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sold out J-3 月山 550円  
森敦作
河出書房新社 1974年初版 定価780円(当時)
状態 B
sold out J-6 ちくま文学の森1 美しい恋の物語 800円 
安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀編
筑摩書房 1990年第15刷 定価1545円
状態 B / オビ破れ
sold out J-7 ちくま文学の森3 幼かりし日々 800円 
安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀編
筑摩書房 1988年第1刷 定価1500円
状態 B / オビ破れ
sold out J-8 [光る話]の花束3 せつない話 500円 
山田詠美編
光文社 1989年第6刷 定価1300円
状態 B / 表紙上汚れ少
sold out J-11 月の砂漠をさばさばと 450円 
北村薫著
新潮社 1999年5刷 定価1400円
状態 B+ / 表紙やけ少
小学三年生のさきちゃんのお母さんは、お話を作る仕事をしています。
なにげない、けれどかけがえのない二人の毎日は、くすっと笑える愉快な会話でいっぱい。
「ダオベロマン」なんて、思い出しただけでも、むずむずしてくるようなおかしさです。
こんな風におおらかに、子供と歩いていきたいな、と思える本。
sold out J-12 赤頭巾ちゃん気をつけて 400円 
庄司薫作
中央公論社 1969年6版 定価360円(当時)
状態 C / オビ付 ビニールカバー
sold out J-13 きみが住む星 600円
池澤夏樹
文化出版局 1992年第1刷 定価1000円
状態 B / 表紙内側にオビ挟み込み 中は美本
sold out J-13 きみが住む星 650円 再入荷
池澤夏樹 作 エルンスト・ハース 写真 若山嘉代子 ブックデザイン
文化出版局 1992年第1刷 定価1050円
状態 B / オビ付 中は美本

『最後に空港できみの手を握って、抱き合って、別れた後、
 飛行機に乗った時、離陸して高く高く上がり、
 群青の成層圏の空を見た時、ぼくはこの星が好きだと思った。 
 それから、どうしてそんな気持ちになったのか、ゆっくりと考えてみた。(中略)
 そうして、ここがきみが住む星だから、それで好きなんだって気がついた。
 他の星にはきみがいない。』(『最初の手紙』)
旅に出た「ぼく」が、「ぼく」を待つ「きみ」に宛てた23の手紙。
エルンスト・ハースの美しい写真をベースに、
少し不思議なエピソードを重ねながら、「きみ」を思う「ぼく」の心のさざなみを、
静かに綴っています。
大好きな人にこんな手紙をもらえたら、そして大好きな人にこんな手紙が書けたらいいですね。

sold out J-14 博士の愛した数式 800円
小川洋子
新潮社 2004年38刷 定価1500円
状態 A / オビ付
sold out J-14 博士の愛した数式 800円 再入荷
小川洋子
新潮社 2005年53刷 定価1545円
状態 B / 小口汚れ少 中は美本
17年前の事故が元で、80分の記憶しか維持できない数学の元大学教授。
彼の元に派遣された家政婦の女性とのコミュニケーションは、
数にまつわることのみ。
けれども、彼女の10歳になる息子の出現で、
いつしかそれは、思いやりといたわりにあふれたものに変わって…。
頭のてっぺんがルート記号のように平らな彼女の息子を「ルート」と呼び、
友愛数のすばらしさを語り、江夏豊のファンである「博士」と、
主人公親子との交流を静かに綴る作品です。
「おお、なかなかこれは、かしこい心が詰まっていそうだ」という博士の言葉が、
心に響きがます。

sold out J-15 もぞもぞしてよゴリラ 500円
佐野洋子 
白泉社 1988年初版 定価980円
状態 C
sold out
J-19 薔薇くい姫 枯葉の寝床 500円 文庫
森茉莉作
講談社文芸文庫 1996年第1刷 定価940円
状態 B / 表紙カバー汚れ 中は美本
森茉莉の「父の帽子」はこちら 
sold out J-20 贅沢貧乏 500円 文庫
森茉莉著
講談社文芸文庫 1994年第6刷 定価980円
状態 B / 中は美本
sold out J-21 入場料四四〇円ドリンクつき 250円 文庫
谷川俊太郎 佐野洋子
集英社文庫 1995年第1刷 定価440円
状態 B
 
