現在、青空園芸では農薬を極力使用しないお茶の栽培を行っております。お茶の栽培に農薬を散布せずに収穫する事は茶業界では現在でも大変難しい事です。なぜなら、通常の茶防除基準では年間を通じ約二十数数種もの病害虫に対し、農薬を十数回、(全ての農薬を散布するのではなく、害虫の発生により)散布する事となります。それも収穫直前、30日前から短い物で7日前!場合によっては、収穫前日に散布される農薬も(もちろん残留性が残らないよう農水省承認済)あるのですから、いかにお茶が虫にとって美味しく、新芽が出たらすぐに食べられてしまうかが分かります。
それにしても、体内に残留が残らず安全が確認されているとはいえ、散布する方はたまりません。防毒マスクに長袖シャツを着た装備とはいえ、消毒を直接浴びるのですから。農薬散布当夜はじんましんができたり、胃腸の調子が悪くなったりと、年間を通じ、幾度となく自己の体調不良に悩まされてきました。
そこでまず、農薬よりも毒素の強い除草剤(草を枯らす薬)の使用を取り止めにする事から始まり、現在では、殺虫剤完全無使用の特別栽培茶として収穫できるようになりました。(※農薬の中でもとりわけ「殺虫剤…茶葉に付く昆虫等を駆除する」と「殺菌剤…茶葉に発生する病原菌を駆除」に分かれます。)
当園の栽培環境です。手間をかけてこだわりぬいたお茶をご堪能下さい!
(農薬を散布している茶園には見られない昆虫がおり、生態系を崩さず共存しています。)
しかしながら、お茶に農薬を散布せず栽培を行おうとした場合、害虫(ここでは茶葉を食べる虫の事)被害はさけられません。そこで、害虫を駆除してくれる虫(てんとう虫・蜘蛛など)が積極的に集まる環境を作りました。しかし、害虫の産卵メカニズムはすごいです。今度は、てんとう虫や蜘蛛よりも早く産卵を行い大量発生し、生産者を悩ませました。
またある時は、お茶の病気に悩まされました。人間にも病原ウイルスがあるように、お茶も病気にかかってしまうのです。農薬(風邪薬も農薬の一種)を散布すればよいのですが、人間に害のにない少量だからといっても、遺伝子レベルではわかりません。環境ホルモンとよばれ、子ども、孫の代まで影響が無いとは言い切れません。ましてや、お茶は日本人には欠かせない毎日飲むものだからです。農薬は自然界に存在しない人間が作った物であるからこそ極力使用したくはありません。
このような悩みを解決してゆくうちに茶葉自体が健康になってゆきました。そんな元気な茶葉を飲むのですから悪いわけがありません。しかしお茶が強くなる=害虫・病気にかかりにくい、と言う事はお茶が抵抗力を持ったと言う事です。抵抗力を持ったお茶は苦みが増し、害虫でさえ食べたくない美味しくないお茶に変わってしまうのです。青汁も健康に良いけど”美味しくないい”というのは皆さんもご承知の通りです。
一般の”無農薬茶”は消費者にとって”安心・安全”だけれど”美味しくない”というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。『富士のやぶきた あと恋茶』はそんなイメージを覆す、安心で安全、なおかつ安くて美味しいと購入のお客様よりお褒めの言葉を多く頂いております。
一口に無農薬をお茶を作るといっても、それには大変な労力と工夫が必要であり、農業技術であります。ノウハウがなければ、農薬をただ散布せずに収穫する事は不可能です。その環境を作り出す事に青空園芸では二十五年の歳月をかけ、そして今現在も「おいしくて、安全、安心なお茶」を収穫する事に日夜研究を重ね情熱を注いでおります。
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