ドライブは誰といっしょに(^◇^) 第十二話(2)

車を、少し離れた駐車場に置いてくると、
良太はルンルン気分で家まで歩いてきたのでした。

玄関を開けると大きな声で、
「ただいまー!!」
と良太が言ったのです。すると大きな声で、
「おかえりー!!」
と母の玲子(れいこ)が言ったのでした。

良太は玄関を上がるとすぐに洗面所にいったのです。
手を洗い顔を洗い、うがいを済ませると、
いつもどおりに、台所のテーブルの自分の席に、
イスを引くと座ったのでした。

「りょうたあー!?」
「座ってすぐで悪いんだけど!?」
「お父さんに夕飯できたって言ってきてくれるー!??」
と玲子が言うと、
「わかったあー!」
と言って良太は、
居間でテレビを見ている、父の玄太(げんた)のところに行ったのでした。

居間のドアを開け、
「おやじー!?」
「夕飯できたよー!」
と良太が言うと、
「もうすぐ7時になるなあー!?」
「もっと早く帰ってきたら!?」
「良太に頼みたかったんだけどなあー!??」
と玄太が言ったのです。

「なんだよー!?頼みってえー!??」
と良太が言うと、
「きょうは木曜日だから!?」
「ロトだってさあー!?」
「でも!もう遅い!!」
と玄太が言ったのでした。

「珍しいじゃんかー!」
「競馬じゃないのかよー!?」
と良太が言うと、
「競馬当たらないしなあー!?」
「ロト当たると、でかいらしいし!」
と玄太は言うと、テレビとコタツのスイッチを切ったのです。

立ち上がった玄太は、
「さーて!飯でも食うかあー!?」
と言うと、居間の明かりを消したのでした。

台所へ玄太より先に戻っていた良太は、
イスに座ってロト6の抽選券を持って、
ニコニコしながら眺(なが)めていたのです。
じきに玄太が台所の食堂に入って来たのでした。

「同じ現場にいる左官屋が言ってたんだけどー!?」
「お前の通勤の道にある宝ぐじ売り場で!」
「去年、2等当てた人間がいたんだってなあー!??」
と玄太がイスを引き、座りながら言ったのです。すると、
「うん。先輩がそう言ってたよー!」
「だから買ってみたんだけどさあー!?」
「当たるといいけどなあー!?」
と良太が、うれしそうに言ったのでした。

「ふたりとも!」
「早く食べなよー!?」
と玲子が言うと、
「わかってるよー!」
「だけどきょうも鍋かー!??」
と玄太が言ったのです。

「鍋じゃあー!?酒にするかなー!??」
と玄太が言うと、
「ビールもう飲んだんだからさあー!?」
「ご飯食べてよー!」
「余ちゃうんだからあー!?」
と玲子が言ったのです。

「わかったよっ!」
と玄太は少し不満そうに答えると、
「良太!何番を買ってきたんだあー!??」
「当たりそうかあー!??」
と良太に向かって言ったのでした。

「いろいろ先輩たちが教えてくれたんだけどー!?」
「最終的には、勘だって言ってたあー!?」
「俺が買ったのはこれだよー!?」
そう言うと良太は、玄太に抽選券を渡したのです。

「これかあー!?」
「ロト6の馬券は?」
と玄太が思わず言うと、
「馬券だってさあー!?」
「バッカじゃない!!」
と玲子が、鶏肉と白菜をよそりながら言ったのでした。

「そういうところはしっかり聞いてんだから!?」
「うるせいなあー!??」
と苦笑いをしながら玄太が言うと、
「親父は馬券しか買ったことないから!?」
「つい馬券って言っちゃったんだろうけどねっ!」
「でも!ほんとにバッカじゃない!!?」
と良太も笑いながら言ったのでした。

「アッ!」
「いっけねえー!??」
「抽選の中継があるんだよー!」
と言って良太が立ち上がると、
「ご飯先に食べなよー!!?」
と玲子が言ったのです。すると、
「とにかく見てくるよー!!?」
と良太は、玄太から抽選券を受け取り答えると、
急いで階段を駆け上がって、自分の部屋に行ったのでした。






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