sold out J-24 夢について 600円
吉本ばなな 原マスミ 絵
幻冬舎 1994年第1刷 定価1300円
状態 B / 裏表紙カバーやけ 中シールあと有 中は美本                  
sold out J-25 ぼくが猫語を話せるわけ 400円
庄司薫
中央公論社 1978年3版 定価820円(当時)
状態 B / ビニールカバー・オビ付
sold out J-27 嘘ばっか 新訳世界おとぎ話 200円 文庫
佐野洋子 
講談社文庫 1998年第1刷 定価420円
状態 B / 表紙よれ少 中は美本
sold out J-28 蛇を踏む 200円 文庫
川上弘美作
文春文庫 1999年第2刷 定価410円
状態 A
sold out J-30 新潮日本文学55 庄野潤三集 700円
新潮社 1972年 定価550円(当時)
状態  B / 函入
浮き燈台・愛撫・舞踏・プールサイド小景・机・相客・蟹・静物・二つの家族・道・
雷鳴・冬枯・秋風と二人の男・星空と三人の兄弟
ku:nelがきっかけで、穏やかな日々のできごとが綴られた、
一連の作品を愛読する方が増えているとか。
この本では、初期の作品、芥川賞受賞作『プールサイド小景』、長編『浮き燈台』、
壮年期の作品群がおさめられています。
これから秋にかけてじっくり読んでみたい、小説らしい小説です。
sold out J-31 麦ふみクーツェ 900円
いしいしんじ
理論社 2002年初版 定価1890円
状態 B / 裏表紙汚れ少 中は美本
sold out J-34 江國香織ヴァラエティ 500円
新潮社 2002年 定価945円
状態 B
sold out J-35 猫に時間の流れる 700円
保坂和志
新潮社 1994年 定価1400円
状態 B / 中は美本
sold out J-36 Bolero 世界で一番幸せな屋上 
    クラフトエヴィング商會プレゼンツ 900円

吉田音 坂本真典 写真
筑摩書房 2000年初版第1刷 定価1800円
状態 B / オビ付 オビ・裏表紙汚れ少 中は美本
sold out J-36 ミルリトン探偵局シリーズ・2 Bolero 
    世界でいちばん幸せな屋上 1000円 
再入荷
吉田音 著 坂本真典 写真
筑摩書房 2002年初版第2刷 定価1890円
状態 B / 表紙上・角よれ、ゆがみ有 中は美本
ある春の昼下がり、アップルパイとシナモンの香りで始まるこの物語は、
黒い子猫が起こしたちょっとした騒動をきっかけに、
時間や空間を行きかう、不思議で、心温まる緩やかなつながりを
生み出していきます。
ありそうなお話の中に、少しだけ仕組まれた楽しい嘘と、
どこかとぼけておっとりとした、品の良い登場人物たちがかもし出す温もり。
音楽と本と、そしておいしいお菓子が好きなら、
ぜひご一読をお勧めします。
坂本真典さんの雰囲気のある写真も楽しめる1冊。
物語に登場するミニFM局のプログラム『ルーフトップ・パラダイス』の、
「紙上特別放送」4Pブックレット付。

sold out J-37 花のレクイエム 1200円
辻邦生 著 山本容子 銅版画
新潮社 1996年 定価1800円
状態 B+ / 函入 オビ付
sold out J-37 花のレクイエム 1200円 再入荷
辻邦生 著 山本容子 銅版画
新潮社 1995年5刷 定価1500円(当時)
状態 B+

