お吉は次第に落ちぶれ、小さなわら小屋に住むようになる。哀れなお吉を気の毒に思った、 昔お吉に世話になったある男が、たまたま下田に来た時にお吉の哀れな姿に同情して米俵を 一俵提供した。ところが人間としてのお吉のプライドが許さず、 「馬鹿にするな!」 とその米を自ら投げ棄ててしまったのだった。