2023.8.13.
長野県下伊那郡阿南町和合で行われる「和合の念佛踊」を観るために阿南町に向かう。踊りは夜行なわれるので、その前に付近の巨木を訪ねた。阿南町新野寺山に向かう。国道151号が走る谷沿いの縁にある瑞光庵址にイチョウの木が立っている。曹洞宗瑞光院から500m程離れている。案内板によると、室町時代末期、伊勢平氏の流れをくむ関氏が新野に土着し領主になった。2代盛国が父の菩提を弔うため、瑞光庵を建てた。この瑞光庵が瑞光院の前身である。イチョウは、瑞光庵創建当時植えられたと伝わる。雌株で多数の気根をつけている。葉は小さいが、銀杏をたくさんつけていた。
傍の東屋で、お年寄りが数人談笑していた。
瑞光庵址のイチョウ
大鹿村鹿塩西に向かう。大鹿村役場から国道152号を2㎞ほど北上し、左手の細い坂を上るとシラカシの大木が立っている。案内板によると、伊那郡代菅沼定利が徳川家康の関東移封に伴って、上野国吉井に赴く前、この地を訪れて植えたのがこの樫の木であると伝えられている。道路側の枝は切断され、裏側にまわると、空洞があり、細い根が土にむかって伸びていた。
大鹿村鹿塩北川に向かう。大鹿村中心部から国道152号を分杭峠に向かって走ると、左側に案内表示が出ている。サワラは鹿塩川の対岸にあるが、歩道橋もあり、木の傍まで行くことが出来る。案内板によると、矢立木の由来は、武田・徳川両氏に仕えた遠山氏が参勤の途上、この木に矢を立てて、武運を祈り、吉凶を占った。両脇の細い幹は枯れ、枝が突き刺さったようになっている。これが「矢立木」の由来ではないか?サワラはヒノキに似た常緑針葉樹。葉の先はとんがっているのがサワラ、丸みのあるのがヒノキ。サワラはヒノキのような香りがない。
下條村陽皐(ひさわ)鎮西に向かう。ナビで行くと、龍嶽寺に出ていしまい、その奥に大山田神社がある。正面の参道はその下の道にあったらしい。スギの林立する「大山田神社の社叢」は長野県自然100選」に選定されている。大杉は社殿前の広場に立っている。背の高い杉で主幹が真っすぐに伸びている。
樹高 47m
目通り幹囲 7.5m
樹齢 推定1200年
阿南町指定天然記念物
阿南町西條早稲田に向かう。阿南町役場から南西に500mの位置に早稲田神社がある。大杉は社殿のすぐ左側の石垣の上に立っている。早稲田神社創建時に植えられたと伝わるが、もっと若いのではないかと思われる。この神社では「早稲田人形芝居」が8月の第4日曜日に開催される。
鹿塩西の樫の木
アカマツ
樹高 15m
目通り幹囲 4.6m
樹齢 伝承550年
大鹿村指定天然記念物
下伊那郡大鹿村鹿塩河合に向かう。大鹿村役場に寄り、地図をもらい、今から行くところの場所を教えてもらう。夜泣きマツは斜面の上から河合集落を見下ろすような地に立っている。ワイアーで支え、つっかえ棒で倒壊を防いでいる状況である。集落の道路から急な斜面を上ると、松が立ち、小さなお堂がある。案内板によると、宗良親王の娘が、夜泣きをするので困っていたところ、観音の霊夢により、この松の小枝を枕辺に置いたところ、夜泣きが収まったという。宗良親王は14世紀後半、南町のために奔走した人物である。
新野の宿に向かい、夕食をとった後、「和合の念佛踊り」が行われる和合の熊野神社に向かう。
樹高 20m
目通り幹囲 6m
樹齢 500年
阿南町指定天然記念物
2023.8.14
矢立木のサワラ
目通り幹囲 5.5m
樹齢 不明
樹高 35m
目通り幹囲 5.9m
樹齢 推定 400年
大鹿村指定天然記念物
樹高 26m
目通り幹囲 6.1m
樹齢 伝承440年
大鹿村指定天然記念物
夜泣きマツ
樹高 45m
目通り周囲 7.1m
樹齢 800年
下條村指定天然記念物
大山田神社の大杉
雲雀沢のケヤキ
早稲田神社の大杉
阿南町富草雲雀沢に向かう。国道151号を進み、左手に「黒スイカ」の看板がある。右手の道路下の廃屋の脇にケヤキが立っている。環境省巨木データベースから漏れてしまった大ケヤキである。