城下町の、赤い山茶花の咲く家に住む、美しい年上のひとの思い出(「山茶花」)、
亡くなった叔母がひっそりと守った、若き日の恋(「アネモネ」)、
「プラハの春」動乱で難民となった少女に、勇気と希望を与えた母の言葉(「ライラック」)、
霧深い断崖にたたずみ、海に向かって百合の花束を投げる女(「百合」)…。
12の月の花にまつわる短い物語が、辻邦生さんの美しい文章で紡ぎだされています。
「二人が作品について前以って相談することは一切しなかった」(あとがきより)にもかかわらず、
山本容子さんの銅版画は、独自の世界を保ちつつ、
短編との見事なハーモニーを奏でています。
sold out J-38 真昼のプリニウス 500円
池澤夏樹 
中央公論社 1989年再版 定価1100円(当時)
状態 B / オビ付汚れ有 表紙カバー見開き汚れ有 中は美本
「空は青く深くて、そのために少し暗いようにさえ見えた。あたりは風の音ばかりで、
静まりかえっていた。山は頼子に対して、すべての人間に対して、完全に無関心だった。
わたしはここまで来た。この山に、この身に、この心に、なにが起こるかを見に来た。
その瞬間のこの場に立ち会うために来た。そして、その時間はゆっくりと近づいている。
時は満ちようとしている。」
古代ローマの博物学者プリニウスのように、ただの情報の寄せ集めではない
「事実そのもの」を見極めようとする、美しい女性火山学者。
自らの意志にそって世界と向き合う一人の女性の物語。
sold out J-39 ちくま日本文学全集 幸田文 文庫 650円
筑摩書房 1998年第3刷 定価1020円
状態 B / 表紙カバーよれ有 中は美本

「勲章」「姦声」「髪」「段」「雛」「笛」「鳩」「黒い裾」「蜜柑の花まで」「浅間山からの手紙」
「結婚雑談」「長い時のあと」「みそっかす」「対談 樹木と語る楽しさ」(山中寅文)を収録。
sold out J-40 新・ちくま文学の森 11 ごちそう帳 1100円
鶴見俊輔・安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀 編
筑摩書房 1995年第1刷 定価1800円(当時)
状態 B / 中1ページ折れ有
       幸田文、森茉莉、武田百合子、矢田津世子、ロアルド・ダール
       池波正太郎、深沢七郎、小島政次郎、子母沢寛 他

「ひょっとしたらあのとき、枇杷を食べていたのだけれど、
あの人の指と手も食べてしまったのかな。―そんな気がしています。
夫が二個食べ終わるまでの間に、私は八個食べたのをおぼえています。」(武田百合子『枇杷』)

「グツグツ煮えはじめた頃合いを見はからって土鍋の真ん中へ梅干を落として、
あとはとろ火で気長に煮あげる。粥は梅干の親身を吸い出し梅干は程よい味にふっくらと肉づいて、
なんともいいようなく旨い。サラッとした口あたりが殊によい。梅干は古いほどよかった。
良人の役所の小使が宝のようにしていたという明治二十六年漬の梅干を
拝むように頼んで分けてもらったのが今でも大事に納ってある。
いつだったか近所に火事があったとき、
良人がこの梅干の小壺を抱えてうろうろしていた恰好があとあとまで笑い種になった。」
(矢田津世子『茶粥の記』)

この他に、ある晩餐の席での、主人と美食家との危険な賭け(ロアルド・ダール『味』)、
根っからの「精神の貴族」のビスケット談義(森茉莉『ビスケット』)、
女一人で家族を支えた母の好きだったもの(池波正太郎『母の好物』)など、古今東西の
食べ物にまつわる話を集めた一冊。
sold out J−41 貝がらと海の音 900円
庄野潤三
新潮社 1996年2刷 定価1800円(当時)
状態 B / 表紙カバー上よれ少 中は美本
山の上の家に住む老夫婦とその子どもたち、孫たち、友人や近隣の人々との、
あたたかく緩やかな交流。
「英二伯父ちゃんの薔薇」が咲いた、オランダ産のアプリコットのジャムがおいしかった、
孫のフーちゃんから手紙をもらった、玄関の石段の両側にすみれを植えた、
妻のピアノが上達した…。
そこには「ありがとう」「よかった」「うれしい」「よろこぶ」という言葉が満ちています。
なにげない日々の、寄せるさざなみのような小さな幸せ。それを幸せと感じる美しい心。
ほっと穏やかな気持ちになる作品です。

