攻め合いの基本2

6 手を縮める手筋

手を縮める手筋は、相手の弾力点を奪う筋と捨石を使う筋があります。

A  ツケ

6-A-1図  黒先  問題
原理や原則には例外があります。白の両バネのねばりを、どこからくずしますか。
攻め合い7型より


6-A-2図  失敗
黒1のオサエは単純すぎる。白2のコウでねばられて失敗です。



6-A-3図  勝ち

三子の中央になる黒1にツケる。ここが両方のハネを無力にする急所です。白2のツギなら、黒3にオサエて全体がダメヅマリです。

6-A-4図  変化
白2の方が抵抗力があるでしょう。黒は3で二子を取らせます。

6-A-5図  勝ち
取り跡に、黒5とホウリ込めば、勝ちとなります。


6-A-6図 方向違い 黒3の方で取らせてはいけません。白4のあと、黒3にホウリ込んでも、白は4の3路左へ打って負けてしまいます。
6-A-7図 白番  問題

三対三の攻め合いです。白はダメが詰まっています。急所はどこでしょうか。
攻め合い17型より




6-A-8図 正解

白1のツケが急所です。黒2で3に放り込んでもオイオトシにはなりません。白5、11が大切な手です。
白11でうっかり13とオサえてはいけません。ヨセコウになってしまいます。
6-A-9図 失敗 

