CD-Rの保存〜その1

CD-Rメディアの保存
CD-Rメディアを長期間良い状態で保存するには若干のコツが必要です。以下のポイントは「このようにしたほうが良い」というよりむしろ「このようにすべき」という鉄則に近い事です。CD-R黎明期に常識とされていた事が現在では、非常識になってしまったなどということもよくありますが、これらは常に意識して守るのが重要かと・・・


(1)品質の良いメディアを選ぶ
(2)最大可能時間ギリギリまで記録しない(少し余裕を持たせる)
(3)ケース・収納場所に配慮する
(4)異なるメディア・ファイル形式で保存する
(5)使っていない(再生していない)CD-Rもたまにチェックする

このページでは(1)〜(2)について取り上げます。
(3)〜(5)についてはCD-Rの保存〜その2を参照下さい

品質の良いメディアを選ぶ
これは長期保存の鉄則中の鉄則です。ショップの棚に山積みで常時安く売られているアヤシゲな盤は大切な録音には利用しないことです。

CD-Rの長期保存を考える場合、ノーブランド品とブランド品の違いは認識しておいた方がいいでしょう。詳しくチェックしたい方はCD-Rの専門サイトをあたってみることをオススメします。

 ブランドは純国産・日本メーカーの海外生産品・外国品があり、さらに他社へOEMしているものと様々です。

ブランド品の代表格は「That's」(太陽誘電)です。CD-Rは太陽誘電が最初に開発したものなので、事実上のスタンダードといっていいでしょう。太陽誘電製のメディアを使って書き込みがうまくいかない場合はドライブかPCに問題があるといっても過言ではありません。

ノーブランド品は台湾などアジア系が主流。ひどいものは一説では3年もたないという話です?台湾系は高い技術を持っているメーカーとマガイモノメーカー?が乱立して選択は難しいところです。

現在「純国産」のものは太陽誘電(日本のメーカーではなく原産国:日本と箱に書いてあるもの)以外見あたらなくなってしまいました。
 私も以前はフタロ系色素の三井やリコーメディアを使ってみましたが現在ではほとんど誘電オンリーです。

日本のメーカーのほとんどは、アジアへ生産拠点をシフトしています。CD-Rはすでに乱売状態で種類からいえば台湾産の方が多い状況です。
 それが質の低下につながるかどうかは一概にはいえませんが格安品はスタンパを規定以上使用したり、最初から材料を含め品質の悪いものを使っている、といわれています。考えてみれば当然ですよね。安いものには訳があるのです。

太陽誘電ではマスターCDなど書き込みエラーが非常に少ない高級品も扱っていますが、直接保存性能とは関係ありません

最大可能時間ギリギリまで記録しない
CD-Rの最大記録時間は700Mで音楽CD形式では80分記録可能です。昔のLPレコードなら2枚分収録可能な時間ですが、大事な録音の場合は目一杯記録せず60分程度で分割する方が無難。

理由の一つとして、内周より外周のスピードが速くなるため書き込み、読みとりとも不安定になるためという事が挙げられます。数年前、少し傷のあるCDをコピーしたところ外周(最後の方の曲)で音飛びが発生するという事態がかなり発生しました。これは読みとり時点で外周の速度についていけなかったものと思われます。

現在のCD-Rドライブとメディアでは書き込みに失敗するという事は非常に少なくなりましたので、CDのコピーではなく、アナログ音源のデジタル化に際しては、それ程気にする必要はなくなりました。

今後とも発生しやすいトラブルは取り扱い時の傷です。レンタル店で借りたCDの盤面を見ると円に沿って擦れたような傷が付いているのはほとんど外周付近です。

こうした傷が付いているCDを見ると『借り物だと思って粗末に扱う奴が多いなぁ』と思っていましたが、ある時ドライブにCDを入れようとして、ぽんと置いてトレーを閉じたところ見事に引っかかって傷が付いてしまいました(T_T)・・・ちなみに借り物ではなく自分のCDです。

またノートPCではイジェクトすると回転したまま出てくる機種もあるので、素早く取り出そうとして傷を付けてしまう事もある。
 トレイの出し入れで擦ってしまうのは必ずといって良いほど外周です。そして回転していると内外周の速度差により傷の付き方も被害が大きくなります。

※画像は約46分(昔のLP1枚分)を焼いたもの。黄色の線の幅が記録エリア。赤線のように外周に傷がつきやすいので記録時間が短いほど影響が少ない。

外周にたとえ傷が付いても、その部分まで録音されていなければ全く問題は起こりません。80分記録可能であればできるだけ目一杯詰め込んで焼いてやろうと考えがちですが、大切な録音の場合は考えを改めたほうが安全です。

表面をコーティングして傷が付きにくいCD-Rも発売されています。車載のスロットインタイプの機器で再生する機会が多い場合など、最初からそうした盤に焼いておくと良い。


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(C)Fukutaro 2005.7