sold out J-43 ちくま文学の森 14 ことばの探偵 800円
筑摩書房 1988年第1刷 定価1500円(当時)
状態 B / 中は美本 現在絶版
       江戸川乱歩、花田清輝、寺田寅彦、伊丹万作、芥川龍之介、幸田露伴、
       チャペック、サーバー、チェスタトン 他
がまの油売りの口上や落語、漫才、芝居の台本から、
江戸川乱歩の『二銭銅貨』、芥川龍之介の『藪の中』など、
「ことば」をテーマにした作品を集めています。
sold out J-44 a piece of cake 850円
吉田浩美 著 坂本真典 写真
筑摩書房 2002年初版第1刷 定価1680円
状態 B / 裏表紙しみ少 中汚れ少

さまざまな書体の「A」と「a」だけを集めた本。
わずか8小節の楽譜を、1小節で1ページに仕立てた本。
本格フランス装で作った「ものすごく手のふるえるギャルソンのはなし」という本。
午前4時30分の東京を切り取った写真の本…。
「本は小さくてささやかなものだからいい。軽くて、かわいくて、ポケットに入る。
どこにでも持っていける。それが何より。」
クラフトエヴィング商會プレゼンツ、なさそうでありそうな、不思議な本カタログです。
sold out J-45 ちくま文学全集 永井荷風 500円 文庫
筑摩書房 1992年第1刷 定価1000円(当時)
状態 B / 表紙カバー上下よれ 中は美本
若き日の留学体験をもとに描かれた叙情的な作品『あめりか物語』『ふらんす物語』、
男女の何気ない会話の中に感じられる、そこはかとない色香と詩情が魅力的な『墨東綺譚』、
「裏町を行こう、横道を歩もう」と、江戸情緒の残る「東京市」中を歩いた『日和下駄』、
40数年続いた日記の一部を収録した『断腸亭日乗』など、荷風入門編にぴったりの一冊。
今はもう失われてしまった江戸の名残香を求めて、荷風先生と一緒に散歩してみませんか。
sold out J-46 センセイの鞄 750円
川上弘美
平凡社 2001年初版第5刷 定価1470円
状態 B / オビ付
駅前の一杯飲み屋で隣り合わせになった、
高校時代の国語の「センセイ」と生徒だった「ツキコ」さん。
肴の好みも、人との間の取り方も、どこか似通った2人は、
「歳は三十と少し離れているが、同じ歳の友人よりもいっそのこと近く感じるのである。」
そんな2人の、どこかおかしく、ほろ苦い四季折々のできごとを、静かに綴った物語。
歳を重ねても、恋というものの切なさやもどかしさは変わることがありません、ね。
sold out J-47 贅澤貧乏 900円
森茉莉 
新潮社 1995年5刷 定価1500円(当時)
状態 B / 函入 函傷み少 中よれ少
「お茉莉が一番かわいい」と言われて育った、森鴎外の愛娘、森茉莉。
その作者の分身、牟礼摩利(むれマリア)が語る鋭い美意識は、
時に常軌を逸していると受け取られることも。
上に「赤」の字がつくほどの貧乏でありながら、貧乏臭さを何より嫌う摩利は、
「摩利を取り囲むもろもろの物象の中に横たわり、朝の光、睡りを誘い出す午後の明るさ、
夜の灯火の、罪悪的な澱み、それぞれの中で、花と硝子と、菫を浮かべて白く光る陶器。
壁の、ボッチチェリ、ルッソオの画に目を止め、陶酔の時刻を送っているのだが、
もし摩利が陶酔しているのだということを人が知ったら、その人間は(何処が陶酔?)と失笑し、
而る後(しかるのち)おもむろに摩利の顔を見て、摩利の精神状態に懐疑を抱くに違いない。」
(「贅沢貧乏)と、冷静に自己分析もしています。
この、エッセイとも物語ともつかぬ、独特の美しい言葉に彩られた世界を、
ぜひ味わってみてください。
sold out J-48 夕映え少女 700円 文庫
川端康成
新風社文庫 2006年初版第1刷 定価1260円
状態 B / ハードカバー 表紙に小さな跡有 中は美本
愛する親友に自分の大事な恋人を譲り、結婚させるまでのいきさつが手紙形式で書かれた、
「今の世にもなおも変わらぬ若い娘心の不思議」を描いた『むすめごころ』。
ある大学の実験室で起こった爆発事故により、致命傷を負った博士。
その死を見つめる、軽症ですんだ美しい女助手の心のうちを写し出す『イタリアの歌』。
軍国主義に傾いていった時代、軍人の宴会を主とする割烹旅館につとめる半玉の、
切なさと可憐さを描く『童謡』。
他に、透視術の才を持ったがために招いた父の悲劇を、その美しい娘が語る『金塊』、
一連の「浅草もの」の一篇『浅草の姉妹』、表題作『夕映え少女』、
軽いスケッチ風の作品『正月三ヶ日』など、
いずれも女性の心の動きを細やかに見つめる作者の手腕が光る短編集。
なぜこれほど乙女の気持ちが分かるのか…文豪恐るべし、の1冊です。

