定石途中3

問題の部

第19型  白番  解説
白8手抜き

黒1の高目には、白2のカカリが普通です。黒3と内ヅケすれば白4以下黒7まで変化の余地はありません。
黒13と打たれて白五子は苦しそうですが、白には素晴らしい手筋が用意されています。私には思いつかない手です。
第20型  白番  解説

黒1の高目の位置は、隅よりも中央を重視しています。黒3と5の外ヅケはその意味を継いで中央を厚くしようとしています。
黒5は近頃は見かけません。
私が中学生の頃祖父に打たれて困った記憶があります。






第21型  白番  解説

黒3の小ゲイマガケは中央志向の高目の目的を継承しています。白4とツケて隅の地を確保しようとする手です。
黒5は外勢を作りたいという意思表示です。黒7のキリはこれを捨石にして外勢を強くしようとする含みがあります。
白の打ち方によっては、黒7が捨石ではなく威張ってくることがあります。
第22型 白番  解説

黒と白共に二段バネです。黒6のオサエは黒からaにキル手とbにアテる手のあるところですが、そのどちらもきめずに6とオサエることもあります。このあと、白はどのように打ったらいいでしょうか。
第23型 黒番  解説

白3、5とツケてキリチガエる手段は、隅の黒地を荒らしながら早くおさまろうとするつもりです。「キリチガイは一方ノビよ」の格言どおり、黒6がもっとも簡明な応手です。白7が問題の手でやや無理です。黒はどう応じたらよいでしょうか。

第24型  解説

この素晴らしい黒のダンゴが、どのような手順で出来上がったでしょうか。一見してワカレバ相当の勉強家です。

第25型  解説

この形を見て、白△と黒▲の交換が白の大悪手とわかる人は、相当手筋に明るい人です。白△のアテは保留しなくてはいけません。なぜ白△のアテがいけないでしょうか。
第26型  黒番  解説

白1と一方を二間に高くカカル両ガカリです。「低い方にツケよ」の格言に従い、黒2、4とツケノビるのが普通の着想です。
白7の出は無理手です。これをとがめてください。



第27型  黒番  解説

白1は黒地を狭めながら自己の根拠を求める手です。黒2のオサエは穏やかで、隅の地を大切にする手です。白3と二段バネに黒はどのように受けますか。













解説の部

19-1図  正解

白1が正解です。こんなところへツケるのを発見できるのは才能豊かな人でしょう。凡人には不可能です。

19-2図  止まらない1

黒1と出ていくのは、白2から4とツケコシ、6と右辺の黒にからんでいきます。白8とつながってしまいました。

19-3図  止まらない2

白△の突き出しに黒1と出るのは白2と切ります。黒3の抱えは仕方ありません。白4のアテを利かし、白6となっては黒が悪い。
19-4図  止まらない3

黒1のハネは白2とキラれてしまいます。以下白12と黒の囲みを破ってしまいます。
19-5図  止まらない4

黒1のハネも無理です。白2とキラれて右辺か上辺のどちかが破れてしまいます。黒3、5なら白8と突きぬいて白が良い。
19-6図  定形  問題へ

黒1と右辺を固めます。
白2から白4まで連絡しました。


20-1図 黒厚い形

白3、5のハネサガリは俗筋です。中学生の頃はこのように打っていました。黒8まで黒の厚い形です。





20-2図  黒好調

白3のハイを先にすると、黒4のノゾキが好手になります。続いて黒6、8、10と右辺を固めて黒好調です。
20-3図 黒両方打つ

白が隅を手抜きして1のハネを打てば、黒2、4と隅の地を取ります。白5、7と中央に進出しても、黒12まで上辺を治まって白を攻めています。








20-4図 黒働いた形

白1と出て上辺の黒二子を攻めようとしました。黒2が大きな実質です。白3のあと、黒4から上辺を打って、黒の働いた形です。

20-5図  黒十分

白1のコスミはゆるんだ形です。黒2と決めて外が厚くなっていきます。白1が働かない位置にきています。


20-6図  定石 問題へ

白1と突き当たり3と打って隅で生きます。白5は右辺の黒を強化させない打ち方です。黒8のあと、白aの出が狙いになっています。
21-1図 捨石が威張る1

白1のアテに黒2とノビて捨石が威張ってきました。白3のオサエには、黒4の下アテが成立します。白5と逃げても黒6、8、10で見事に取られてしまいました。

21-2図  捨石が威張る2

今度は白1とこちらをオサエてみます。黒2から4と応じられて白の失敗です。





21-3図  白の反抗1

白1のとき、黒2とじっくり腰を落とすのが冷静です。白3には黒4、6の反撃が強烈です。黒6に対して白aとキッても黒bで後続手段がなく、また白bとキッても黒aのとき、cのキズがあるため白dとトルことが出来ません。
21-4図 白の反抗2

白1のツギしかありません。黒2のとき、白3、5とハネて一見隅の黒がとれたかに思えます。ところが、この形には落とし穴がかくされているのです。黒6のオキがダメをツメる手筋です。
21-5図 白の反抗3

黒5コウトル

黒1のブチコミがうまい手です。白4のとき隅を取り返してコウです。こんな大きなコウでは白の壊滅です。
21-6図  定石 問題へ

白1、3で黒二子はトレています。二子は捨石として使い、黒4から8までをキカします。当初の作戦どおり、黒は外勢を得ることができました。

22-1図  黒有利

白1、3とやっても、黒4と逃げて、逆に黒6で白の主力部隊を取り込んで、黒有利なワカレです。
22-2図  黒優勢

白1の方からキッて隅を取に来れば、黒4、6と一子を取って問題なく黒優勢です。
22-3図 眼形やや乏しい

白1とがっちりツナぐのはやや眼形に乏しい。黒2とツゲば黒もしっかりします。
22-4図  黒不満

白1とカケツぐ手もあります。これに対し黒2とツグのは、白3とハネられてよくありません。



22-5図 黒大優勢

初心のうちは、黒2とハネる手は白3とコウに受けられてこわいと思いがちですが、序盤にはたいしたコウ材がないのが普通ですからかまわず4から打ち抜いてしまい黒大優勢です。
22-6図  恐れずに 問題へ

