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J-1 流れる 1000円
幸田文作 
新潮社 1993年第3刷 定価2000円 
状態 B+ / 函入 オビ付 オビ破れ少
J-39 ちくま日本文学全集 幸田文 650円 文庫 再入荷
筑摩書房 1993年第1刷 定価1000円(当時)
状態 B- / オビ付 表紙やけ・汚れ有 中わずかによれ有
「勲章」「姦声」「髪」「段」「雛」「笛」「鳩」「黒い裾」「蜜柑の花まで」「浅間山からの手紙」
「結婚雑談」「長い時のあと」「みそっかす」「対談 樹木と語る楽しさ」(山中寅文)を収録。
J-4 笛吹川 2000円 
深沢七郎作 谷内六郎表紙・装丁
中央公論社 1958年初版 定価280円(当時)
状態 C / 函入、汚れ 中やけ
sold out J-29 レター教室 300円 文庫
三島由紀夫作 山本容子カバー装画
ちくま文庫 1996年第11版 定価500円
状態 B / 表紙ふちわずかに汚れ 中は美本
5人の男女の、損得や恋模様がユーモラスに、かつ鋭く、
手紙によって描かれた「手紙小説」です。
「古風なラブ・レター」「借金の申し込み」「同性への愛の告白」
「招待を断わる手紙」「英文の手紙を書くコツ」「余計なお世話をやいた手紙」
それから「心中を誘う手紙」「陰謀を打ち明ける手紙」
「閑な人の閑な手紙」などなど、
個性的な面々の、個性的な手紙がゆかいです。
表紙は山本容子さん。

sold out J-2 森茉莉エッセー1 父の帽子 900円
森茉莉著
新潮社 1982年 定価1600円
状態 B / 函入、汚れ 中やけ
sold out J-47 贅澤貧乏 900円 再入荷
森茉莉
新潮社 1995年15刷 定価1500円(当時)
状態 B / 函入 オビ付・破れ有 中は美本 
       フェリシモブックポート復刊企画第1弾
「お茉莉が一番かわいい」と言われて育った、森鴎外の愛娘、森茉莉。
その作者の分身、牟礼摩利(むれマリア)が語る鋭い美意識は、
時に常軌を逸していると受け取られることも。
上に「赤」の字がつくほどの貧乏でありながら、貧乏臭さを何より嫌う摩利は、
「摩利を取り囲むもろもろの物象の中に横たわり、朝の光、睡りを誘い出す午後の明るさ、
夜の灯火の、罪悪的な澱み、それぞれの中で、花と硝子と、菫を浮かべて白く光る陶器。
壁の、ボッチチェリ、ルッソオの画に目を止め、陶酔の時刻を送っているのだが、
もし摩利が陶酔しているのだということを人が知ったら、その人間は(何処が陶酔?)と失笑し、
而る後おもむろに摩利の顔を見て、摩利の精神状態に懐疑を抱くに違いない。」
(「贅沢貧乏)と、冷静に自己分析もしています。
この、エッセイとも物語ともつかぬ、独特の美しい言葉に彩られた世界を、
ぜひ味わってみてください。

sold out J-16 巾箱(きんそう)小説集 400円
林望作
平凡社 1998年初版第1刷 定価1400円
状態 B / 表紙しみ有 中は美本
J-6 ちくま文学の森 1 美しい恋の物語 800円 再入荷
安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀 編
筑摩書房 1988年第5刷 定価1500円(当時)
状態 B / オビ付 中わずかによれ有
旧制高等学校での、ひとりの少年との出会いと別れ (「燃ゆる頬」 堀辰雄)、
ある夏、月夜の下での3時間に満たない奇妙な初恋 (「初恋」 尾崎翠)、
一途な思いを経て、少年から青年へと移りゆく季節 (「ラテン語学校生」 ヘルマン・ヘッセ)
元禄の頃、京のやつしの名人、坂田藤十郎が仕掛けた悪戯な口説きの結末は…
(「藤十郎の恋」 菊池寛)。
他に、アンデルセン・モーパッサン・スタンダール・バルザック・伊藤左千夫など、
恋の切なさ、不思議さ、激しさ、そして恐ろしさを、古今東西の名作で。
文体の美しさも、ぜひ味わってほしいアンソロジーです。