sold out J-49 パレード 500円
川上弘美 文 吉富貴子 絵
平凡社 2002年初版第1刷 定価1000円
状態 B / 中は美本

「『ツキコさん、昔の話をしてください』 わたしのてのひらをぽんぽんと叩きながら、
センセイは言った。センセイの手が、温かい。誰かしらといつも手をつないでいたかった
幼いころの心もちを思い出した。」
梅雨の明けた暑い土曜日の昼、ふたりでそうめんの食べた後、
「わたし」が話し始めたのは、子どものころの、不思議な、そして少し苦い思い出…。
「本には決して書かれなかった、作者であるわたしも知らない、
センセイとツキコさんとの時間を、物語を書きおえてしまった後、
わたしはふと考えたりするわけです。
遠いこだまを聞くときのような心もちで。」(あとがき)
『センセイの鞄』のアナザーストーリー。
sold out J-50 雪沼とその周辺 750円
堀江敏幸
新潮社 2005年8刷 定価 1470円
状態 B / 表紙わずかに汚れ有 中は美本
最後の営業日を静かに迎えたいと願う、
ボーリング場「リトルベアーボウル」の店主のもとを、偶然訪れた若い男女。
それぞれのやりとりから思い起こされる過去の出来事を通して、
店主の胸に去来するものは…。(「スタンス・ドット」)
フランス語で「イラクサ」を意味する苗字を持つ、料理教室を営む老女の死。
あるフランス文学の短編から立ちのぼる、彼女の知られざる過去とは…。(「イラクサの庭」)
さびれた商店街の一角にあるレコード店を引き継いだ「蓮根さん」。
お客の好みや、古いステレオセットから流れる音色にこだわることで保つプライドと、
あるコンプレックスとの間からにじみ出る、さまざまな思い。(「レンガを積む」)
架空の街「雪沼」と「その周辺」に住む人々の、人生の道筋を丹念にたどりながら、
生きていくことの切なさと喜びを描く静謐な連作短編集。
1日の終りに、1作ずつじっくりと読んでいきたいと思わせる作品集です。
sold out J-51 ないもの、あります 750円
クラフトエヴィング商會
筑摩書房 2003年初版第5刷 定価1470円
状態B / オビ付 全体にゆがみ少 中は美本