黒2と一本アテて、白3、黒4が好手順です。地の出入りにかなりの差を生じ、また、白の眼形がずいぶん違ってきます。


23-1図 黒やや不満

黒1の突き当たりは一番分かりやすい手です。しかし、白2から8まで隅を取られてしまいます。黒9と備えても黒やや不満です。
23-2図  黒良し

黒1のアテから5まで、簡明に突き抜いて黒良しです。



23-3図  黒良し

隅を取りたければ黒3とオサえれば良い。黒5とオサえて白二子は取れています。


23-4図  黒良し

白1、3のハネには黒2、4とオサえ、白5のツギには黒6とハネて解決です。このハネ以外はコウの危険があります。


23-5図  黒良し

白5とこの方をツイだ時には黒6のサガリが肝要の手です。これで無条件です。うっかり一路左にハネたりすると、白に6の点をウチカカれ、コウかセキになります。
23-6図 基本定石 問題へ

白11まで先手で安定し、黒も小さくない実利とともに安定して不満がありません。大ゲイマ受けのキリチガイの基本定石です。

24-1図  原図

黒1から7まで何の変哲もありません。白8とツケて、10とおくのがちょっと顔の売れたハメ手です。


24-2図  一本道

前図に続いて黒1とサガれば、白2のキリは当然です。白4、6が手順で白8まで一本道です。黒9と白二子を取ります


24-3図  ダンゴ
黒4ツグ

白1とホウリコんで3とアテ、黒にツガせてから白5とツギます。
第24型のダンゴ石のできあがりです。
24-4図 ヘコミの手筋

黒1がダンゴにならない好手で、今度は黒3、5とシボッて白がダンゴです。
24-5図 白失敗

黒2と一眼を確保してから黒4が攻め合いの手筋です。黒8までは白の失敗です。

24-6図 黒有利 問題へ

白は前図がひどすぎたので白2と変化しました。白は隅で白8まで生きましたがおもしろくありません。
25-1図  定石

基本図に至る手順です。ここまでが定石になっています。武宮先生は黒12から16までは黒の手がおかしく定石とはいえないとおっしゃっています。



25-2図  白の狙い

前図の黒16がなぜ必要かを調べましょう。白1のハサミツケが厳しい手段になります。白は白13まで三子を捨てても全体的に得をしています。黒はまだ完全な生きではありません。

25-3図  問題外

白1に黒2なら、白3とワタり、黒4のキリが成立せず、黒が全然いけません。




25-4図 肩スカシ

25-1図13の手で、ただちに白1のハサミツケは無理です。今度は黒2が沈着です。白3なら黒4とキッて白の二子を取り、損はありません。




25-5図 悪手の理由

白△と黒▲のある25型では、白1のハサミツケは成立しません。黒4が有名な「イタチの腹ヅケ」で、以下どうもがいても白はうまくいきません。


25-6図 黒失敗 問題へ

前図黒8とサガる手順を知らないで本図黒8と打つと白9で黒が困ります。このアテられた一子を黒がサガって白に眼形を与えないようにすれば二子の方をキラれるし、二子の方をツゲば、一子をトッて白は隅を生きてしまいます。
26-1図  白無理

白1、3のデギリは無理です。黒4と一本アテて6が良い手です。白7以下13まで必然です。転じて黒14のハネが好手で、隅にこだわるとかえってハメられます。黒24まで隅は黒の一手勝ちです。
26-2図  黒ハマリ

前図黒14で、黒1、3などとやると、白は4のキリから6のカケが手筋です。黒三子は金縛りで脱出できません。

26-3図  黒有利

26-1図の白17で上から白1とトレば、黒2で両アタリで白3とトルしかなく、黒も4とトリます。以下7まで隅はセキです。白からコウにする手段はありますが無謀でしょう。隅をセキと見れば、外の形は黒断然有利です。
26-4図  白ツブレ

26-1図の白9で、白1とコスめば黒2が沈着です。白3のトビに黒4が手筋で、6、8が好手順です。黒10のウチカキが肝要です。隅はこのままで黒勝ちです。
26-5図  相場

26-1図の白11では、白1が有力です。以下白5までは必然です。白は相当厚い姿になります。



26-6図  定石  問題へ

26-1図の白7で1とコスむのが定石です。




27-1図  白やや利かし

白1のハネに黒2のツギは穏やかな手です。黒4のオサエは大きな手で逃せません。


27-2図  白やや利かし

黒2の二段バネも一応は手筋です。白は3に引いてよい。黒は4くらいにツグくらいのものです。分りやすいが、白がやや利かしになっている。
27-3図  簡明

黒2とアテ、4とツイでいるのも分りやすくてよい打ち方でしょう。白5でワタっています。


27-4図  味が良い

黒は機をみて、1と決めるのが良い。黒は7まで味よく決まります。白△の一子が働きの無い石になっています。黒は味が良い。
27-5図  黒打てる

黒3とトンでいく変化です。白8は形です。黒9とオシて後は戦いですが黒は十分打てます。
27-6図  互角

白2のキリには黒3とツイでいて分りやすい。白4に黒5でぴったりとまっています。


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