sold out J-42 ちくま文学の森 4 変身ものがたり 800円
筑摩書房 1991年第9刷 定価1545円(当時)
状態 B / 中は美本
       萩原朔太郎、坂口安吾、太宰治、泉鏡花、谷崎潤一郎、坪田譲治、内田百閨A  
       アポリネール、ダンセイニ、コクトー他
「こんな夢を見た。
腕組をして枕元に坐っていると、仰向に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。
女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。
真白な頬のそこに温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。
とうてい死にそうには見えない。しかし女は静かな声で、もう死にますとはっきり云った。
自分も確にこれは死ぬなと思った。
そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗きこむようにして聞いて見た。
死にますとも、と云いながら、女はぱっちりと眼を開けた。
大きな潤いのある眼で、長い睫に包まれた中は、ただ一面真黒であった。
その真黒な眸の奥に、自分の姿が鮮に浮かんでいる。」(夏目漱石『夢十夜 第一夜』)
坂口安吾の初期の作品『風博士』、中島敦の『山月記』、谷崎潤一郎の『化粧』、
泉鏡花の『高野聖』、江戸川乱歩の『人間椅子』、萩原朔太郎の『猫町』など、
「変身」をキーワードにしたアンソロジー。
J-5 高丘親王航海記 2000円 
澁澤龍彦作
文藝春秋 1987年第1刷 定価1800円
状態 B / 函入 オビ付 函オビ汚れ 中やけ少
sold out J-9 自動起床装置 350円  
辺見庸作
文藝春秋 1991年第1刷 定価1000円
状態 A / オビ付 カバー汚れ少
J-10 薔薇の木枇杷の木檸檬の木 500円
江國香織作
集英社 2000年第4刷 定価1600円
状態 A
sold out J-33 ぼくの小鳥ちゃん 550円
江國香織 イラストレーション 荒井良二
あかね書房 1998年第6刷 定価1260円
状態 B / オビ付 表紙汚れ有 中は美本
 
sold out J-49 パレード 500円 再入荷
川上弘美 著 吉富貴子 絵
平凡社 2002年初版第2刷 定価1000円
状態 B / オビ付 オビヨレ有 裏表紙汚れ有 中は美本
「『ツキコさん、昔の話をしてください』 わたしのてのひらをぽんぽんと叩きながら、
センセイは言った。センセイの手が、温かい。誰かしらといつも手をつないでいたかった
幼いころの心もちを思い出した。」
梅雨の明けた暑い土曜日の昼、ふたりでそうめんの食べた後、
「わたし」が話し始めたのは、子どものころの、不思議な、そして少し苦い思い出…。
「本には決して書かれなかった、作者であるわたしも知らない、
センセイとツキコさんとの時間を、物語を書きおえてしまった後、
わたしはふと考えたりするわけです。
遠いこだまを聞くときのような心もちで。」(あとがき)
『センセイの鞄』のアナザーストーリー。

sold out J-31 麦ふみクーツェ 900円 再入荷
いしいしんじ
理論社 2002年初版 定価1890円
状態 B / 裏表紙・背表紙よれ有 見開きから数ページよれ有 他は美本
普段は穏やかだけれど、音楽のこととなると何かにとりつかれたように
夢中になるおじいちゃん、毎日数学のことしか考えていないお父さんと共に
港町に住む、人並みはずれて体の大きな少年「ねこ」。
「ねこ」はある日、聞きなれない音に気づきます。
「とん、たたん、とん」「とん、たたん、とん」
へんてこな身なりをしたその小さな人は「クーツェ」と名乗り、
横幅の大きな靴を踏み鳴らしながら、予言のような不思議な言葉を残して…。
坪田譲治文学賞を受賞したファンタジー。