白1のアテコミは、黒2と取られて、失敗です。






B オキ

6-B-1図 黒先 問題

三手対三手だから先に打てば勝てそうですが、隅の特殊性で簡単ではありません。

6-B-2図  失敗

白の手を詰めることだけに念頭になければ黒1と打ちますが、白6まで攻めあいは黒の負けです。
6-B-3図  正解

黒1のオキが白の弾力を奪います。以下黒7まで黒の一手勝ちです。

6-B-4図  黒先 問題

隅の黒は三手ですが、辺の白の手数が分りにくい。へたに攻めると自分のダメもつまのが悩ましいところです。
6-B-5図  失敗

黒1のアテは、白2にツガれます。白4で黒負けです。


6-B-6図  正解

正面がだめでも裏街道があります。逆サイドからの黒1のオキが手筋です。黒3のアテがうまい手です。
6-B-7図 正解続き

白1とツナでも黒2、4でオイオトシです。

6-B-8図  逆転

黒1のオサエはうっかりミスです。白2で黒の攻め合い負けです。
6-B-9図  失敗

単純な黒1は白2、4で黒の負けです。

C  ハネ

6-C-1図 白先  問題

三手対四手の攻め合いです。白は手筋を使って攻めあいに勝ってください。

6-C-2図  失敗

白1のハネは黒2とオサえられ、白3黒4のトリが手を縮めます。

6-C-3図  正解

白1のハネから決めるのが好手順です。ワタリがあるので黒2です。白3とオサえて白の一手勝ちです。


D  ホウリ込み

6-D-1図  白先  問題

三手対四手です。白△が重要な働きをします。



6-D-2図  失敗

白1、黒2では三手対四手で白の負けです。



6-D-3図  正解

手を縮める基本一つがホウリ込みの捨石です。白1の一子を黒2と取らせて白△に接触させるから、相手のダメが一つ詰まるわけです。
6-D-4図 黒番 問題

どんな形でも、隅をコウに持ち込めば成功です。



6-D-5図 正解

黒1のホウリ込みは見つけやすいでしょう。白2とサガった時、黒3とアテます。白4と取ったら黒5とアテ返して二段コウです。
6-D-6図 変化

すぐ白2の取りなら、黒3にホウリ込んでのコウです。二段コウより楽な形です。


E  コスミ

6-E-1図 白先  問題

急がば回れという格言があります。ワタリたいのです。

6-E-2図  失敗

白1とワタろうとしても黒2とワリ込まれて白の負けです。
6-E-3図  正解

白1とコスミでワタッています。黒6と抵抗しても白7までで黒の負けです。
6-E-4図 黒先 問題

隅の白を取っているヒマはありません。黒▲の一子をどう働かせるか。

6-E-5図  失敗

黒1のサガリでよさそうですが、白2のコスミに先回りされます。白8と打たれて黒の一手負けです。
6-E-6図  正解

黒1のコスミがぴったりの急所です。


6-E-7図  シボル

白2で一子は取られますが、黒3らアテて、黒5のツギが好手です。
6-E-8図  勝ち

白の手数は二手に縮まっています。白6と隅をハッても、黒7、9で一手勝ちです。
6-E-9図  変化

白2でワタリを止めれば、黒3で簡単です。白はどちらからも押す手なしです。

F  二子にして捨てる

6-F-1図  黒先  問題

三手同士ですが、白には隅をバックにした弾力があります。仕上がりは例の形といえばピンとくるでしょう。

6-F-2図  正解

とにかくどこかをつめねばなりません。黒1、3と二段にハネます。


6-F-3図  常用

白4の切りに、黒5にツイであとは一本道です。二子を捨石に石塔の形でシボリます。

6-F-4図  勝ち

白はどこまでいっても手は延びません。黒1のホウリ込みから、黒3にツイできれいに仕上がります。
6-F-5図  失敗

途中、白1の切りに、黒2、4でマクるのは筋違いです。

6-F-6図  負け

黒2にオサえても、白5のハネ一本で手が延びます。白9まで、黒一手足りない。
6-F-7図  黒先 問題

上辺白△の二子が取れれば成功です。相手の弱点をねらいたいです。


6-F-8図  正解

黒1とワリ込む一手です。白2に黒3のキリコミがワンセットの手筋です。白4のキリに、黒5にノビて取らせるのが手数を縮めるテクニックです。
6-F-9図  ツゲない

黒1のホウリ込みから、黒3にアテて、白二子が取れます。白が二子をツゲば全滅です。

6-F-10図  変化

白4の取なら、黒5で三子がツゲません。



6-F-11図  全部

黒1、3に、白4とは出てこられません。今度は黒5からシボる手があります。白6、黒7で全部取れます。
6-F-12図  失敗

黒1のツケは白2にツガれてそれまでです。


7  眼アリ眼ナシ

眼のある石と眼のない石とが攻め合ったとき、内ダメがあれば眼のある石が有利になります。
7-A-1図  白先 問題

四対五で先にやっても一手足りなそうですが隅でカバーしましょう。
攻め合い第5型より
7-A-2図  失敗

白1のハネは、黒2にツケられていけません。白3、5でも一眼あり
ますが・・・
7-A-3図  コウ

白7、黒8で、ダメがつまった形の
一眼では役に立ちません。白9と
つめてコウ争いです。
7-A-4図  正解

白1の眼持ちが、手数の不利をいっぺんに覆す有効打です。
7-A-5図  打ち欠き

黒は2のハネしかありません。白3の打ち欠きはすぐ打てるでしょう。
7-A-6図  ありなし

黒4に取らせて、もう一つ白5に打ち欠いて眼あり眼なしです。
7-A-7図  黒先  問題

三手対四手の攻め合いです。効果的な眼作りが必要です。

7-A-8図  失敗

黒1のような眼作りは失敗です。内ダメがありません。

7-A-9図  正解

黒1と内ダメ(1の右側のダメのこと)を作って眼持ちするのが正解です。
7-A-10図 黒先  問題

安易に打つと、セキになります。



7-A-11図  正解

黒1とわざわざ二目にして取られにいくのがこの際の好手で、眼あり眼なしに導く手筋です。


7-A-12図  正解続き

黒1と取り返します。眼あり眼なしで黒の勝ちです。結果が分ると簡単なようですが、前図黒1と捨石にした成果です。

8  コウの手筋

攻め合いのコウは、すべて石のダメ数に関したものです。自分のダメに余裕を作り、相手のダメを
一手でも早く詰める為、本来は二手かけなければならないのを、一手で済ます非常手段です。

A  ハネ

8-A-1図 白先  問題

白先でも二手対三手だから非常手段しかありません。


8-A-2図  正解

白1とハネて黒のダメを詰め、自分のダメ数の不足は黒2のアテに白3とハネて、隅の特殊性を利用して踏ん張ります。
8-A-3図  失敗

白1のコスミには黒2とコウ排除の手筋があり失敗です。


B  ホウリ込み

8-B-1図 黒先  問題


どんな形でも、隅をコウに持ち込めば成功です。
再掲

8-B-2図 正解

黒1のホウリ込みは見つけやすいでしょう。白2とサガった時、黒3とアテます。白4と取ったら黒5とアテ返して二段コウです。
8-B-3図  変化

すぐ白2の取りなら、黒3にホウリ込んでのコウです。二段コウより楽な形です。



C  ツケ

8-C-1図 黒先 問題

黒の三子は確定してますが、白の方は何手あるのか。第一手の急所から、コウに持ち込めれば成功です。
8-C-2図  正解

黒1のツケが第一の急所です。白は2のハネで頑張りますが、次の黒3が第二の急所です。

8-C-3図 正解続き

あとは白4にノビて、黒5になるのが最強の手順です。


8-C-4図  白負け

白1のツギは、黒2で手数は二手しかなくなります。


8-C-5図  白負け

白2のオサエも抵抗不足です。黒3でこれは単純に黒勝ちです。


8-C-6図  失敗

黒1のアテ込みは急所ではありません。白2に黒3、5のねばりも、白6に回られては空しいばかりです。

D  コスミツケ

8-D-1図 黒先 問題

詰め碁と同じように、攻め合いでも相手の抵抗が読めなければ失敗します。第一着の急所は分りやすいでしょう。
8-D-2図  正解

黒1のコスミツケはウッテガエシのねらいです。白2のハネに黒3とオサえます。これで黒勝ちというのではやさしすぎます。
8-D-3図 正解続き

あとの白4のハネまで読みきれたでしょうか。黒5のコウになるのが最強です。
8-D-4図 抵抗不足

白2のサガリは、黒3でダメヅマリです。白4には黒5のウッテガエシです。

8-D-5図  負け

黒1のオサエはスタートで失敗です。白2のコスミが攻め合いの急所になり、黒3、白4で身動きできません。
8-D-6図  オキ

黒1のオキは白2であとが続きません。ヨセの手筋としてなら有効です。

E  コウ付き

8-E-1図 黒先 問題

コウ付きの攻め合いのときは、コウは最後に取るようにしましょう。

8-E-2図  正解

黒1、3と取れるコウを取らずに外側からダメを詰めるのがよく、白4のとき黒5と最終的な取り番が回ります。
8-E-3図  失敗

黒1とコウを取ってから黒3、5と外側のダメを詰めていくと、白がコウ取り番となってしまいます。

F  カケツギ

8-F-1図 黒先 問題

実戦では辺の黒二子はあきらめてしまいそうです。必要は発見の母。ちょっと工夫してください。
8-F-2図  正解

とにかく黒1とハネる一手です。黒3が目的をもったツギ方です。

8-F-3図  コウ

白4に黒5とサガって、7までのコウはもう見やすいでしょう。


8-F-4図  セキ

前図白6で、1とがんばるのは、黒2からつめて先手セキです。
8-F-5図 失敗

黒1、3のツギでは工夫が足りません。白4、6で黒負けです。

8-F-6図  サガリも

黒1、3も読み不足です。白4のキリ一本で手がなくなります。


ホームページへ