音源メディアの変遷 

1974年のオーディオフェアでのアンケート

アナログ音源再生計画

1970年代半ばの全日本オーディオ・フェアのアンケート結果を掲載して、当時の音源メディアの状況とファンの気質などについて触れたいと思います。

当サイトでもこの当時の機器の現状や写真を多く掲載しています。4半世紀も前の話ですが音源メディアも機器もオーディオ関連のものに限らず、最も元気のよかった時代だったように思います。

出所:第23回全日本オーディオ・フェア(1974.11)五反田の東京卸売センター開催時のパンフレット。アンケートは同年4月開催の関西オーディオ・フェアでの集計です。


※パンフレット記載のグラフをそのまま掲載してあります。

[年齢層]
5割以上が大学までの学生(多分)で占められています。23才でがくんと落ち込んでいるのは社会人になって音楽を聞く暇が非常に減ってきた、仕送りがうち切られてかえって経済状況が厳しくなったという当時の環境がよくわかりますね(^^;

今も昔も音楽を聞いたり、オーディオに熱中するのは若い世代だという構図に変化は無いでしょう。また、機器については、「経済力が勝負」という部分が多分にありますから、年配のマニアも必ず存在します。TOCでのフェアでも当時若かった我々世代に混じって随分熱心な年配のマニアの方も沢山来場していました。

[欲しい製品]
注目は2位と4位のデッキです。当時、単にテープデッキといえばオープンリールの事を指しました。録音ブーム華やかなりし頃で、より高音質・高機能の録音機器が人気を博した時代でした。

レコードプレーヤはカートリッジは勿論ですがトーンアーム・フォノモータをそれぞれ気に入ったものをチョイスして再生するのがマニアの主流でした。


貧乏学生だった管理人は録音機材にお金を使い果たし、プレーヤには殆ど回りませんでした(^^;ましてやスピーカは自作で我慢し、わずかにモニタとしてのヘッドフォンに少し投資した程度です。

[レコードメディア]
レコード保有枚数で○枚以上という項目が無く、その他になっているのは、オーディオファンでかつレコードコレクターというのはかなりの財力が必要でしたからこういう結果になっているのか?

アンケート調査年齢からいえば学生が大半ですから、保有枚数はそれ程多くは無い。
オーディオファン=音楽ファンとは必ずしもいえないでしょうから、ハードにお金をかければソフトの保有量は当然少なくなる。

自分でも演奏する音楽ファンは再生機器はそこそこでも、ギターなど楽器にお金を費やしてましたね。。。

当時、学生は小汚くすることがファッションだったのでブランド品(衣料)にお金をかける男など皆無だった。もちろん通信費なんて10円玉ですんだので、金欠に苦しみながらも、それぞれ自分の好きな事につぎ込んでました。

私を含めた大多数は本・ギャンブル・酒に消えていきましたが、中にはバイトして次々と電化製品を買い込んでいくマイホーム主義の学生もいました(^^;

好みの音楽では、オーディオファンのアンケートらしくクラシックが2位となっていますが、当時の学生の間では圧倒的にロック・フォークが支持を受けていました。


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