「堪忍袋の緒」「口車」「思う壺」「無鉄砲」「金字塔」…。
「よく耳にはするけれど、一度として見たことのないものたち。」が、
本当にあったとしたら、一体どんなもの?
クラフトエヴィング商會お得意の、ユーモラスでちょっと皮肉なカタログを、
ぜひご覧ください。
巻末には赤瀬川原平さんの書き下ろしエッセイ『とりあえずビールでいいのか』が
収録されています。
sold out J-53 ざらざら 600円
川上弘美
マガジンハウス 2006年代1刷 定価1365円
状態 B / オビ付 表紙よれ有 中は美本
いろいろな人生の、ごちゃごちゃした人間関係の、ほんのひとすくい。
主にku:nelに執筆された、8ページ前後の短編に描かれた女の子たちの、
恋をしていたりしていなかったりの暮らしぶりは、
日常的で淡々としていながらも、どこかちょっとずれているところもあり。
短い中にどきっとする言葉やシチュエイションを忍び込ませた川上ワールド。
あなたに似た人に、出会えるかもしれません。
sold out J-55 放課後の音符(キイノート) 500円
山田詠美
新潮社 1992年34刷 定価1100円(当時)
状態 B / オビ付 表紙わずかに汚れ有 中やけ少
授業中でもなく、クラブ活動でもなく、
昼と夜の間にぽっかりと空いた時間、放課後。
恋をすること、大人になること、自分自身を作り上げていくことに、
迷い、悩み、そして光を見出しながらその時間を生きる、
子供でも大人でもない17歳の少女たち。
8つの短編が緩やかにつながり、ひとつの大きな流れを作っているこの本、
著者のあとがきが最後に心に響きます。
鮮やかなピンクの花を、半透明の薄紙がそっと包むという装丁も、
お話にぴったりです。

sold out J-56 台所のおと 1000円
幸田文
講談社 1992年第1刷 定価2000円(当時)
状態 B / 小口(地)に緑のライン有 中は美本
体をこわして寝込んでから、障子一枚を隔てた台所で、
女房のたてる静かな音を聞くのが慰めとなった佐吉。
料理人として生きた半生を振り返り、
台所仕事の「音」をめぐるさまざまな思いがその胸を去来する表題作をはじめ、
時に厳しく、時に温かく、人々を見つめる作者の目が冴える短篇集。
夫婦の機微、親子の情愛、男女の微妙な距離。
大きな事件は起こらなくても、
日々の小さな積み重ねの中にこそ、真実が見えてくる。
幸田文ならではの日本語を、ぜひ味わっていただきたい1冊です。

sold out J-58 クラウド・コレクター[手帖版] 500円 文庫
クラフト・エヴィング商會
ちくま文庫 2004年第1刷 定価945円
状態 B / 中は美本

雲、賣ります。 さて此の度ここに發賣せし新商品、
 遠國はアゾットより取り寄せましたる奇跡のコレクシオンで御座います…。」
著者の祖父で、、クラフト・エヴィング商會先代にあたる
「吉田傳次郎」なる人物がうった、奇妙な広告。
さらに見つかった大きな旅行鞄から出てきた、数冊の古い手帖とパスポート。
そこに刻まれた、「アゾット」という文字。
著者は、祖父の手帖に記された謎の国アゾットへの旅をたどりながら、
さまざまな不思議なものに出会います。
21本の小ぶりな壜、その中に入っていたと思われる蒸留酒、
透きとおった詩の結晶、サラマンドルのしっぽ、移動音楽士、タロットカード…。
手帖に書かれた文字はブルーグレイ、地の文は黒のインクで印刷され、
いかにもクラフト・エヴィングらしい雰囲気のあるイラストが添えられた、摩訶不思議な本。
この文庫版は、1998年に出版された単行本『クラウド・コレクター / 雲をつかむような話』を
全面的に書き直し、再編集したものです。

