囲碁豆百科

ことわざ
04/06/12
川柳
予定
三味線
予定
俗語
予定

四隅取られて碁を打つな
四隅取られても勝つことはあります。
しかし、一般的には四隅とも取られては、地のバランスを失うのが普通です。
パーセンティジから見れば、80%ほどの信頼度をもった格言といえそうです。
要するに、碁はバランスを考えながら打たねばならないという戒めなのです。
二立三析・三立四析
図でいえば、黒1のコスミツケに白2と立ち、すなわち白が2本立ったので、白△があたかも三間ビラキとなり好形になりました。この白の姿が二立三析です。
白が三本立てば、もう一路広く四間にヒラケます。

黒の立場でいえば、黒1が悪手です。労せずして白を好形にしたからです。
黒1は打たないで黒aの打ち込みをねらいます。
1図
大場より急場
布石時代は大場が騒がれますが、大場より急がれる急場もあり得ます。
2図

黒1の下がりは急場の典型でしょう。
地も根拠も大きく、次に黒aの打ち込みがきびしい。
大場、大場と騒いでいると、急場をうっかり見逃しますから注意が肝要です。
厚みに近寄るな
千古不変の棋理の原則です。
敵の厚みに近寄れば、その圧力に押されて石の力を失います。すなわち、石が働かないのです。
また、見方の厚みに近寄れば、石の働きがダブってやはり能率を欠きます。
厚みはたとえそれが味方のものであっても近寄ってはなりません。
「厚みを囲うな」という格言がこの意味を語っています。
1モク這えば10目の損
二線ハウは負けのもと・・・・・ともいいますが、この格言を具体的な数値に換算したものです。
3図の黒1とハウのは仕方がありません。打たなければ、白1のオサエを先手で打たれるからです。しかし、これ以上は這いません。
黒aとハエば、白bとノビられ、黒は1目しか地がふえないのに反し、白bは中央の厚みに関し10目ほどの価値があるといわれています。

3図
二モクのアタマ
ダメヅマリの基本スタイルが、2モクのアタマです。
不自由なことは、皆さんの体験が教えてくれるでしょう。
4図の黒1は「ケイマのツキアタリ」ですが、自分でわざわざ2モクのアタマをハネられにいった手で、悪いことは明らかです。
白△が2モクのアタマです。黒は嫌な形です。
黒1は打たないで、黙って黒aにツグのが本手です。

4図
碁はバランスにあり
調和ともいいます。
例えば、「一方高ければ一方低く」という格言もこれです。
地を稼いだ布石なら、それ以上は欲張らず、あとは厚く打つように心がけるのもバランスの一つです。
厚くて地のない布石なら、厚みを利用して、打ち込み、攻めなどを敢行して地のバランスを保つように心がけたい。
厚い厚いとあつがって喜んでいるうちに地が足りずに負ける。つまりバランスを忘れて偏るからです。
早逃げは三文の得
早起きは三文の得といいますが、早逃げは局面により三文以上の得があります。
5図の黒1が早逃げです。こう打っておいて、a、bの打ち込みを見合いにしています。
5図
断点ノゾクべからず
やたらにノゾク人がいますが、これはいけません。
断点は、まず第一に切ることを考えるのが棋理です。
キリが不可能と見ればノゾキで利かすこともありますが、それもチャンスを捉えないと悪手になる可能性があります。
6図黒1とノゾキ、黒3に戻るなど俗筋の典型です。
次に白aと出られても、さっそく黒が困るでしょう。黙って黒3から攻めるのが形です。
6図
要石捨てるベからず
黒4と出切った石は要石ですから、どんなことがあっても捨ててはいけません。
この石を捨てることは、切るという意志の放棄であり、一手を無意味にさせてしまうのです。
この反対に「カス石逃げるべからず」というのがありますが、要は、要石とカス石の見極め方になります。
それも棋力のうちです。
7図
2目にして捨てよ
同じ捨てるにしても、2目にすることにより、いろいろ好都合なことを生じます。
8図は高目定石の一型ですが、白1に黒2とノビるのがこの格言の適用です。
黒2によって、黒は一手のゆとりが生まれるので、黒4を利かしまた、黒6・8と両方利かすことができました。
応用の広い手筋ですが、むろん、なんの代償もない形では、わざわざ2目にする必要はありません。
8図
キッた方を取れ
9図は高目定石ですが、白1とキレば、キッた方を黒2と取ります。
白3の方をキッても、同じく黒aとカカエます。
簡単なようですが、この格言には深い棋理が潜んでいます。
図でも分るように、黒は先手でポン抜いて生き形になりましたが、切られた時、逆の方をツグのはキカサレになるのです。90%までこの格言は信用されていいでしょう。
9図
死んだら動くな
攻め合いの鉄則といったら、おかしいかも知れませんが、死んだ石は動かないほうが得です。もっとも、死んでは動けるはずはありませんが、つまり打ち切ってはいけないということです。10図白1は巧い手筋で、黒が取れば、白aとオイて黒死にです。このような場合、黒はもうジタバタしないで、これを劫材として使えば、5手の可能性残るわけです。(劫材が5コあるのを確かめてください。)
とことんまで打ち切ってしまうのは、劫材をいたずらに失い、可能性の浪費になります。
10図
攻め合いは一手勝ち
攻め合いにおける、必要にしてかつ十分な条件です。この原則のためにいろいろな格言が生まれています。
いわく
眼あり眼なしはカラの攻め合い。
眼あり眼なしもときによりけり。
両バネ一手のび。
大中、小中(大ナカ、小ナカ)
要するにたった一手のために、このようなさまざまな格言が作られたのです。
三3・四5・五8・六12 
数多い格言の中で、ただ一つの絶対性を持ったものです。もっとも格言というより数値ですから、動かせないのは当然でしょう。
ナカデの手数を示したものです。
三モクナカデは3手
四モクナカデは5手
五モクナカデは8手
六モクナカデは12手
くわしくは「攻め合いのナカデの九九」を参照してください。
左右同型中央に手あり 
この格言はあまり実戦的ではありませんが、参考になります。
左右対称のときは、中央に手のある場合がある、と軽く覚えておけば便利でしょう。
11図は黒1の一発でアウトです。
両ウッテガエシの例です。

11図
死はハネにあり
死活に関する格言です。
必ずしも、死がハネにあるとはかぎりませんが、死形への第一歩として、フトコロをせばめるハネが考えられるのは当然でしょう。しかも、実質的にもハネで殺せればいちばん石が能率的というものです。
12図は黒1、3とまずフトコロをせばめ、最後に黒5の止めを打ちます。
12図

格言はこの他にもいろいろあります。
またの機会に続きを作りますが資料をお寄せいただけば大変有難いです。


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