本当にそのままだと思うのです。綾子ねーさんも、高耶さんは以前の景虎様と全然違うと言っていますが、悩んでいる時の表情が同じだというのです。つまりそれは内面的なものが同じだということ。全然違うように感じるのは、「年齢差」が原因でしょう。高耶さんはまだ16歳の子供なのだから。400年の時を生きてきた前生の景虎様と立ち振る舞いが違うのは当たり前で、でも、心の中のものは多分少しも変わっていないのでしょう。 だって、この頃の高耶さんも、邂逅編の景虎様も、本当に同じなのだもの。間違いなくこの二人は同一人物だと思えるぐらい。 そして直江は2巻で、「今の景虎様のほうが、ずっとあの方らしいような気がする」「最初の姿に戻ったということさ」と言っているのです。 私はこの台詞をずっと、「そうかなぁ」と疑問に思っていましたが、邂逅編を読んで初めて納得できました。邂逅編の景虎様は、今まで私が抱いていた景虎像を粉々に打ち砕いてくれたほどに、青臭く、わがままで、そして弱い人でした。仰木高耶そのままだったんです。 彼はまだ二十数年しか生きていない若者で、だから、今の高耶さんと一番近いものがある。直江はあの頃の彼を、ちゃんと覚えていたんですね。400年を経てもなお。直江は景虎様の本質を見抜いていたからこそ、高耶さんの中に、まぎれもない景虎様を見たんです。 だからこそ、直江は高耶さんが景虎様の身代わりであるとか、そういう感情はまったく持っていないと思う。彼が仰木高耶であるか、上杉景虎であるかなんて、関係ないのだから。いま目の前にいるその人自身を愛しているのだから。 だから高耶さんの不安と憤りは、まったくの杞憂なのだけど……。ま、その辺はまたおいおい語っていきます。 随分今回は真剣に語りました。次回は反動のようにアホトークで行きたいと思います。 最後に言うなら、どうして高坂は175センチ54キロ(確かそうだったよな……)の身体で178センチ62キロの高耶さんを運べたのかとか。いやむしろお姫様だっこじゃねーだろなーとか。 最初に読んだ時、どうして譲がエイズになるんだ?と疑問に思ったりとか(笑)。母に聞いても教えてくれないし……。いや、今ではちゃんとわかりましたよ……オホホ。 さーて、4巻を読まなきゃ〜♪ |
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第3巻チェックポイント♪ ・高耶さんの家は元々一戸建てだった ・高耶さんの目は切れ長の奥二重 ・高耶さんはバレンタインにたくさんチョコをもらうらしい…… ・千秋の車はレパード ・3巻の経過はおよそ7日間 ・泣いた回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …0回 計0回 ・相手を抱きしめた回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …0回 計0回 ・自分からキスした回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …0回 計0回 ・愛してると相手に言った回数 高耶さん…0回 計0回 直江 …0回 計0回 |
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