四子局2

 第1譜 7手 (通算1-7)
白    戸沢昭宣プロ

黒四子 石田芳夫プロ

今回の作戦

1 簡明に打つ。
  ツケノビ定石は形が決まって後が分かりやすくなります。

2 白に地を作らせないことを目指します。
  主導権は黒にあるのですから、まんざら不可能ではないでしょう。

 さて、うまくいきますかどうか。
結果は見てのお楽しみ!

次の一手は?

黒番
ツケノビ定石ですが、黒はどう備えるものでしょうか。 
 第2譜 10手 (通算8-17)
 次の一手解答

黒1星下ヒラキ
よりも星下のほうが好点となります。
黒▲とのバランスも十分とれています。
黒1のヒラキが本手で黒は堅実すぎる。

黒7でへワリ込む定石もあります。
先手を取りへトブなら普通ですが、
本局では甘い意味があります。

次の一手は?


黒番
白10に対して、黒はどう応じますか。
のどちらかです。

 第3譜 12手 (通算18-29)
 次の一手解答

黒1のハネです。3のノビより強く、白2のトビに黒3とツイで、
下辺の幅が大きくなります。
黒1,3のハネツギの呼吸が大切です。

白4とは深い打ち込みです。

黒7はのカケからいくべきでした。

次の一手は?

ヒントは右辺とだけ申しておきます。



 第4譜 14手 (通算30-43)
 次の一手解答

黒1のツメが正解です。

白2の受けは仕方がありません。

黒3がたまらない好点です。
のねらいがあります。

黒1,3,7と大場を占めて黒は好調です。

次の一手は?

黒番
下辺中央へ目を向けてください。
 第5譜 11手 (通算44-54)
 次の一手解答
黒1のコスミツケです。高級な打ち方です。

白2,4と二段にハネられ黒3,5はつらい形です。
白に調子をつけさせたからで、といって黒7で8にノビキるのは
と隅を攻められて苦しい。

結局、白10まで中央を厚くさせ、黒も11まで
約35目の地を稼いでいます。

黒が地を稼ぎ白は中央が厚い。

次の一手は?


白番
中と左辺が厚くなったので、どこから手をつけていくものでしょうか。
 第6譜 13手 (通算55-67)
 次の一手解答

白1の打ち込みです。
中央が厚いので、ここまで打ち込めるのです。
以下白13までの生きは常用の手順です。

の打ち込みより白1の方が大きい。

次の一手は?

黒番
左上を備えるか、それとも別の場所へ?




 第7譜 14手 (通算68-81)
 次の一手解答

シチョウアタリの黒1のノゾキです。
黒1のノゾキはブロの手でアマはのカケツギが普通です。
黒1は白3の切りに備えたシチョウアタリ、と同時に
中央の白の眼形をうばう手段です。
しかし、アマの皆さんには黒のカケツギをおすすめします。

白2から白4と迫ってくるのは当然でしょう。
そして白6のカタツキです。
上辺の星下にある黒石にモタれながら、
左上の黒にねらいをつける高等戦術です。


次の一手は?


黒番
白14と上辺に根を下ろしてきました。
さて、黒の応手は?
 第8譜 14手 (通算82-95)
 次の一手解答

黒1のハネが正解です。
この点を白から打たれては、黒はつらい形になります。

白4を利かして白6のツケは苦心の運びです。

隅を白に与え黒11,13が大勢をにらんだ佳着です。

次の一手は?

黒番
黒の先手、どこへ向かいますか。

 第9譜 18手 (通算96-113)
 次の一手解答

黒1のノゾキが正解です。
上辺の白にねらいをつけます。黒2の切りが入れば、
のカケが大きくなります。

黒5の抜きは手堅く黒9のノビは不可欠です。

白12まで白は生きるだけになりました。

黒9のノビを手抜きでは白9、黒、白、黒、白
黒六子が取られです。

次の一手は?

黒番
右上隅で先手を得た黒は、さてどこへ目を向けたらでしょうか。

 第10譜 19手 (通算114-132)
 次の一手解答

黒1のケイマが正解です。
この一手により、中の白を取り込みながら黒地の拡大を
図っています。

白2から白6と黒地減らしをかねて、ヨリツキもねらいます。

黒17を手抜きすることはできません。
ここは黒と眼を持つようでは意味がないのです。

次の一手は?

白番
左辺の白が治まっているか、どうか。
治まっていないとすれば?

 第11譜 19手 (通算133-151)
 
 次の一手解答

白1のハネが正解です。
こうハネて地を広げるのが肝心です。
などに眼を持つ打ち方はつまりません。

白1,3と地を広げます。

黒14は味の良い打ち抜きです。
白14とツガれたときの図を予想すれば、よく分かります。

次の一手は?

黒番
もう決まっているみたいですが、ずばりどこへ?
 第12譜 15手 (通算152-166)
 次の一手解答

黒1のツギが正解です。
ガッチリとツイで問題ありません。
たとえ白2とクセをつけてきても、黒3とアテて心配はないのです。

黒5,7、9の利かしに対して、白6,8,10はいずれも
欠かすことはできません。

次の一手は?

白番
白の次の一手はなかなか当てるのは、難しいはずです・・・




 第13譜 14手 (通算167-180)
 次の一手解答

白1のツケは様子見です。

白1から白3が白の錯覚でした。
単に白4が良かった。

次の一手は?

白番
まだ大きな手が残っています。
これは簡単でしょう。




 第14譜 13手 (通算181-193)
 次の一手解答

白1のマゲでした。
こうして白△二子を引き出すのが、この際、大きいのです。

黒10のとき白11と打ち、黒12と抜かせました。
白11は上辺の白の眼づくりの関係も考慮した手といえます。

次の一手は?


黒番
大きい小さいというより、双方の味やアヤを見ます。



 第15譜 14手(通算194-207) 黒13コウ取る(10の下)
 次の一手解答

黒1のハネでした。
左上隅の白に対して、将来のアヤを見たハネです。


次の一手は?


黒番
左上隅の白に対するアヤとは?
どこから手をつけますか。



 第16譜 12手 (通算208-219) 白6ツグ(3)
 次の一手解答

黒1の切りが正解です。
先の話ですが、こう切っておいて味を見る高級な手段です。

黒3とホウリ込み黒5とアテます。これは将来、
黒11とダメがつまると、白12の取りが必要となります。

黒1の働きにより白12の抜きが必要になりました。



 第17譜 14手 (通算220-233)
 石田「今日は白地を作らせない打ち方でした。アマチュアには
左上の黒が心配になったでしょうが・・・
しかし、左上や左下の黒が心配なようじゃあいけません。」











 第18譜 15手 (通算234-248) 半コウツギツギ

 戸沢「どうもヨセで損をしました。」

石田「白△(第12譜白14)で黒▲にハネツギ、そして
白□と助け出せば、50目ぐらいの差でした。」


248手終了

黒58目勝ち



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