sold out J-57 すぐそこの遠い場所 500円 文庫
クラフト・エヴィング商會
ちくま文庫 2004年第1刷 定価945円
状態 B+

『クラウド・コレクター』と対を成すのがこちらの1冊。
前述の、クラフト・エヴィング商會先代にあたる「吉田傳次郎」が、
とりわけ大切にしていた、ある事典。
「見るたびに中身が変わってゆく」という、その『アゾット事典』に書かれたものは…。
忘却事象閲覧塔、雲母印書房、星屑膏薬「スター・ダスト・リップ・クリーム」、
夕方にだけ走る小さな列車、「ガルガンチュワの涙」という名の蒸留酒、遊星オペラ劇場…。
ずっと遠くにあるような、すぐそばにあるような、不思議な場所「アゾット」へ、
探検に出かけてみませんか。
sold out J-59 錦繍 500円
宮本輝
新潮社 1982年7刷 定価1000円(当時)
状態 C / 経年による汚れ有
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、
 まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした。」
ある事件をきっかけに、お互いに想いを残しながら別れざるをえなかった2人。
紅葉に染まる蔵王で、10年の時を経て偶然再会した後に交わされた
往復書簡からたどる、それぞれの積み重ねた時間。
哀しみを越えて、もう一度人生を歩み始めた2人の、再生の物語です。

sold out J-60 絵描きの植田さん 750円
いしいしんじ 作 植田真 絵
ポプラ社 2003年第1刷 定価1365円
状態 B / 表紙よれ少 中は美本

ある事故がもとで、聴力と恋人を失った絵描きの植田さん。
画材一式とわずかな着替えをたずさえて、
都会から遠く離れた高原の村に引っ越した植田さんを、
村の人々はあたたかく迎えてくれました。
ある日、「むこう側の街」からやって来た親子との出会いをきっかけに、
止まっていた植田さんの時間が静かに動き出し…。
ほどよい距離感と、ほのぼのとした善意に包まれた、
繊細だけれど力強い物語。
植田真さんの絵が、お話にぴたりと寄り添うように描かれています。

sold out J-61 テーブルの上のファーブル 850円
クラフト・エヴィング商會
筑摩書房 2004年初版第1刷 定価1575円
状態 B / オビ付 中は美本

クラフトエヴィング商會の今回の本は、いろんな意味で今までとちょっと違います。
目次もない、ノンブルもない、本の半分近くは、
決まらない内容を求めてさまよう2人の、とりとめのない会話のみ。
(そこはそれ、お2人のことですから、種も仕掛けも伏線もあるのですが。)
なにより「夜中の仕事はもう終り」、
「急速に気持ちは昼間へと向かい始めて」いる、という言葉。
「怪しげでレトロで幻想的でロマンティック」な部分はそのままに、
昼のテーブルの上で繰り広げられる机上の空論の成果は…。
謎の広告あり、フジモトマサルさんのイラストあり、
翻訳家岸本佐知子さんのエッセイあり、
インスタントコーヒー・カフェのためのスケッチあり、
存在しない本やレコードあり…と、ひとつのテーブルの上にあらわれた虚々実々。
雑誌のような、写真集のような、絵本のような、本。
さまざまな、不思議ですてきな本を作り続けてきたクラフト・エヴィング商會の、
「もういちどふりだしに戻って本をつくってみよう」という第2期の始まりを告げる1冊です。

sold out J-66 食堂かたつむり 750円
小川糸 著
ポプラ社 2008年第1刷 定価1365円
状態 B / オビ付 オビヨレ有 表紙カバーヨレ・破れ有 わずかに汚れ有 中は美本

ある日、仕事から帰ってみると、家財道具とコツコツ貯めた貯金一切を恋人に持って行かれ、
残ったものは祖母から譲り受けたぬか床だけ、という状況に置かれた主人公、倫子。
おまけに声まで出なくなり、仕方なく、10年前に出てきたきりの故郷に帰ることに。
どうしても愛せない母ルリコに頭を下げて、どうにか実家に置いてもらうことになった倫子が
思いついた仕事は、食堂を開くこと。
今までの経験を生かし、1日1組だけのお客をもてなすという小さな、
その名も「食堂かたつむり」。
思いがけない形で夢が叶った倫子と「食堂かたつむり」で出会った人々との交流や、
母親への確執と愛情、料理に対する、そして命あるものに対する真摯な姿勢などを、
厳しい状況にありながら、少しずつ(まるでかたつむりのように)進んでいこうとする
主人公の心の成長と共に描いています。
sold out J-66 食堂かたつむり 750円 再入荷
小川糸
ポプラ社 2008年第15刷 定価1365円
状態 B / 小口汚れ少
ある日、仕事から帰ってみると、家財道具とコツコツ貯めた貯金一切を恋人に持って行かれ、
残ったものは祖母から譲り受けたぬか床だけ、という状況に置かれた主人公、倫子。
おまけに声まで出なくなり、仕方なく、10年前に出てきたきりの故郷に帰ることに。
どうしても愛せない母ルリコに頭を下げて、どうにか実家に置いてもらうことになった倫子が
思いついた仕事は、食堂を開くこと。
今までの経験を生かし、1日1組だけのお客をもてなすという小さな、
その名も「食堂かたつむり」。
思いがけない形で夢が叶った倫子と「食堂かたつむり」で出会った人々との交流や、
母親への確執と愛情、料理に対する、そして命あるものに対する真摯な姿勢などを、
厳しい状況にありながら、少しずつ(まるでかたつむりのように)進んでいこうとする
主人公の心の成長と共に描いています。

