四、五子局 次の一手3

俗に四本柱といいます。四つの隅に置石のある四、五子の碁です。この置石は地取りの役と、近寄る白への攻めの二つに役立てないと十分な効果をあげることができません。
21型  黒番   解説

白△のオシを打ったところです。
右上隅の黒を封鎖したことになります。
ここで隅と上辺どちらの黒が不安になるか
次の手はそこで決まるでしょう。
22型  黒番   解説

白△にオサえました。黒二子がダメ詰まりですが、いま隅を打つところかどうか。他の大どころに回るとすれば急所は?

第23型  黒番   解説

白△にトンで中を大きい戦いにしています。白のねらいは上辺から中央にかけての黒を攻め立てること。黒は戦線を縮小してわかりやすい戦いにしたいところです。
第24型  黒番  解説

白△の三々打ち込みです。両ガカリ定石の対策で、右か、左かの二者択一ですが、打つ手は二つだけと決められません。第三の手を考えてください。

第25型  黒番  解説

白△にカカリました。
隅だけの定石選びから、下辺や左上の勢力を考えた定石を考えたいのです。
受けるか? 攻めるか?




第26型  黒番   解説

白△にハネたところです。
この白は下辺への渡りと、右辺を荒らす生きを見合いにしています。
黒はどちらを選んだらよいでしょうか。
第27型   黒番  解説

白△の三々入りです。
右を大事にするか、左を囲うかで対応が二つに分かれます。右上の白の働きを警戒しましょう。


第28型  黒番   解説

白△に渡ったところです。
定石は隅や辺の地を重視しますが、この場面では中央を含めて、全局をリードする変化を考えたいのです。
第29型  黒番  解説

白△にノビたところです。
白が広げている下辺の地を気にするより、勢力の多い黒地を広げる方が有利ですが、その勢力の消長の急所はどこでしょうか。
第30型  黒番  解説

白△にカカりました。
一間トビの黒は強い形です。攻められる不安がないとすれば、白を攻める立場と考えてよいでしょう。



解説

21-1図  正解

黒1が次の一手です。右上の黒は地が広くて死にません。右上隅よりも上辺の方が不安です。また、左上と上辺の黒が手を結べば、中央に黒の厚みができます。
右上は白aなら黒b。また、cのツギが利いているため、白aでbの攻めは無理です。
21-2図  実戦   問題へ

黒1にツギました。白aをおそれたのと、次にbと出て白を切断するねらいを見ています。
しかし、白2、4と左上を固められて、中の黒が不安です。天元につながっても、根拠がしっかりしていません。

22-1図  正解

黒1のカタツキが次の一手です。
上辺から中央に逃げている黒がはっきりしません。また、左辺の黒一子も不安です。黒1は左下の白に攻めかかり、中を厚くする急所です。
左上は白a、黒b、白cで黒▲の二子を取ることができます。
しかし、いま黒二子を取っても、外の勢力と無縁です。イやロのキズを切断しているカナメ石がないため、地取りの手に過ぎません。
22-2図  実戦  問題へ

黒1に守りました。上辺、7切りやaをねらうことができます。白2の切りを利かしたあと、白4と左下の大どころに回って、左辺と中の黒をねらうことになります。黒13まで地を稼いでも、白16までの戦いがくるしくなっています。



23-1図  正解   

黒1の一間トビが次の一手です。
上辺の黒二子は白の勢力の強いところに近寄っていますから、助け出すのは危険です。黒は上辺を捨てて、中央と左辺を助け出せば形勢有利です。白2と上辺の黒を分離すれば。黒3と左辺の黒を助け、同時に左下の白を攻める形になります。
23-2図  実戦   問題へ

黒1とツケ、3のノゾキを利かせました。白4のあと、黒5、7と上辺の黒を助け出しています。上辺の地を破っても、この形では左辺の黒が助かりません。白8と右下にカカり、右辺を破って、中央の黒の攻めを見ています。難しい戦いです。
24-1図  正解

黒1のキリが次の一手です。
白2、黒3で、隅を荒らされた代償は、左辺の勢力になります。
黒1でaとオサエ、白2、黒1の形は勢力といえません。

24-2図   定石   問題へ

黒1のオサエは、上辺の白一子を攻めるつもりです。白2とハッて左辺につながり、地と勢力を作ります。黒3とグズミを利かし、黒5とハネる定石です。黒7まで、上辺の模様を広げようとしますが、白8のボウシで荒らしの手がかりを作り黒が右上を囲えば、白10が荒らしがよいタイミングになります。
25-1図  正解

