CD-Rの整理(4)〜CDチェンジャーという選択肢 


CDチェンジャーを利用した整理と保存
CDチェンジャーは複数枚のCDを連続して再生する機器でCDのかけ替えの手間が要らないので主にカーステ用に用いられています。音楽再生の主流が大容量記憶装置へと移行している現在、据置型は僅かしか発売されていませんが唯一パイオニアから300枚連装という大量枚数収納機種が出ていました。300枚というと、とても1日で再生できる量ではない。これを大量枚数のCD整理と保存に使えないかというのがこの頁での話題です。

もし自分のPCがそこそこのスペックでマルチタスクを軽々こなし大容量のHDD(数百ギガ)であれば、保有しているCDを片っ端からPCに吸い込んで無圧縮(WAVEファイルなど)で連続再生する方がスマートで管理が楽だと思います。

しかし現在多くのCDを保有している方で長時間圧縮音源でなくハイファイ音で連続再生したい、あるいは再生機器の近くに多くのCDを置くスペースが無いという場合の整理保存に適している部分があると考え取り上げてみました。

CDを省スペースで連続再生する方法を考える
管理人は2006年夏に仕事場の改装をした折りCDの整理にも着手しました。狭い室内に接客コーナーを設けたためオーディオ用品は大移動、CDなど保管するスペースも大幅に削らざるを得ない事になりました。

 かといって事務所に音楽が流れていない生活は自分にとってあり得ない、しかしCDを置くスペースもあまり無いという事で考えあぐねていました。

一時は安いCDラジカセでFMも聞いていましたがPCを起動するとノイズで聞きづらくなる。いまさら「ゆうせん」に戻る気もないしやはり主流はCDでという結論に達したのですが今までも1枚ずつかけ替えるのが面倒でした。そこでCDのかけ替えをしなくて良いこと、そして再生機器の側に場所を取るCDを置かなくて済むということで2種類の方法を検討してみました。

ひとつはPCのHDドライブに音楽をため込んで再生する方法、もうひとつはCDチェンジャーを購入する方法。前者は管理ソフトで多くの楽曲を探したり再生するのに楽な反面、専用にPCが必要になる(仕事用のマシンに負荷をかけたく無い)のでスペースや電力消費の面で問題があった。PCの内蔵アンプなんぞで鳴らすつもりは無いので別にアンプは必要だし、決定的なポイントは音楽を聞くのに起動・終了に時間がかかる事でした。iPodのような専用プレーヤと繋ぐ手もあるがBGMとして聞くとしても私は圧縮ファイルの音に抵抗がある。

そこで結局後者のCDチェンジャーを購入するという事にしたのです。決め手となったのは今まで再生していたCDプレーヤがCD-R再生で時々読み取りエラーが出るようになった事。最初は古いCD-Rに寿命が来たのかと思ったが新しく焼いたものも読みとれないことがあった。レンズクリーニングも効果無し。そこでどうせ単品のプレーヤを買い換えるのであればちょっと目先の変わったモノをという意識があったと思います。


 
300枚連装CDチェンジャーという選択肢
ネットで調べると据置型でパイオニアから25枚連装と300枚連装という機種が出ていた。最初は一日に聞く5〜10枚程度のCDをかけ替えれば良いという感覚だったがそれでは今までと同じようにCDの保存スペースが必要になる。300枚収納できれば仕事場にCDを並べる必要も無く整理が楽だという結論に達し300枚収納型を選んだ。

 これだけ収められれば整理は楽だ。ジャンル分けして収納すればその時の気分で好みの音楽を毎日交換の手間もなく聞いていられる。まさしく音楽の玉手箱や〜と思ったのでありました。





名称はPD-F1007
本体は普通のCDプレーヤの倍以上あるので上にアンプを乗せてある。CDの出し入れは中央のラックを開閉して行う。ドーナツ状に並んだ挿着溝に300枚のCDを収めるので間隔は3ミリ程度と非常に狭い。

正式な名称は「ファイルタイプCDプレーヤー」といい単純な連続再生以外に様々なセレクト再生機能やディスク管理機能を持っているという事でした。

購入してすぐ分かった事は300枚連装ですから1枚1枚の挿入スペースが狭い。CD挿着溝は円周に1〜300番のナンバーが振ってあり間隔は3ミリ程度しかありません。指を入れて出し入れする事ができないのです。ということは一度入れると差し替えが非常に困難を極めるという事。

 次にタイトルが分からないので予め何番に何のCDが入っているかを紙に記入しておかないといけない。テキスト入りのCDでは英文でタイトルやアーチスト名が表示されるし自分で入力もできるのですが、CDテキスト入りは僅かだしタイトルをいちいち入力するなんて考えもしなかった(^^;

この事に気付かなかったのは失態(^^;自分の購入前の感覚ではディスクは挿入してもCDのタイトルくらい見えるのであろう、それならある程度目視して好みの選曲をその都度できるのではないかと簡単に考えていた。どうやらこの機器はそうした用途には不向きなようでした。

どうも、その昔ゲーセンやスナックに置いてあったアナログ・シングル・レコードチェンジャーを知る世代としては感覚的にボタン操作で曲をセレクトできるような錯覚があったのかも知れません(^^;
 
 特に一度フードを開けてCDを確かめるだけで入れ替えしなくても閉めたとき1周回って各番号の挿着溝にCDが入っているか否かをチェックするため時間がかかる。これでは目で見てどのCDかを確認することは実用上不可能といって良い。