sold out J-50 雪沼とその周辺 750円 再入荷
堀江敏幸
新潮社 2003年 定価1470円
状態 B / オビ付 背表紙へこみ有 中は美本
最後の営業日を静かに迎えたいと願う、
ボーリング場「リトルベアーボウル」の店主のもとを、偶然訪れた若い男女。
それぞれのやりとりから思い起こされる過去の出来事を通して、
店主の胸に去来するものは…。(「スタンス・ドット」)
フランス語で「イラクサ」を意味する苗字を持つ、料理教室を営む老女の死。
あるフランス文学の短編から立ちのぼる、彼女の知られざる過去とは…。(「イラクサの庭」)
さびれた商店街の一角にあるレコード店を引き継いだ「蓮根さん」。
お客の好みや、古いステレオセットから流れる音色にこだわることで保つプライドと、
あるコンプレックスとの間からにじみ出る、さまざまな思い。(「レンガを積む」)
架空の街「雪沼」と「その周辺」に住む人々の、人生の道筋を丹念にたどりながら、
生きていくことの切なさと喜びを描く静謐な連作短編集。
1日の終りに、1作ずつじっくりと読んでいきたいと思わせる作品集です。

sold out J-51 ないもの、あります 800円 再入荷
クラフト・エヴィング商會 
筑摩書房 2006年初版第8刷 定価1470円
状態 B / オビ付 表紙カバー上よれ有 中は美本
「堪忍袋の緒」「口車」「思う壺」「無鉄砲」「金字塔」…。
「よく耳にはするけれど、一度として見たことのないものたち。」が、
本当にあったとしたら、一体どんなかたち?
クラフトエヴィング商會お得意の、ユーモラスでちょっと皮肉なカタログを、
ぜひご覧ください。
巻末には赤瀬川原平さんの書き下ろしエッセイ『とりあえずビールでいいのか』が
収録されています。


J-17 アフリカの女 400円
竹内海南江作
幻冬社 1994年第3刷 定価1400円
状態 B / 表紙カバー上よれ少 中は美本
J-18 季節の記憶 400円 文庫
保坂和志作 
中公文庫 2002年4刷 定価780円
状態 B- / 表紙カバー上よれ少・破れ少 中は美本
J-26 贅沢貧乏のマリア 700円
群ようこ
角川書店 1996年初版 定価1400円
状態 B / 背表紙上よれ少 中は美本
sold out J-22 さよなら怪傑黒頭巾 400円
庄司薫 
中央公論社 1970年12版 定価380円(当時)
状態 C / ビニールカバー オビ付
J-23 白鳥の歌なんか聞えない 400円
庄司薫 
中央公論社 1975年27版 定価不明
状態 C / ビニールカバーなし 表紙よれ少 しみ有
       小口汚れ 中汚れ 
       最終ページ鉛筆で囲み有
J-32 狼なんかこわくない 400円
庄司薫
中央公論社 1971年初版 定価430円(当時)
状態 C / 小口しみ 中よれ 経年によるやけ有
sold out J-62 庭のつるばら 800円
庄野潤三
新潮社 1999年4刷 定価1575円
状態 B / オビ付 表紙カバー上よれ少 中は美本
   状態を見る

「子供が大きくなり、結婚して、
家に夫婦2人きりで暮らすようになってから年月(としつき)たった。
そんな夫婦が毎日をどんなふうに送っているかを書いてみたい。」(あとがき)
その第1作が『貝がらと海の音』。
続く『ピアノの音』『せきれい』、そして第4作目となるのがこの作品です。
丘の上の家に住むご夫妻の、静かで穏やかな日々。
子供たち、孫たち、友人や近隣の人々との、あたたかく緩やかな交流。
「英二伯父ちゃんの薔薇」の美しさを愛で、
夫のハーモニカに妻が喜び、
著者の喜寿のお祝い旅行に一族が集う。
そこには「ありがとう」「よかった」「うれしい」「よろこぶ」という言葉が満ちています。
なにげない日々の、寄せるさざなみのような小さな幸せ。
それを幸せと感じる美しい心。
ほっと穏やかな気持ちになる作品です。
「同じようなことばかり書き続けて飽きないかといわれるかも知れないが、
飽きない。夫婦の晩年を書きたいという気持ちは、湧き出る泉のようだ。」
という言葉に、作家としての力強さを感じます。

sold out J-63 山田さんの鈴虫 800円
庄野潤三
文藝春秋 2001年第2刷 定価1800円
状態 B / オビ付 表紙しみ有 表紙カバー裏汚れ少 中は美本

