お吉は、ハリスの愛を一身に浴びるが心の中のわだかまりが消えず、 その寂しさは一羽の小鳥に慰められた。お吉がハリスに仕えたのは一年 足らずと言われ、暇を出された後は、下田を出て、横浜にいる鶴松を尋ねた。 文久4年、21歳の時だった。