石の攻め方2

8型  黒番   解説

右辺中央の白三子をどう攻めますか。


9型  黒番  解説

白の二間ビラキは寸が詰まって、いかにも窮屈そうです。どんな攻め方がいいでしょうか。

10型  黒番  解説

攻めのターゲットは左辺の白二子です。でもどうやって攻めるかとなると、意外に難しいものです。
11型  黒番  解説

今白△と打ち込んだところです。この白△をどう攻めたらいいでしょうか。
12型  黒番  解説

よく現れる形ですが、白二子を如何に攻めるか、ちょっと高級な問題です。シンを止めるか、側面から攻めるか。
13型  黒番  解説

白二子を如何に攻めるかという問題です。


14型  黒番  解説

白に不安な石は見当たらないようですが、チョッカイを出したくなる石はあります。
「攻めながら得する」手段を探してください。攻めの方向が大切です。

15型  黒番  解説

置き碁によく現れる型です。白1と打ち込み、黒2、4の攻めに、白5と曲がったところです。白三子をどう攻めたらいいでしょうか。

16型  黒番  解説

上辺の白が生きていません。この白を無造作に取りにいっていいものか、まず考えてください。


17型  黒番  解説

右下の一団と下辺の一子を、いかにカラミに持っていくかが問題です。連絡形にさせないで、裂いて出たいのですが、白の形も余裕があります。手厚く攻めたいところです。






3 ボウシ(続き)

8−1図  ボウシからケイマ

黒1とボウシしてしんを止めるのが正解です。白2と逃げてみます。黒3とケイマにアオるのが形です。ボウシからケイマ・・・これは攻めのパターンの一つです。白は4、6と押すよりなく、黒7と追撃します。中央が厚くなり、右上も固まります。ボウシの効果は歴然としています。
8−2図  封鎖  問題へ

白1とこちらに出るのはどうでしょうか。黒2と一本様子をきくのが巧妙です。白3と受ければ、黒4のケイマです。白5とトンでも黒6と封鎖できるのが自慢です。白は死ぬことはないにしても、苦しさは明らかでしょう。


9−1図  黒不満

黒1のボウシは白2、黒3と換わって、下辺を限定されるのが気に入りません。白4とコスミだされては、攻めも持て余しそうです。これは黒がよくありません。





9−2図  正解

同じボウシでも、正解は黒1です。白を攻めているのと同時に、下辺を盛り上げているのが自慢です。白2のトビを許しても、右上の黒が固いので痛くもかゆくもありません。そして黒3のコスミが厳しい。白4と素直に受ければ、黒5から7、9のデギリが用意されています。黒11,13と切断に成功しました。
9−3図  白不利

黒1のキリに白2とツグのは悪手です。黒3と実利を稼がれたうえに、右辺の白は棒石です。相当な攻めを覚悟しなければなりません。





9−4図  大きな抜き

黒1とこちらをキルのは黒がよくありません。白2、4と抜かれて白を強くしています。





9−5図  あげ足

黒▲のコスミに白1は黒2のツケが会心の一打です。まさに「あげ足を取った」感じです。白3のヒキと換われば、白1が中途半端な一着になっています。白の眼形が薄いので、今度は白5に黒6とやわらかく受け、攻めを継続します。
9−6図  突き破る  問題へ

黒1のツケに白2から一子を取るのは、黒7までと白を突き破ります。





10−1図  正解

黒1のボウシが正解です。この一手は白二子に迫っただけでなく、左上の黒三子の応援になっています。「弱い石から動く」という攻めの鉄則に沿った手です。





10−2図  追求する

白1、3のツケノビはもっとも常識的な手です。「攻める石にはツケるな」といいますが、この場合は白がサバいている立場なので、白1がいい手になります。黒6とさらに追求するのが正しい態度です。白7のキリには黒8から14まで、黒2の一子をあっさり捨てるのが予定の行動です。ここで白17が省けません。
10−3図  ツケが急所