この機器自体の発売が1990年代でCD-Rや携帯デジタルプレーヤが普及する前の事。やはり21世紀はPCで再生・管理の時代だよとため息をついてもあとの祭り。
それだけ息の長い商品ともいえるし逆に、もうこのような商品は改良しても新作を出しづらい状況だともいえます。
※製造は購入年の2006年であると梱包箱に明記されていました。

紙ベースの一覧表の作成と収納
そこであらかじめジャンル分けして収納場所を決めたデータを紙に書いておく必要がある。業務用に店内で客用に流すのなら大雑把にジャズやクラシックなどと分けて再生すれば良いのでしょうが個人的に利用する場合「このCDを聞きたい」というリクエストに対応するには機器だけでの検索は非常に難しくなるからです。


せっかく購入したのだからと、早速一覧表づくりに着手。幸いCDのタイトルとアーチスト名はデータベース化してあるのでこれを利用しチェンジャー向けにジャンルコード、収納番号コードなどを付加して300タイトルを絞り込む。最初は切れの良い100番単位でクラシック・ジャズ・その他と区分するつもりだったが、そう単純にはいかなかった。結局1〜20番を最新購入CDを順番に入れて21番目が最新CDとなった場合は1番のCDを各ジャンルの空きスペースに持っていって差し替えようと考えた→

タイトル一覧表はA4用紙に2列で印刷して3ページ分にもなる。入れ替えていると1枚2枚のために打ち直すのが面倒なので手書きで訂正していくうちにわからなくなってしまう(^^;



→そのため各ジャンルごとに2〜3枚分のスペースを空けておいた。体裁が整ったところでプリントした一覧表に従って一枚一枚CDを入れていく。最初から順番に入れる分には残りスペースがあるのでそれほど狭くても苦労しない。最後の295〜300番も予備として空けておいた。

実はこの機器はオートチェンジ300枚プラス1枚は単独で聞ける機能がある。だから実質301枚再生できこの301番は取り出し易いよう左右にスペースがある。そのため最初と最後の番号のあたりを空きスペースにすると出し入れが楽だからです。

200何十枚かのCDをチェンジャーに入れケースは別室の本棚に横にして保管。これでCDが入っていないケースと区分した(CDが入っているケースは立ててある)

とりあえず収納が終わっていざ連続再生。今年はモーツアルト・イヤーということで特に多く入れてある。主なピアノ協奏曲も順番に聴くことができる。2〜3枚組のアルバムだけではなく、B・エヴァンスならラファロとの4枚、マイルスのマラソンセッションという具合に関連したアルバムを入れ替え無しで完奏できる。CDを連続して入れてあれば交換タイムは10秒程度で全く待ち時間は感じられない。最初は非常に満足してました。

チェンジャーに替えてからの整理保存面での変化はCD-R用にケースを用意しなくなった事です。とりあえずケースが無くても中に入れておけば良いので、それまで継続的に作成してきた標準ケースへの裏面タイトル印刷もやらなくなった。

 その分レーベルへタイトルを記入しないとケースに入っていないので曲を聞くまでまったく分からない事になる。レーベル印刷も今までまとめて数枚プリントしていたのですがその都度書き込まないといけなくなったのでレーベルではなく内周のスピンドルの周辺へ小さくタイトルを手書きする事で対処した。


CDチェンジャーでの管理と移動は難しい
予定通りのCDを収納してしばらくは満足していました。アンプもCD曲順もリモコンで操作するので入れ替えの都度席を立つことも無い。問題は新しいCDを購入したりレンタルしたCD-Rが増えた時です。前述したようにチェンジャーは1〜20番を入れ替える予定だったが最初からその場所へも2〜3枚の予備スペースを残してCDは入れてあった。タイトルもプリントしてあったので、入れ替えの都度手書きで消してタイトルを記入していった。

左右にCDが並んでいると指先での出し入れができないので画像のように金属製のピンセットをCDに傷が付かないよう紙のシールでくるんで使用。

そうこうしているうちに予備の空きスペースが段々と無くなり、せっかくのジャンル分けからはみ出すCDが出てきて、さらに聞き飽きたCDを取り替えたりしているうちにタイトルプリント表が手書き文字で汚れてきて最近買ったばかりのCDがどこに入っているのか分からなくなってしまった。2番目の一覧表画像参照

1枚ごとにCDを探して交換してかけるのは手間だがケースに入っていれば目的のものはすぐ見つかる。チェンジャーの場合、いったん固定した番号の場所から移動したとたん分かりづらくなる。その都度整理してタイトル表を最新のものにすれば良いのですがこれも手間がかかり、ついおっくうになってしまう。新年までに再度整理する予定ですが、やはりチェンジャーの場合は一旦セットしたら当分の間追加や移動しないというのが通常の使い方なのかも知れません。

かといって最も再生回数の多いのは、やはり新しく購入したCDなので、その管理をしないことには話しにならない。現在考えているのは最初から予備の空きスペースをもっと増やしておいて、半年程度を目安に増えても移動しないで再生できるように余裕を持たせる事。幸い再生曲順は番号順以外に登録できるので、こうした機能を使っていこうと思いました。

まだまだこうした機能を全て使いこなしている訳では無いので現在試行錯誤の状態が続いていますがCDの出し入れ無しにお気に入りの曲を聴けるのが良いところで購入して後悔はしていません。そしてCD-Rに限れば、とりあえずはケースが不要になるので省スペースにはなります。

将来的にはビデオと同様HDDプレーヤに収れんされるのでしょうが、とりあえず現在利用するなら選択肢のひとつに挙げられるのでは無いかと。。。今購入しなければ、もう二度と「チェンジャー」のようなアナログ的に大量枚数管理をするCDプレーヤを購入する機会はないだろうと。。。



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(C)Fukutaro 2006.12