大模様

大模様の消し方
04/05/03
大模様の広げ方
06/01/06

大模様の消し方

初級者・中級者の方が大模様に接するとどう打っていいか分らないことが多いようです。
大模様がそのまま地になったり、深く入りすぎて攻撃目標になったりします。
ここでは大模様の消し方の基本について書きますので実戦で活用してみてください。

問題の部

第1型  黒番   解説

黒は右辺一帯の白模様を消しにいきたい。
深く打ち込むのは危険です。

この白模様にどこまで入れますか。
この形は白△をひとつの目安にします。

A、B、Cのどれが適切でしょうか。













第2型  白番   解説
右辺の黒の構えはしっかりしています。

黒が低い構えなので軽く消したいところです。

a、b、c、dのうちどこがいいでしょうか。

















第3型  白番  解説
上辺から右上隅へ張りめぐらされた黒の模様を消すにはどこから手をつけたらいいでしょうか。
a、b、cのどこがいいでしょうか。



















第4型  白番   解説
左辺の黒の模様は、全般的に低い構えです。

白はいろいろな消し方があるでしょうが、黒の低位に対する常識的な運びをすれば間違いありません。

aの肩ツキ、bのボウシ、cと低くもぐり込んで様子を見るのどれが適切でしょうか。














第5型  白番  解説
右上隅の黒模様が気になります。そこで白はそこへ眼を向けるのですが、どこが良いでしょうか。「この一手」という一手があります。


a、b、c、dのどれが正解でしょうか。


















解説の部
1 どこまで入るか

1-1図 白に受けさせる正解

この形では、白△の内側へ入ってはいけません。白△と白△を結んだ線の外側で線に一番近いところが適切と言われています。それが黒1です。黒1ならば白2と受けます。
1-2図  白の攻めは無理

黒1を白2と攻めても黒を捕まえることは出来ません。黒5のトビで楽に逃げられます。白はaに打たなかったので、逆に黒からa、bなどと荒らされてしまいます。
1-3図  黒の深入り

白△の線内に入って黒1と打つとどうなるでしょうか。白2以下6まで上方は包囲されました。続いて



1-4図  完全封鎖

黒7のコスミから9とトンでも白10までぴったり封鎖されてしまいました。

1-5図  遠慮

黒1ともう一路ずらせるのは、さすがに遠慮しすぎだと思います。白2と受けて白は十分です。
1-6図  手遅れ 問題へ

1-1図の黒1を打つ機会が遅れると白△と打たれて手遅れになります。白6まで黒の苦しい戦いになります。

2   肩ツキ

2-1図 消しの定石 正解

ここは白1の肩ツキが絶好です。この肩ツキは、消しの定石ともいえる手です。

2-2図 白4が形

黒1、3という打ち方もあります。白2、4が形です。黒は重複気味なので前図の方が良い。
2-3図 黒低位

白△の肩ツキに対しては、黒1、3の打ち方もありますが、この場合は黒▲が低いので黒が面白くありません。
2-4図 攻められる

白1は黒2と攻められるので適切ではありません。白は生きたとしても白はつまりません。

2-5図 黒の攻め損じ

黒1は攻めを誤りました。白4と逃げられ攻めが甘くなりました。

2-6図 黒を固める

白1は消しの一つの方法ですが、この場合は適切ではありません。黒を喜ばせるだけです。
2-7図 白も調子づく

黒1のケイマは白に調子を与えてしまいます。白2、4は手筋です。黒7と取れば


2-8図 互角 黒9ツギ(4)