この局面で白が手抜きすると痛い目にあいます。黒1とツケられてしびれます。白2には黒3でぴったり封鎖されてしまいます。勿論取られることはありませんが、中でもがいて黒を厚くさせるのが嫌なのです。黒石は実にのびのびしています。


10−4図  調子を求める

黒1から面白い。白4のキリは怖くありません。黒7に石がきたことによって黒9、11のツケ切りという手筋が生じました。白12のカカエなら黒13,15と隅を食い破って、実利が大きい。

10−5図  トビも一策

黒▲のボウシに対して、白1とトブのも一策です。白自身の形ははっきりしませんが、黒を固めてもいないという特徴があります。黒2と受けるのがいい。白3には黒4を決めて連絡を確かめ、例によって黒6へ。おなじみの手筋の登場です。
10−6図  コスミ  問題へ

黒のボウシに白1のコスむ変化です。黒2とアオり、調子で4と守るのがいい。白5のコスミにはもう一度、黒6のケイマです。もちろん善悪をいえる段階ではありませんが、黒の石はのびやかで好感がもてます。

4 ケイマ

"追うはケイマ、逃げるは一間"という格言があるように、ケイマで攻めるのもボウシと同じように実戦で非常に多く用いられます。
ボウシがとりあえずシンを止めて、どちらに逃げるか、相手の出方を見るのに対し、ケイマは一定の方向に相手を追いつめるのが基本的なパターンです。
11−1図 厚みを作る

まず黒1、3を利かします。白2、4はやむを得ません。厚みを作るのが、攻める前の準備です。



11−2図  ケイマ

そこで黒1のケイマにあおるのが正解です。白△はほとんど助からない形です。



11−3図攻めにならない 問題へ

黒1のトビもなかなかのところですが、これは攻めになっていません。白2、4とトビ越され、もうつかまえることは不可能です。上辺の黒に一手かけなければなりません。
12-1  側面から攻める

黒1とこちらからケイマで攻めるのが厳しい。まさにこの一手です。続いて、
12-2  戦果

白2とトンだりすると、黒3とつけ越されて打つ手がありません。

12-3  白 つぶれ形  問題へ

したがって白2を決め、4とトブのが白の最強のがんばりです。黒は5と押す一手で白6には更に黒7、9と押し、11とカケます。白はつぶれ形です。
13-1  ケイマ、ケイマ

11型、12型と同じように黒1とケイマであおるのが正解です。白2と逃げても、さらに黒3とケイマにカケる好調子があります。

13-2  車のあと押し

黒1に白2以下と押してくれば、黒3、5と平易にノビます。常に一歩先に出た黒の厚みは絶大で、右下方面に大模様が期待できます。

13-3 ボウシは失敗  問題へ

黒1のボウシは白2、4と調子よく脱出されて失敗です。黒5と攻めても、白6のタケフで、ボウシした一子にさわってきます。黒▲の厚みも働いているとはいえず、右下の模様も、それほど期待できません。
14−1図  正解
右上の白四子は不安定な石ではありませんが、いじめが利く形はしています。
そう考えれば黒1の発見は可能でしょう。白2に黒3とさらにアオって圧力を加えて黒7まで打って黒が厚くなっていきます。上辺から左辺にかけてふっくらしてきた感じがします。













14−2図  手抜きは

右上の白は手を抜きづらい形をしています。黒1一本で連絡を妨げて、黒3とオク手が厳しいのです。

14−3図  肺腑をえぐる

ついで白1と隔てれば黒2、4が筋です。以下10までとしろ四子を食いちぎることができます。利益はそれだけではありません。
14−4図  全体も

白1には黒2とハネて、攻め合いは勝ちです。それどころか本体の白も連絡は難しい。白3には断固黒4、6と切断して、黒8までとなると命すら危険な状態です。
14−5図  どんどん出る