黒1のハサミが次の一手です。左上は黒の強い勢力です。黒1はハサミと同時に、左上からのヒラキになり、黒の勢力圏は左辺から中央へと発展します。隅を守るところではありません。
白2と三々に入って根拠を作るぐらいです。黒3から7までは定石です。黒の外勢は下辺から左辺にかけて、大模様を作っています。
黒15まで黒の楽な戦いになるでしょう。
25-2図  定石  問題へ

黒1の一間トビは普通の定石です。白2とスベり、4とヒラいて左辺で治まってしまいます。
この分れは、左上の黒の厚みが消えています。黒の勢力は左上と下辺に分割されて、模様ができません。



26-1図  正解

黒1のオサエが正解です。右辺の地を大事にします。黒は右辺へのヒラキと、ケイマの囲いがあるため、右下を固めれば、そのまま右辺が確定地です。先手を取って、次に黒5のコスミツケから右上の白への攻めがきびしい。右辺の黒ががっちりと固まっているため、白は一方的に攻められる苦しい形です。
26-2図   難しい  問題へ

黒1のオサエから3のツギは、外勢を固める打ち方です。白4のスベリで生きです。ここで黒5と右上の白を攻めても、白aのノビで右辺の黒が薄い形です。下辺の形もはっきりしないため、難しい戦いになるでしょう。

27-1図  正解

黒1のオサエが正解です。
右辺の白一子を攻めても、右上に白一子があってね大きい地を作りにくい。
白2の渡りに、黒3,5とトンで中を厚くしながら右辺の黒につながります。右辺の地にはこだわりません。白6のカカリには、黒7がぴったりした攻めになります。これで下辺の白を大きく呑み込む模様ができるでしょう。
27-2図   不十分  問題へ

黒1のオサエは、白2、4と下辺で治まられます。黒のねらいは右辺の地を固めることですが白6、8を利かしたあと、白12まで右上を治まられて、大きな黒地はできません。
このあと黒13の守りぐらいでは不十分です。



28-1図  正解

黒1のグズミは形の急所です。白にこの点へアテ込まれると、黒の形が崩れます。黒1はアキ三角の愚形ですが、ダメ詰まりを防ぐ強い形です。白は2と受けるしかありません。黒3、5、7とオサエ込みます。中央に大きい模様ができます。
白8からの辺の荒らしは小さくなります。
28-2図  乱戦  問題へ

黒1のハネは、白2、4と決められて黒がダメ詰まりの形になります。黒7のあと、白が右上を治まるのも有力です。また、白8とカケツイで、右下のねらいを見ることも出来ます。黒9なら白10、次に黒a、は白bの荒らしになり、たちまち乱戦です。

29-1図  正解

黒1のケイマが次の一手です。
右下の黒の勢力は、右辺だけの働きから、中央に広げていくと効力が増大します。
黒は天元の勢力を働かせ、下辺にも展開できる理想形になりました。
白2、3と下辺を固めたのは、黒aの封じ込みを防いでいます。
白が下辺を打てば、黒5からの右上の攻めがきびしい。黒7と迫って、右下の白一子は身動きできない状態です。下辺だけの白地では勝負になりません。
29-2図   実戦  問題へ

黒1のケイマは右下の発展を警戒しています。なかなかの好点ですが、右辺の白に活力が残っているため、白に回復のチャンスを与えます。
白2、4と動き出されて、右下の黒が反対に攻めを受ける形になりました。






30-1図  正解

黒1の打ち込みが次の一手です。
右下の黒の強い勢力を働かせるには、右辺と下辺の白への攻めですが、下辺よりも右辺の方が広く、白は上下を連絡しにくくなっています。
白2、4で治まり形ですが、黒は3と三々を固めて隅の不安がなくなっています。黒5のトビは右辺を固めるというより、右上の白への攻めです。白はただ生きるだけ、地の争いにすることはできません。
30-2図  実戦

黒1と左下隅を固めました。戦いよりも地で争う打ち方です。白2から一間トビの欠陥をとがめ、黒を攻める調子をつけます。白12と黒を競りたてながら右辺を固め、黒13の逃げ出しに白14と下辺を構えて、白がいっぱいに働いています。




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