明治22年、お吉が49歳の時、酒に溺れた彼女には「きすぐれ」のあだ名が付けられていた。 酒びたりの生活がたたり、右半身不随となる。お吉はその身体を癒す為、近くの温泉に毎日の ように通った。しかし、一時的に快方に向かったものの、心も身体もズタズタの状態になったの であった。