「夫婦の晩年を書く」という著者の連作の、第6冊目がこの作品です。
同じような毎日の繰り返しの中に、
成長していく孫たちの姿や、移りゆく自然の風景が折り込まれ、
少しずつ、月日が流れていく様子が穏やかに描かれています。
家族の中だけで通じる独特の言い回しや、
どこかとぼけたユーモラスな表現が淡々と綴られ、
シリーズを続けて読んでいくと、
いつの間にか読者も家族の一員のような気持ちになってきます。
いつまでもこの幸せが続くといいな、としみじみ思える1冊です。

sold out J-64 うさぎのミミリー 800円
庄野潤三 
新潮社 2002年 定価1470円
状態 B / オビ付 表紙カバー上よれ有 中は美本

『山田さんの鈴虫』に続く第7作目。
丘の上の家での、夫婦2人だけの生活は、
とりたてて何かが起こるわけではないけれど、
そんな日々の中でも、孫2人の結婚式に出席したり、
観劇や旅行に出かけたり、そして時々やって来る、
長男の家で飼われているうさぎのミミリーと過ごす時間を楽しんだり。
毎日のできごとをていねいにすくい取り、描いていく一連の作品群。
日記のようでありながら、何を書き、何を書かないかを取捨選択する力量に、
やはり大家としての風格を感じます。
J-71 メジロの来る庭 800円
庄野潤三
文藝春秋社 2004年第1刷 定価1600円
状態 B / オビ付 表紙上よれ有 中は美本
「文学界」「群像」「波」などの文芸誌に1年ごと連載された、
丘の上に住む老夫婦の日々の営みを描いた、庄野潤三さんの9作目です。
独立した娘や息子、それぞれの家族との温かな交流。
庭の木々や花、やってくる小鳥たちに向けるまなざし。
1日の終わりに吹くハーモニカと、それに合わせて歌う妻と過ごす時間。
日常生活の合間の観劇や小旅行。
いつも何かに感謝し、「ありがとう」「よかった」と綴る老作家の、
穏やかな心持ちに触れる喜び。
この作品では孫の「フーちゃん」が高校生となり、
ひ孫の「ももかちゃん」が誕生したりと、時の流れを感じます。
このまま何作も続いてほしいと思う読者を残して、
2009年9月、庄野さんは旅立っていかれました。

J-79 時の記憶 1500円
岸田今日子
マガジンハウス 1992年第1刷 定価1500円(当時)
状態 B / 表紙上よれ有 中やけ少 他は美本
   
中を見る
レースに繊細な刺繍を施した、アンティークの扇。
美しいレリーフの浮かび上がる香水壜。
銀の燭台、青い宝石の付いたブレスレッド、懐中時計、
夕暮れの広場にたたずむメリーゴーラウンド、ペーパーナイフ…。
夢の中からうっとりと浮かび上がるような写真と、
そこから紡ぎ出された小さな物語集。
それはどこかもの悲しく、少し残酷な香りがします。
女優として、また童話作家としても活躍した岸田今日子さんご本人の朗読を、
ぜひ聞いてみたかった作品です。

J-91 夜間飛行 MOON SHERBET 700円
長野まゆみ
作品社 1991年第1刷 定価1350円
状態 B / オビ付オビ傷み有  表紙上よれ少 中は美本 絶版
   中を見る

ある日、ふとした偶然から手に入れた雷卵石。
切符売り場の零番窓口でこれを見せれば、素敵なものが手に入る。
それは、夏至と冬至のあとの最初の土曜日に行われる、
ハルシオン旅行社の特別遊覧飛行のチケットだ。
時代遅れのプロペラ機、カスピート号で旅するのは、
南の国のパラダイス、ホテル・ダンデライアン。
たんぽぽリキュールを炭酸で割って、うすい玻璃のグラスで乾杯しよう。
次の日にはシトリン流星群の中を通り、カスピート号は飛んでゆく。
プラチナとミシエル、2人の少年を乗せて…。
ジョセフ・コーネル、ポール・デルヴォー、そしてアーサー・トレスの
美しく幻想的な作品に寄せて描かれた、少年たちの秘密の冒険譚。
鳥風琴、シトロネル酒、プランタジュネット、ネプチューン航海誌、
プラセオジム潜水艇、クリプソレーズ荘園、自動書記機…。
きらきらとあふれる言葉の輝きに、いつまでも浸っていたい物語です。