黒11とキッて一段落です。白黒共に満足です。黒▲が光っています。


2-9図 黒模様雄大 問題へ

白1のツケは消しの方法の一つですが、ここでは適切ではありません。黒8まで黒雄大な模様ができました。隅の白はコウになるのでもう一手必要です。

3  ボウシ

3-1図  ボウシが絶好  正解
黒模様を消すのには白1が絶好点です。

黒2のコスミなら白3、5、7、9と形を整えて白の消しは完全に成功しました。






3-2図  ツケギリ

前図2のコスミで、本図黒1とケイマで受けてみます。

白2、4のツケギリはよくある手筋です。

黒5に白6とキッて続いて・・・





3-3図  白のサバキ成功
白は1のアテから3とヒキます。

黒4のキリは必要で正着です。

白5と形を整えることになっては、白のサバキは成功です。





3-4図  打ち込み1
白1の打ち込みはどうでしょうか。

黒はノータイムで2とツケて悪くありません。白3のノビなら黒4とオサエです。

万一黒▲が取られても黒の右上隅一帯の厚みはそれを十分に上回ります。


3-5図  打ち込み2  問題へ
白1と深々打ち込む方が黒地を消していると思った方もあるでしょう。しかし、この考えは間違いです。

黒2、4と厳しく攻められます。
黒▲三子も攻めに働いてしまいます。




4  ツケ

4-1図   下ツケ  正解

白1とツケて黒の受け方を見るのが面白い。黒2とヒケば白は3とハネます。以下白7までサバキました。左辺に並んだ黒の三子がそろって低いのも白を満足させます。


4-2図  白サバける

前図4のツメで、本図1と隅からオサえるのは足が遅すぎます。白は2とヒラキ、黒が3と攻めてくれば、4と一間にトビ出して軽くサバけます。



4-3図 白軽いサバキ

白△のツケに対し黒1とオサエるのは強い態度です。白2は知らないとなかなか打てない手です。黒3のツギに対しても白4と軽くハズすのが良い手です。黒5ノビに白6のトビとなっては白は一応サバキの目的を達成しました。
4-4図  重いサバキ

前図白2のツケが正解といいましたが、この手を知らないとサバキが重くなってしまいます。白1、3のとき黒4とケイマされて白の苦戦です。

4-5図 白、楽なサバキ

黒1とオサエてきたときは白2とキッてしのぎは容易です。黒3のカカエから7のポン抜きまではほぼ一本道ですが、白は8の肩ツキが良い見当です。

4-6図  利かし

白△のツケに黒1とノビれば、白はこの交換を利かしと見て白2と肩をつくのが石の調子です。白△と黒1を利かしと見たのは、将来白からaとハネ、黒b、白cで隅に最小限の生きがあるというのがその理由です。
4-7図  白サバキ

白△のツケに黒1も一つの応手ですが、この場合は適切ではないようです。というのは、3のヒキ出しを見て白2と打ち込むのが適切で、黒は3とオサエるぐらいです。そこで白は楽々4と逃げ出せば、「消し」の目的は十二分に果たせました。

4-8図  不十分

白1の肩ツキはごく常識的な消しの手段ですが、これではやや不十分と思います。つまり黒2のオシから4のケイマは当然の進行ですが、これを先に打たせてしまうとこれから白aなどと様子を聞くことが不自由になってしまいます。当然bと抵抗されます。なお白は5と逃げるぐらいです。
4-9図 白、方向違い 問題へ

白1のボウシも消しにおける常套手段ですが、これは方向違いです。黒は2とケイマに受けていて問題ありません。続いて白は3、5とツケギるぐらいのものですが、黒は定石どおりおとなしく10までと一子を取っていて、左辺が自然と固まるので満足でしょう。

5  割り打ち

5-1図 見合いにする 正解

白1と割り打ちするのが正解です。この手は黒2とツメてくれば3とヒラくし、黒2でaとツメてくれば白2とヒラきます。つまり両方のヒラキを見合いにしているので、余裕があります。


5-2図 白苦しい

白1とハサむのはよく見られる手ですが、この場合は黒2のツメが絶好となります。しかも続いて白aとカケても黒の厚いところですから、黒bと反発されて白の苦しい戦いになりそうです。


5-3図 黒の封鎖

では白1と低くハサむのはどうでしょう。黒はやはり2とハサむのが好点です。続いて白は3とワタるぐらいのものでしょう。黒は白をワタらせて封鎖する作戦です。黒4のツケがきびしく、白5、7に黒8までと封鎖しては黒の厚みが雄大です。
5-4図  白、分裂

前図白3のワタリは黒に封鎖されるので、それを嫌って本図白3とトンでみます。黒4とトバれると白二子が孤立してしまいます。つまり、白aとツケるのは黒bで白が困ります。白cのケイマは黒dとコスまれて白が感心しません。
5-5図 白危ない 黒10ツグ

白1と小ゲイマジマリの弱点をつくのは、この場合打ち過ぎです。黒2とケイマされ、白3、5のサバキの筋も、黒12と急所を一撃されて白危険です。


黒の大模様
いままで白が右上隅の消しに回る例をあげました。
この場面で、白が消しを実行するのに丁度良い機会です。
例えば白が左辺に打つと、黒は右辺にもう一手いれ大模様が完成してしまいます。




















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