また14−3図の白1で白1とコスミツければ黒2と出ていきます。白3にも構わず黒4、6・・・・・。
14−6図  脱出成功

ついで黒1、3のハネツギが先手で利くのが自慢です。それから黒5、7と脱出すればいい。
14−7図  大成功

黒1に白2なら勿論黒3とワタリます。

14-8図  ふっくら  問題へ
そこで白1と連絡を確かめましたが、黒は先手で4、6のオシから8に回れば十分でしょう。白9はこんな相場でしょう。前に黒▲と白△を利かしたことによって、白から適当な進出がないのも自慢です。黒は中央がだいぶふっくらとしてきました。これも攻めの効果です。












ボウシで攻めるか、ケイマで攻めるかは、常に迷うところです。ケイマで攻めるには
1 相手を自分の厚みに押しつけることが出来る場合
2 ケイマによって、背後に地模様が期待できる場合
二つの条件が揃えば申し分なく、一つでも有効となる場合も多い。

5 モタレとケイマ

相手の弱石をいくら攻めても、"大石死せず"の格言があるように、そううまくいくとも限りません。逆に攻めすぎて自分の方がおかしくなった、という経験は、どなたにもあることでしょう。
しかし、相手に弱い石が二つ以上あると、攻めは確実にその効果を発揮します。
モタレ戦術、カラミ戦術は、二つ以上の弱い石の攻め方の要領で、両者に大きな違いはなく、強いてあげれば、モタレ攻め以外にしのぎ、模様の形成などにも用いられます。
カラミは自分の打った一着によって相手の二つの弱石を同時に攻めるのに対し、攻めの場合のモタレは一方の石に働きかけて、他方を牽制します。
15−1図 モタレ攻め

黒1とこちらにモタレる要領です。白2とハネれば、黒3とノビ、続いて白4と押せば、黒5と押し、白6の脱出には黒9と振り替わって満足します。


15−2図 モタレ作戦T

前図白4で、白1、黒2を交換して、白3と曲がってくれば、黒4とキリを入れるのがモタレ作戦の急所です。


15−3図 モタレ作戦U問題へ

白は6とアテるわけにもいきませんから、5とアテる一手です。黒は6と二子にして捨て、8からもっていってモタレ作戦を展開します。白9に黒10とアテ、黒12のオサエまで、見事白四子を取ることが出来ました。

16−1図  取れない

黒1、3で取れれば、これに越したことはありません。しかし、白4、6と逆襲されて危険です。あくまでも取りにいくには黒7と上をツグ一手ですが、黒8と切られるとどうでしょう。両断された黒は収拾がつかなくなり、逆につぶれてしまいます。黒7で8と上をツグ方がましですが、白7のキリで生きられては、攻めは失敗です。
16−2図  80点

黒1とトブのはどうでしょうか。次に黒5のツケをねらうのですが、ややもの足りません。
白2、4の生きのとき黒5とツケてもまだ白△には活力が残っており、モタレ戦術としては、不十分です。



16−3図  正解

黒1とここまで進めるのが正解です。
白2、4と抵抗してくれば、黒3、5と応じ、白6のとき、黒7と取りにいっていい。黒1とモタレた効果がここに現れています。
16−4図  相場  問題へ

したがって黒1には白2、4と生きるのが相場でしょう。黒は5と一子を制して、モタレ戦術はみごと成功です。16−2図と比べても本図の方が、黒がはっきりいいのが分ると思います。
17−1図  失敗

単に裂いて出るなら、黒1とトブのが普通の着想でしょう。しかし白2と構えられてあまりにも策がなさすぎます。
17−2図  肩

黒1と肩から持っていくのが正解です。白△に余裕を与えない意味では厳しいかぎりです。白2の出には黒3とオサえ白4と切って戦ってくれば、黒5とオサえ、白6ハネに黒7から9と持っていく調子です。
17−3図  実戦T

黒1に白2と応じたのが実戦の進行です。黒に調子を与えないという意味では最善の受けですが黒3と攻めを続行します。黒1の利かしによって白連絡しにくくなっているのが分ります。白4には黒5とハネ、
17−4図  実戦U

白1と様子を見ましたが、黒2、4と調子よく決めます。白5に黒6と眼形を奪い、白7には黒8とノゾき、一方的に攻めて好調です。


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