sold out J-67 季節のかたみ 1500円
幸田文
講談社 1993年第1刷 定価2000円(当時)
状態 B / 表紙カバーわずかに汚れ有 小口汚れ少 中は美本
「二月はものがしいんと、うち静まる月。」(「雫」)
「五月はものの伸びる月。陽の伸びる月、枝葉の伸びる月、
 心も身も伸びる、よろこびの月。」(「伸びる」)
古い友人のひとことから、昔の女の身のしなやかさに思いを馳せる「里芋と縁台」。
些細なことがらに五感を働かせ、四季の移り変わりを味わう「季節の楽しみ」。
苦労を重ねた貧しさの中に、暮らしの「はり」を見出す「いまここにはなくて」。
日々のできごと、季節の移ろい、家族の歴史など、
身近なことから湧き上がる思いを冷静に見つめ、独特の文体で綴る随筆集。
1960年代から70年代にかけて、『暮らしの手帖』『家庭画報』『朝日新聞』
などに掲載されました。
趣のある装丁に使われたのは、著者お気に入りの着物の柄。

sold out J-85 喋々喃々 900円
小川糸
ポプラ社 2009年第1刷 定価1575円
状態 B / 表紙・裏表紙上よれ有 中は美本

東京、谷中でアンティーク着物の店「ひめまつ屋」を営む栞の前に、
年の改まったある日、父とそっくりの声をした男性が現れます。
初釜に着ていく着物を探しているというその人に何度か遭ううちに、
栞の心の中では次第に彼の存在が大きくなっていきますが…。
栞と母や妹たち、父親との関係、栞を見守る周囲の人びと、
そして過去と現在の恋人への思いを、
季節ごとの行事や食べ物、風景とともにていねいに描き出しています。
栞の恋の行方には賛否両論あるものの、
「そうそう、恋する気持ちってこうだよね」という部分の共感は大きいのでは。

sold out J-90 眠れる美女 800円
川端康成 新津保建秀 写真 多部未華子 出演
プチグラパブリッシング 2008年初版第1刷 定価1575円
状態 B / オビ付 角わずかによれ有 中は美本

たちの悪いいたずらはなさらないで下さいませよ、
眠っている女の子の口に指を入れようとなさったりすることもいけませんよ ―。
ある知人からの紹介で秘密の宿を訪れた江口老人。
そこで彼を待っていたのは、決して目を覚まさない、
眠れる美しい少女たちでした。
彼女たちのそばに身を横たえながら胸を去来する、
自らの人生、関わった女性たち、そして老醜と死。
「絶対に目を覚まさない美少女」という奇妙な、そして魅力的な設定のもと、
冷徹なまでに主人公の心境を描写する川端康成の筆の緻密さ。
そして、眠り続ける少女たちの髪や肌、顔立ちや体つきの美しさを、
ひとつひとつ辿るように書き表す妖しさ。
教科書には絶対載らない、文豪の別の顔がお気に召したら、
『片腕』もぜひどうぞ。
途中に収められているイメージフォトに登場するのは、
NHKドラマで活躍中の多部未華子さん。