オープンリール復刻図鑑


SCOTCH(3M)製品


SCOTCHはオープンリールをいじった方なら誰でも知っているように、磁気テープのブランド中のブランドテープです。

メーカーは米国の3M(Minnesota Minig & Manufacturing)で日本では1960年代に住友と合弁により住友3Mを設立、国内で製造される事になりました。

プロ用の録音機のバイアス設定が3Mのテープを基準にされたため、オープンリールテープのスタンダードとして定評があったテープです。その分他社に比べやや価格が高かったので一般家庭で9.5cm以下のスピードで録音されるテープにはあまり用いられなかったようです。

SCOTCHの特徴は111とか150など、3桁のナンバーが振ってある事で、テープの種類がわかる点です。

※下記の画像番号はHP掲載順であり、画像は年代別に並べてあるので番号順と食い違っていますのでご了承下さい。

1960年代

画像1
合弁前の米3M社のテープで、復刻したSCOTCHテープでは最も古いもの。
何本か復刻しましたがSCOTCHといえどワカメになっているテープも見られました。

この111は業界のスタンダードで、パッケージは住友3Mになって変わりましたが70年代まで販売されていました。

[素材]アセテート


画像3
この箱も合弁前の3Mの輸入品のようです。詳細を記録しておかなかったので不明部分が多いのですが、素材はアセテートであろうと思います。

1960〜70年代
画像2 国産の住友3M社製

テープファンならおなじみのデザイン。タータンチェックのデザインとスコッチは3Mの登録商標として現在でも粘着テープなのでおなじみです。

サイズを問わず、広く普及していてデザインも1960〜70年代まで変わらないのでお目にかかる機会も多い。その分パッケージだけで録音年代を判定するのが難しい。

復刻したテープでは単に音声を録音したものより、どちらかというと音楽を記録した内容が多い。
[素材]150番はポリエステル。番号により異なる。


画像4
磁気テープはベースの厚いアセテートからポリエステルへ変化した後、ベース自体ではなく磁性体に改良が加えられローノイズタイプが主流となっていきます。

 最初は業務用から次第に民生用の音楽録音主体のテープへと普及していきました。画像4は「業務用低雑音テープ」#176と品番記載がありますが1970年当時の市販テープ一覧に掲載がありません。#175番はアセテートと同じ厚みの「テンザー」というベースで、恐らくこのテープも同様だと思います。



画像5
LH(ローノイズ・ハイアウトプットタイプ)
磁性体改良はさらに進み、入力レベルより数デシベル出力が高く再生されるハイアウトプットテープが60年代末期に登場しました。これらのテープは低雑音かつ高出力で周波数特性も優れておりLHタイプと総称され70年代のオープンの主流となりました。
 難点は従来のバイアスでは音質が変化したり、逆にノイズの増加を招く事でした。そのためLHテープ登場後は民生用デッキでもLHポジションというバイアスを切り替えられる機種が発売される事になります。


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